RSS1.0 | Atom0.3



2017秋季A&C静岡・日記(名倉)

 

 

2017年秋季ARTS&CRAFT静岡手創り市は、

久しぶりの2日間の晴れ間のおかげか、

初日2日目共に連日おおにぎわいのなか、

幕を閉じました。

 

 

 

初日のこと。

朝の搬入を終えた頃、

とある作家さんに話しかけられたひと言が印象的だった。

 

「今回のB&W。

 どんな感じなりますかね?

 自分のつくってきたものを見てもらうことは当然として、

 他の人がどんな想いでどんなものをつくってきたのか?

 そのことにいつもよりもずっと興味がありますよ。

 というか、なんだか、何か買い物したいです。」

 

とってもカジュアルで、

肩に力が入っていないような言葉に感じるけれど、

スタッフも含め、沢山の方が思っていることを代弁しているようだった。

 

こんなにも「買い物をしたい」と思う開催は初めてのことだったように思う。

B&Wマジックだろうか…

 

 

 

今開催は会場全体で「BLACK&WHITE」をテーマのもとに開催をした。

その経緯は今更語ることをしないけれど、テーマを設けようと思って設けた訳ではない。

今思えば、自然な流れからの必然だったように思う。

 

1年前のこと。

スタッフが中心となって企画する小屋企画、

「酒器と日本酒。」を担当したスタッフ3人が「白と黒でどうですかね?」と伝えてきた。

そもそも、これまでの小屋企画は、ひとつのテーマをもとに展開してゆくもので、

展示会として設計のしやすいものをつくってきたし、

幅広いものを出来る限りやらないようにしてきた。

理由として、たった2日間で終わる小屋企画は余り風呂敷を広げるべきではない。

単純だけれど、これが大きな理由だ。

 

白と黒の提案があって、紆余曲折がありつつ、秋の2日間を迎えた。

ここに至るまでに、様々な作家さんと、スタッフと意見を交わした。

結果、B&Wで本来やりたいことはたったひとつということを理解した。

 

自身が提案できることを掘り下げ伝えること。

 

当たり前のことだけど、

フェアの性質上、

どうしても売り買いだけの場になってしまいがち。

それを改めて、伝えることにしっかりとフォーカスし、

引き戻したかったのだと思う。

 

伝えること。

それは作品だけで伝わることが一番なのかもしれない。

けれど、作品のみで伝わるか?と問われれば、

それは難しいと云わざるを得ない。

 

人は自分が見たいように見るし、

感じたいように感じる。

自分と他者は違う。

 

そういった前提を認めた上で、

お互いのアイデアや想いや時間などを交感すること。

そのことに正否はないと思うし、

つくった人間が自分で展示をし、

販売することの無形のメリットは、

自分と他者の違いと同じ部分を見つけることだと思う。

 

理解だけが共感だとしたら随分とそれはぬるいことだと思う。

違いも含めて、へえそうか、と思えることの先に多様性がある。

 

う〜ん、うまいこと語れてないな…

まあ、次にいこう。

 

 

 

1日目と2日目を繋ぐ夜間警備。

闇があることで周囲の光や色が際立つな〜とぼんやり眺めつつ、

仮眠に行った人が帰って来ないことに苛立ちつつ、

疲れているだろうし、まいっか…と思っていた。

 

今回のB&Wを基準にして、これからのことを考えていた。

 

今開催の前、

会う作家さん会う作家さんに

「次のテーマはなんですか?」と聞かれ、

正直うんざりしていた。

 

テーマは半年ごとに必ず設定するような、

義務感からくるものではない。

 

仮に、

義務感でテーマを設定して、

作家さんに提案するようになったら、

そんなものは本当に下らないし、

何様のつもりだ!?と自分に問いかけるだろう。

 

逆の立場であれば、

義務感でテーマを設けられたら、

その瞬間にその場から立ち去る。

 

もとい。。

うんざり…と云ってしまうと、

いくらか語弊があるが、

これが正直なところで、

前出の云々をその都度その都度伝えていた。

 

そんなことを夜間警備の間、

いったりきたり考えつつ、

時折、眠りそうになりつつ、

気づいたことがある。

 

テーマを設定すること自体、

自分でやっておきながら、

幾らかの罪悪感のようなものがあった。

 

作家というものは自分の良心に従って作品をつくるべきだし、

他者から指図されるものではない。それが原理原則だから。

 

けれどそれは、

作家さんにとっては、

自分で思いついたものではないからこその、

チャレンジのし甲斐のようなものがあること。

それは決してやらされてやっているものではないこと。

更に云えば、A&C静岡の提案だからやってみたいと思った。

そうした声も少しはいただけた。

そのことを知って、いくらか作家さんに対して勘違いをしていたように思った。

 

そんなことをぐるぐる考えていたら、あっという間に朝がやってきた。

 

 

 

今回、他のスタッフがやらないだろうことを自分なりにやってゆこうと思っていた。

例えばそれは、出展者の方のテントの立て方について。展示について。

 

護国神社の参道は左右に大きな樹木が立ち並び、

晴れても雨でも、光と影のコントラストが強い。

場所によっては、テントの外から見ていると中がとても暗いことがある。

 

その時のポイントはふたつあって、

 

「1」

暗さも想定して、ちゃんと展示プランの中に取り込んでいるものか。

 

「2」

屋外イベントでの展示はこうだからこうしています。

要するに、その時々その場所場所では何をどうこうとは考えていません。

 

仮に、「1」であればこちらが何を言う必要もない。余計なお節介だから。

けれど、参道を歩いていて、ん?と思うほどにテントの中が暗い方は、

ほとんどが「2」に該当する。

 

そういう方を見かけ、

作品がいいな〜と思うときほど歯がゆいことはない。

なので、どうにか口実を見つけ話しかけてみる。

 

何も行動しないことは、

考えていないことと一緒だと思うからだ。

 

なにより自分はスタッフであり、主催者でもある。

現場をスタッフに任せている以上、

その程度のことはしなければいけない。

 

「作品保全もあると思いますけど、

 作品に力や強さのようのものがあるからこそ、

 もう少しオープンな空間の方が、

 お客さんも入りやすいかもしれないですよね…」

 

と、絶対入りやすいですよ!と思いつつ、うっすら提案してみる。

 

そんなことを初日の終わり間際に意識的に話しかけてみた。

 

 

 

2日目の朝。9時ちょっと前。

 

会場内をうろうろしていると、

前日、テントの件について話した人の数組が、

おもいきってテントを完全に外していた。

 

「テントを全部外した方がいいよ…とは云ってないけどなあ。」

と思いつつ、話しかけてみると、、

 

「今日は2日目で終わりだし、昨晩考えてみて、納得したのでやってみますよ。」

「外してみてわかりましたけど、随分と明るいもんですね。」

 

そんな言葉が返ってきた。

嬉しい反面、これで結果が出なかったら目もあてられないな…そう思った。

 

_

 

ほかには、

全く別の声だけど、

今回のB&Wについて、

「お客さんがあまり知らない…」

という方との話も個人的には考える要素があって楽しかった。

 

「あまり知らない…」という声もあれば、

「B&Wがあっていつもよりもずっとお客さんと自然と話が出来ていますよ!」

という声もあった。

 

この違いってなんだろう?と考えて思い当たったのは、

テーマに対して、かける時間の違い。

伝えることへの粘りの違いだと思った。

 

かける時間の違い。

ひと言で云えば、

準備の差のようなものかもしれない。

 

粘りといえば、

つくったものを並べて、はいおしまい、ではなく、

そこからさらにお客さんの様子を見て話しかける。

なんだったらカンペのようなものをつくっておく。

準備をして、さらに準備を重ねる。

いつもとは違うんだよ、という意識を半ば自分の中に刷り込む。

 

そういった構えをするだけで、

お客さんとのやりとりの量も質も全くかわってくるはずだ。

実際、B&Wについて反応が良かった人ほど、

準備も粘りもあって、そこに人は共感したんだと思う。

 

ただ、これについては、

もっと自分なりに考えてみたいので、

これくらいにしておこうと思う。

云いたくないけど、、

世間でよくある、一概に云えない…というやつだ。

 

 

 

今回の開催では沢山の「B&W」の提案があり、

直接的な白と黒もあれば、

白と黒を光と影として置き換えて展示で魅せていた方もいる。

 

そこにある答えはひとつではないし、すべての答えが正しいとも云える。

 

またいつか「BLACK&WHITE」をテーマに開催してみたいと思う。

けれど、今はまだ、私たちスタッフがもっと積み上げてゆかねばならないものがあり、

いつかの為に、これからの開催のひとつひとつを真っ当に向き合ってゆきたい。

 

なんだか中途半端な気もする今回の日記ですが、

このへんで終わろうと思う。

 

実は、久しぶりに開催時のルポを後日お届け致します。

 

今回の「B&W」のルポ。

スタッフからも、

参加作家の方からも、

真摯な声が聞こえてくるのを願って、

ここらでお開き。

 

お付き合い頂き有り難う御座いました。

 

名倉哲

 

 

次回の開催は2018年4月7日(土)8日(日)。

お申し込み期間など詳細は11月に告知予定。

 

____

 

 

ARTS&CRAFT静岡

Mail shizuoka@tezukuriichi.com

HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com

twitter

Facebook

Instagram

 







Profile
New Entries
Archives
Category