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2018春季A&C静岡日記:後編

 

 

*2018春季A&C静岡日記:前編*click!!

*2018春季A&C静岡日記:中編*click!!

 

 

 

開催日記:後編ということで、

ここ数日、何を書こうか考えていた。

開催中のことに焦点をあてる。

それに変わりはないけれど何を伝えたいのか?

大事なことはそれ。

まあとりあえず書き出してみよう。

 

 

今回の小屋企画は「本とわたし」ということで、

「本」を軸にふたつの企画を提案させてもらった。

 

 

ひとつは「わたしと本」というもので、

出展者とスタッフによる2日間限りの図書館をつくろうというもの。

預かる本の中には出品する方のメッセージが書かれていた。

 

これは開催中に感じたことだけど、

一般的な本の入口は表紙から入ることだと思うが、

今回の企画によって、別の入口が生まれたように感じた。

それは、出品した作家のメッセージから入るケース。

そのことによって、ひとつの本にふたつの入口が生まれたようで面白かった。

 

後書きが似たような位置づけかもしれないが、

そこに生身の人間は存在しない。

けれど、今回の提案ではそこに、生身の人間(作家)がいる。

これは大きな違いだろう。

 

本にメッセージが添えられているちょっとした工夫があるだけで、

本にまったく別の切り口が生まれる不思議。

いいなあと思った。

 

 

もうひとつの企画は「つなぐ、ワークショップ」というもので、

これは出展作家の有志の方より制作の際に出た端材(ハギレ)を提供してもらい、

集まったハギレで自由に栞を作ってもらおうというものだった。

 

 

現場では多くのお子さま連れの方が参加をしていて、

これまでのA&C静岡にはない景色がつくれたように思うし、

スタッフ全員が順番に現場の管理をする事で、

これまでにないくらいに一人一人が現場にコミットしていた様子が微笑ましかった。

 

担当スタッフの藤本さんからすれば、

道具の使い方の説明等に四苦八苦だったと思うが、

これも、現場を全員でまわすということから生まれる副産物と思えば、ふつうのこと。

つくる側の人でもある彼女にとって、言葉やイラストで伝える作業は為になったのでは?

…と私は勝手に納得した。

 

一点。残念というほどではないかもしれないけど、改善したいこと。

それは現場が余りにも自由すぎて、

ハギレの出所、作家の紹介にあまり紐つかなかったことだ。

参加者がを楽しめればいい。

そこに異論はないけれど、

自分たちが目指す先はそこではないだろうし、

企画を作り、表現した先にある目的を忘れてはいけない。

 

気づきの多い企画だったし、また違った形でチャレンジして欲しいと感じた。

 

 

話はまったく変わり、、

2日間共に晴れたことは「雨の静岡」を払拭する機会でもあったけれど、

(しかも、昨秋に続きだからなおさら!)

不思議なほどに寒かったり、2日間共に迷惑千万な風が吹いていた。

このことによって、2日間の晴れにケチがついたことがとても不満だが仕方ない。

相手は神様や地球の動向。楯突くとろくなことがない。黙って受け入れるほかはない。

 

 

今回の開催で、

これまでよりも会場の景色が変わったように感じた。

 

その共通項は光りの取り入れ方とブースへの親しみやすさだった。

 

そう気づかせてくれた作家さんは、

エリア5の角にいた榊麻美植物研究所さん。

 

 

自身で鉢をつくり、様々な植物の苗を植え、自然に任せつつ手をかけることを勧める。

そう勝手に納得している私は、開催ごとに彼女のブースに立ち寄り眺めてきた。

 

今回、ブースの場所の特性もあるだろうけど、

ブース全体に光りが届くような作りになっており、

それは特に、お客さんが立ち寄る場所ほどそうで、

そのことに心地よさを覚えると同時に、

沢山の方が自然と榊さんのブースに立ち寄るしかけになっていた。

仕掛けというといやらしいが、そこにある開放感に人が自然と惹かれたんだと思う。

 

 

そのことに気づき、

改めて会場をまわってみると、

テントがあってもなくても、

取り込む光りによって生まれる陰影が

更にその空間に心地よさを与える。

そういったブースがこれまでよりも増えていた。

 

 

 

 

 

とある革の作家さんは、直射日光によって革にあてるダメージを避けつつもテントと什器でクリーンな空間をつくっていた。ミニマルというだけに留まらないその空間。素敵だった。

とあるガラスの作家さんは、作品にそそがれる光を意識してか、ブースの奥まったところに作品を置かず、すべて参道に沿った面で魅せていた。そのことによってガラス作品は光りを蓄え、生き生きとしていたように感じた。

とある陶磁の作家さんは、テントのタープを外し、骨組みの構造を最大限利用し、ユニークさと上品さを兼ね揃えるブースを作っていた。むむむ。にやり。そう思った。

土で球体や立方体などの塊をつくる作家さんは、出展場所の特性を利用したかのように、光りが入った時とそうでない時のコントラストがはっきりと分かれるような展示をしていて、私が訪れた時は光りがそそぐ時間帯。本来であれば重さを感じてもおかしくない土のかたまりは、軽さというよりも浮遊感があるように感じた。なにより作品の持つ輪郭が美しかった。

 

…と、かなり断定的に紹介してしまったが、これはあくまで私が感じたこと。

作家さんがどう考えているのかはわからないし聞くこともないだろう。たぶん。

 

けれど、そんな一見作品と直接関係ないことを考え、勝手に想像することで、野外のクラフトフェアの楽しみは増え、買い物と会話以外の、その楽しさを知ってほしい。そう、主催者たる私たち運営スタッフは望みたい。

 

 

ここから先は出展してくださった作家さんに伝えたいこと。

まだ続くのか!?と叱られそうだが、続きます。ごめんください。

 

 

野外のクラフトフェアには、その場所ごとの環境による違いと制限があり、大まかに展示の構成を決めていても(それを準備と云う)、現場で柔軟に対応出来る作家さんのブースこそが生き生きとしていて、それによって見た目の明るさではない明るさ、風通しの良さが生まれると思う。

具体的に云えば、私どもA&C静岡の会場なら、ブースの奥に誘い込む什器で囲うコの字型のブースのつくりは、自然と空間に圧迫感が生まれ、結果、風通しの悪さと威圧感が生まれてしまう。

時折、そうしたブースを見かけることもあるが、そうしたブースほど大抵の場合、奥の会計的なところで作家さんが鎮座ましまししているので声がけづらい。きっとお客さんもそう気持ちになるだろうな。そんなことを感じる。

何を伝えたいか?それをひと言で云えば、準備して更に現場で工夫をする。たったそれだけのことをして欲しい。

何故ならそれは、用意されたブースにはあなたの自由と責任があって、そこにあなたの2日間の生業があるのだから。生業とはなにもお金を稼ぐことだけではないはずだから。

 

 

さて、云いたいことも云ったし、

そろそろ締めに入ろうかと思いますが、

秋季開催の宣伝をさせてください。

 

 

 

2018年A&C静岡のスタッフ小屋企画は「日日、はさむ」というタイトルで実施します。

ここではスタッフの考える機能のあるもの機能のないものが並列に並び展示されます。

春に続いて、またまた舞台は本の上。

企画の原作者は静岡スタッフの中でも最も若手の望月さん。

彼女のユニークな提案によって今回の企画は生まれました。

ひとまずの告知はこちらとなりますが、後日更なる告知を致しますね。

乞うご期待!

 

 

さて、そろそろ終わりにしよう。

では締めに。

 

 

今回で16回目の開催となったARTS&CRAFT静岡手創り市。

 

代表たる私も、集うスタッフも、

工芸への深い造詣がある訳でなければ、

これから深めてゆこうという気持ちもそこまでありません。

人に言われたら嫌だから自分で云いますが、いつまでも素人でいい。

けれど、少なくともそこに参加する作家さんからは、

信頼を得られるような現場でありたい。

そして、いくらでも入ってくる便利な情報に時々流されつつも、

常に選び取るのは自分たちの現場から感じたことを、見つけたことを原資に、

これからの会場づくりをしてゆくこと。

 

そのことを約束し、次回にむけて日々歩んでゆきます。

 

これにて第16回目のA&C静岡の開催日記は終わり。

ここまでお付き合いくださってありがとうございました。

 

ARTS&CRAFT静岡

手創り市

名倉哲

 

(了)

 

____

 

 

 

【次回A&C静岡開催について】

 開催日:10月13日(土)14日(日)

 申込期間:7月2日〜8月1日事務局必着まで 

 発表:8月11日予定

 

 

*A&C静岡スタッフ募集してます*CLICK!!

 

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リ・コモンワードはヨネザワ

 

今春開催のA&C静岡の日記が終わっておらず、

とある人に「次はいつですか?」と聞かれてしまいました。

「閑話休題ということでお願いします」とご勘弁いただき、

「そういえば知ってます?」と間髪おかず話題をすり変えた。

 

元A&C静岡スタッフだった米澤あす香さんが

インタビュー紙「Re:common word」を創刊しましたのでご紹介致します。

 

 

【Re:common word】とは?

モノやコトを作っている方をご紹介するインタビュー紙

「Re:common word」(リ・コモンワード)を創刊しました。

作り手と使い手の架橋となる”共通語”=”common word”となることを目指します。

 

 

ついに出来上がったか〜と感心した私は、

どれどれと久しぶりに彼女のサイトを開いてみると

こんな記事があがっていた。

 

「Special Thanks」と題して投稿されていた記事。

 

タイトルはまあいいとして、

そこに書かれていることに感心し、

彼女の姿勢があらわれていることを感じた。

 

同時に、紙面をつくる上でとても重要なポイントである、

デザイナーさんを自身の足で見つけお願いし形に出来たこと。

このことに凄いと思わざるを得ませんでした。

 

元々顔見知りだとか、

親しい人間だから、

という理由でお願いするのではなく、

自分の足で目で信頼出来るデザイナーさんを見つけることが

これからの彼女のつくるものへの布石と信頼になる思うからです。

 

 

 

【Re:common word】は彼女自身の仕事。そう感じました。

 

出来上がったものへの評価はきっとこれからでしょうが、

ひとまずは第1号へのおめでとうをここで伝えたいと思う。

ついでに、第2号に更なる期待を込めて。

 

それではまた。

 

名倉

 

____

 

 

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2018春季A&C静岡日記:中編

 

 

今日が昨日でも、明日が今日でもわからないような人生なんてまっぴらごめんだ

 

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*2018春季A&C静岡日記:前編*click!!

 

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今回で第16回目を迎えるARTS&CRAFT静岡手創り市は、半年に1度の開催なので丸8年継続してきたことになる。

たしか始まりは、私が30を迎えた頃から準備をむかえた。

東京・雑司ケ谷の手創り市に出てくる作家さんたちの活動に変化を感じ、実際にその変化を具体的に知る中で、「それなら作家を生業とする、生業とする事を目指す人たちが集まる場を作ろう。」そう決め、始まった。

あっという間の8年だったようにも思うし、たったの8年とも思う。

いずれにせよ、心がけてきたのは集うスタッフ達と現場の基準を作り、常に更新することを目標とし、同時に、自分たちにとって新しいと思える取り組みを重ねてゆこう。そう決めてやってきた。

ひと言でいえば、強い現場と面白い現場を両立すること。

ストイックなだけでは駄目だし、かといって面白ければいい、というにのは余りにも下品だから。そのことにゴールはないし、故に苦しいこともあるけれど、私たちのものづくりはそうあるべきで、その心がけがあるからこそ、自分たちなりの考えを持って作家と対話することが、ようやく出来る。

今ではたくさんの来場者のお陰で参加する作家さんにとっても有意義な2日間をつくることが出来ているように思うし、運営側・出展者・来場者が三位一体となってはじめて会場のワクワクが生まれ、そのワクワクが人に伝播し次に繋がってゆく。

そう、だからこそ出来るだけ現場で起きたことを紹介したいと思っているし、他人がどう思うとも自分の考えを述べてゆくのが主催者としての役目だと思う。

思うじゃなくて、そう決めている。

 

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様々な人たちが集まる場所では大なり小なりのトラブルがない訳がない。

大はなくとも小はある。それは私たちの会場でも同じで、そのトラブルを出来る限り未然に防ぐ為、起きてしまったものの程度を広げない為に私たちスタッフは会場内外あちこちに散らばっている。

ただし、出展者のブース内にはルールに則ってさえいれば基本的には立ち入ることはないし、ブースの中は出展者の自由と責任が担保されている場。そう考えている。なので、商品(作品)の紛失についても、原則は自己責任という認識だ。

 

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今回、初めて盗難の現場がおさえられ私のもとへ連絡が届いた。

現場にむかう途中、スタッフからの状況報告を受けつつ気になることがあった。

 

「お子さま連れの方が盗難をして、そのお子さまは受付で預かってます」と。

 

こうした場合、被害を被っていない周囲の大人の考えること、共通することは、「子供の前だから…」「よしなによしなに」という理由と思惑で様々なことを決定しそうになることだが、私はそうしたことを一切考えることはなかった。

 

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盗難を発見し犯人が捕まえれば、その後は粛々と警察に受け渡す。

警察がやってきたら、盗難にあった作家さんが正式に訴えるのか、商品(作品)の弁済をどうするのか、これら2点を決定してゆくことが優先され、警察の方には申し訳ないが、出来るだけ速やかに撤収して頂けるよう運営側として協力をしてゆく。

その間、そのお子さんに対する同情はあれど、構っている暇はない。

あくまで、出来るだけ犯人たる母親に近づけないよう、けれど、余りにも遠ざけることのないよう保護し、同時に、警察の方に「お子さんを保護してもらう為、近親者を早く連れてきてあげてほしい。」そうお願いするだけだ。

しょせん私たちスタッフは家族ではないし、その子の為を思って優先的に物事を決定することはしない。

子供だからといって、目の前で何が起きているのかわからないことはないし、きっと理解出来るし、罪は罪と云えど、母親が捕まってしまったことに哀しいことを知る。彼は被害者だけど、家族という関わり、呪縛に、ここでは逃れることは出来ない。なぜって、家族はそういうものだから。その後、このことから何を学ぶかはその子次第で、大人がしてやれることは傍にいてあげること、その子の傷を理解してあげること、けれど、背負うことは出来ない。ただし、無視すること(放っておくこと)だけはいけない。ただそれだけのこと。

 

こう言い切ってしまうと随分と冷たいようだが、盗難の報告があったその瞬間から、私の考えていたことはまったく別のところにあったし、2日目の朝がやってくるまで、夜間警備の間もそのことが頭から離れなかった。

 

_

 

起きた事件は警察がやってきて現場検証し、決められた手続きのもと片付けられてゆく。

少しの間、騒々しくはなるけれど、事件が処理されれば現場は一見元通りになる。

 

けれど、私が最も気がかりなことは別のところにあった。

事件が処理されても、元通りにならないものがある。

それは直接的な被害を被った出展者の内面と、その周囲にまつわること。

ここが私にとって大切で、切なくて、狂おしいポイントだ。

 

_

 

起きてしまった盗難の被害者たる作家さんは、その後も2日目の閉幕までずっとその場にいることが義務づけられ、当然それは仕事でもあるからだけど、実質的な被害を受けていない周囲の出展者さんから見れば、被害を受けた作家さんは被害者としてずっと印象づけられる。気にしないように…という思いや優しさは生まれるだろうが、また別の事実も同時にそれ以上にのしかかる。忘れることはない。そういうものだから。

出展者同士、半年に一度たまたま隣同士になり、そのほとんどが「はじめまして」のお互いで、気が合えば徐々に会話をする事になり、2日目の終わり頃には「またどこかで会えたらいいですね」とか「今度ご飯に行きましょうよ」とか、「いつか一緒に仕事出来たらいいですね」なんてことが期待されるはずなのに、盗難を受けた被害者というレッテルが出来上がってしまうと、どうしても話題は盗難の件から入ることになってしまうはず。「さっきは大変でしたね…」なんてゆう風に、本来、誰も必要としていないし、望んでいない、そんな会話から始まってしまう。

という風に考えると、被害を受けた人とその様子を一部始終を見ていた人との間には、見えない境界線というのか、壁のようなものが生まれてしまうかもしれない。いや、きっと生まれるだろう。なぜなら皆、分別のある大人だからこそ距離をおくということがある。それ以上に、作家同士だからこそお互いに理解しあいたい反面、こじれたものに触れるのが難しい。結果、話しかけづらい、という2日間では埋まることのない心の距離が出来てしまう。

 

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こうした考えは極端かもしれない。

考え過ぎなのかもしれない。

全てにおいて正しいとも思わない。

 

けれど、私は会場を運営する立場として、まずは出展者のことを考える。

 

警察でも被害者でもない私は、あれもこれもできる訳ではない。

であれば、自分の考えをまとめ即行動する。

茫然自失とただじっとしていたら運営者としての資格はないのだから。

 

パトカーで連れられていったあの子を思うと、今も尚うずくものがあるけれど、同じケースがこれから同様にあった場合、きっと同じような気持ちで、実際的な行動を選ぶだろう。誰が何と云おうとも。

 

_

 

楽しくない話を延々とすみません。

 

今回の盗難の件により、私たちスタッフの意識で修正するべき点が見えてきたので、秋にむけて目に見える形で活かしてゆこうと思った次第であります。

ネガティブなことをどうにかこうにかポジティブな意識に変えて、よりよい会場づくりをしてゆくこと。

私たちの役目はそこにありますから。

 

…という訳で、中編はこれにておしまい。

 

後編では2日間に渡って見つけた会場の出来事を記してゆこうと思います。

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

※ご意見ご感想は下記メールまでお気軽にどうぞ。

 

名倉哲

shizuoka@tezukuriichi.com

 

 

____

 

 

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2018春季A&C静岡日記:前編

 

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どうだった?

そう父親に云われ、

くたくたになった頭と身体はいつも以上にばらばらに、

そう、ばらばらになって沈んでいった。

4月8日の夜。

こんなにも凄かった3日間は記憶にない。

たぶん。

 

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いつかその時がやってくると思っていたけど遂にやってきた。

開催準備を独りでやることに。

それが今回の私の始まりだった。

 

_

 

4月5日。昼過ぎ。

護国神社に到着した私は、

随分と時間をかけて、

私にしては珍しく、

慎重に慎重に、

何度も確認しながら

ブース区割りのロープを敷いた。

見上げる空からは

樹々の隙間から光が射し込み

砂利を照らしていた。

目の前に見える砂利の粒を数えていたら

8928粒まで数えることが出来たけど、

正確にはわからない。

それと、もうひとつ。

トイレ掃除をしていたら、

至近距離で狸にでくわした。

お互い驚いた。

あっちが狸なら、こっちは野良犬。

そんな一日だった。

 

_

 

4月6日。朝。今日は前日準備の日。そしてやっぱり、今日も独り。

いつものレンタカー屋で車を借りて荷物を積み込み会場へ。

明日より本開催だから、否が応にも準備を終えなければいけない。

そう思うと急にゾクゾクした。

目の前の参道はあんなにも晴れて涼しげで心地いいのに、嵐の前の静けさのよに風が辺りを静かに漂っていた。

徐々に勢いを増す風。見ないように、目を合わせないようにしながら作業をしていたら、あっという間に雨が大雨となり、風は暴風にレベルアップしてやってきて、雨の勢いも順調に?増し増し、風は意気揚々と?横殴りに、更に下からもあおるような技を繰り出す風で、あんなにもキラキラとしていた参道はずぶ濡れ。せっかく神社の方が参道の横に除けてくれた落ち葉も、あっという間に元通り、いや、これまで見たこともないような量の落ち葉が散乱していて、砂利の上を踊り狂っていた。

目の前に広がる笑えない景色を眺めていたらいつしか笑えてきて、なぜ自分だけこんな目にあわなきゃいけない!?と思うと、俄然ヤル気も出てきて、絶対にどうにかしてやろうと決めた。

私はネガティブな時ほど事ほど、勇み喜び勤しもうとする性格で頭は却って冷静に、けれど沸騰してくる。逆にポジティブな時は、あまりヤル気もおきず、興味がもてず、頭が働かなかったりする。きっと、目の前の嵐は私向きなんだろう。

…と、そんなことはどうでもよくて、用意していたおやつを食べる時間もなく、(これもどうでもいいか…)やがて木藝舎の小屋組み立て作業員さん(と云ったら大変失礼だが…)がやってきて、嵐のなか小屋の組み立てをどうにかこうにかやり遂げ、棚をとりつけ、彼らはそそくさと帰って行った。いつもそうだが、いつも以上に大変な想いをさせてしまったと思う。感謝しかない。

終日嵐の中、気がつけばあっという間に陽が沈み、夜がやってきて、実家へ戻り看板の積み込みをして、日付がかわるちょっと前にどうにかこうにか作業を終えることが出来た。

風呂に入る前、実家の鏡台の前に立つ自分の姿はとても滑稽で、みすぼらしくてみっともなくて、ずぶ濡れで髪の毛もあちこちに散らかった笑える姿だったと思う。これぞ野良犬って感じで駄目すぎていけてるな〜と思った。

けれどそれで良かった。なぜなら、日付が変わる頃には雨も止んだから。

ほっとして、少しだけ寝た。

 

_

 

4月7日。丑三つ時。

いつもより早く目が覚め、父親へ「おはよう」と声をかける。

スタッフの2日間の朝食は父親が夜なべして作ってくれている。サンドウィッチだ。

受け取ったサンドウィッチや、ほか荷物を積み込み最終チェックをして会場へ向った。

会場へ到着する前、積み込んだ看板をあちらこちらに配置した。

神社の職員さん。犬と散歩するおじいさん。

いつもと同じ時間に、いつもと同じ人たちを見かけ挨拶をする。

どんな人か知らないけれど、そんないつものことがちょっと嬉しい。

その後、懸念していたフードエリアとエリア6のぬかるみを確認しに行った。

どこもかしこもすっかりと乾いて何の問題もなさそうだった。

ビバ・アラシ。でいいのだろうか…

数時間後には辺り一帯が喧噪に包まれる護国神社の境内。

喧噪の前のひっそりとした境内はとんでもなく心地がいい。

この独り占めしてる感は格別だし、酒を呑みたくなる。呑まないけど。

ホッとして参道を歩いていたら、宙から降ってきた桜の木の枝。

鼻先をかすめるように落ちた枝を見て、おいおい止めてくれよ…と独り言ちてみた。

どうせ周囲には誰もいないし、云っても仕方のないことだけど。

気がつけばスタッフがひとり、またひとりと徐々に集まってきた。

雨予報を心していたスタッフの表情は晴れのおかげかと晴れや爽やか。

晴れることはとてもいことだが、なんだか私は腑に落ちない。

というか、前日のことを思い出してきてなんだかむかつく。

初日の搬入が始まる前。

スタッフといつものように朝礼がはじまった。

朝礼では2日間のスケジュールや注意事項などを確認しあうのだが、私はどれだけ前日準備がきつかったか、嵐の様子を延々と延々と愚痴ってみた。10のうち8は私の報告の体をした愚痴だったと思う。

ともあれ晴れた。

開催前の準備が私の役目。

開催の2日間は彼ら彼女らの力によって現場がつくられる。

まずは初日の搬入。

ここでつまづくと後味悪いものになる。

細心の注意を払いつつ、時に大胆に進めてほしいと願って皆を送り出した。

 

 

そんなこんなで始まった2018年春季A&C静岡。

なんの失敗もなく、随分とスムーズに始まり終えることが出来た搬入。

新人の2人の動きを見ていても何の問題もなさそうで幸先がいいようだった。

ひとつだけ、いつもと違ったことがあった。

高山が初めて担当したエリア6だけいろいろあったようで、そのいろいろが彼にとって新鮮だったからか、そのいろいろに申し訳なさを表明しつつも楽しそうだった。勝手にしろと思った。

 

その後の2日間は沢山の出来事があって、とても充実した2日間だった。

良いことも悪いことも含めて。

中編では、良いこと悪いことの悪い事を書いてみたいと思う。

 

それではまた。

 

(中編は明日更新!)

 

名倉

 

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2018年春季A&C静岡開催のまとめ。

 

2018年4月7日(土)8日(日)

第16回目のARTS&CRAFT静岡手創り市を開催致します。

 

今回も全国より140組を越えるつくり手の皆様が集います。

 

<2018年春季・全出展者リスト>CLICK!!

 

ご来場者の皆様へ。

改めて開催前のご案内と注意事項をお知らせ致します。

http://shizuoka-info.jugem.jp/?eid=1194 

 

 

ほか会場よりお届けする情報をまとめました。

それぞれの画像をクリックしてご覧ください。

 

 

*出展作家とスタッフが言葉を交わして*

 

 

*今春の小屋企画のテーマは『 本 』をテーマに実施*

 

 

 

 

 

 

 

*しずおかの美味しいを楽しんでみてください*

 

*おいしいのあとは県内をめぐってみよう*

 

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*次回、2018年秋季開催の小屋企画は『生活とアート』をテーマに開催*

 

例えば日常のひとコマにこんなものが…

 

ベッドの上で読書をしている時、配達のお兄さんがやってきた。

配達のお兄さんが笑顔が素敵な人だ。

ぴんぽーん。はーいー。

 

1、ふと目の前にあったマグカップを本に”はさみ”玄関へ駈けた。

2、ふと目の前にあった円形を本に”はさみ”玄関へ駈けた。

 

片や機能があるものを。

もう一方は機能がないものを。

 

用途が決まっているものとそうではないもの。

そんなモノたちが小屋企画で提案されます。

 

*タイトルは「日日、はさむ」 どうぞ宜しくお願い致します*

 

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