RSS1.0 | Atom0.3



キレとクチあたり:城月甫(スタッフ荒巻)

ARTS&CRAFT静岡手創り市

2019年春季開催企画

 

「テーマ:キレとクチあたり」

 

慣れ親しむと気になる奥深さ。

けれど、そこまでマニアックではないその視点。

使えば使うほどに、交われば交わるほどに気になる、キレとクチあたり。

 

今回、わたしたちスタッフは参加作家へQ&Aをしました。

ぜひご覧ください!

 

 

 

 

城月甫(木工・漆)

 

出展場所:エリア4−4

 

担当スタッフ

荒巻

 

 

荒巻:

まずは、自己紹介をお願い致します。

 

城月甫さん:

1984年、石川県金沢市に生まれる。

水産高校卒業後、海老の養殖関係の仕事でミャンマーに行く。

その後ミャンマーのヤンゴン外国語大学に入学。

在学中に親しくなったミャンマーの漆器職人さん、木彫職人さんたちと漆塗りのルアーをたくさん作る。

大学卒業後、日本に帰国。

日本でミャンマーで大量に作ったルアーを売ろうとするもほとんど売れず。

その後、石川県挽物轆轤技術研修所に入所。

木地挽きと漆塗りを4年間学び、2010年同研修所を出所。

2014年、滋賀県長浜市に工房を移転。

主に国産の原木を轆轤で削って漆を塗って、全工程を一人で行った手作りの漆器を製作。

 

荒巻:

ルアーのところで少し笑ってしまいました。笑

さて、今回「キレとクチあたり」で紹介させていただくひとつが漆の汁椀です。

城さんの汁椀はわたしも日頃愛用しています。

それ以前は大型スーパーで売られているような市販のものを使用していたのですが、城さんの汁椀を初めて使ったとき、あまりの口当たりの違いに愕然としたのを今でも覚えています。

口に当たる部分がなめらかというのももちろんあるのですが、離すときの、抜ける感覚が、すっ・・としているんです。違和感がないといいますか。

そこで以前使っていた市販品と比べてみたら、城さんの汁椀は少し厚みがある気がします。

前置きが長くなってしまいましたが・・

原木から削りだす工程も行っている城さんが、汁椀を制作されるうえで、特に「クチあたり」の点において、こだわりなどありましたら教えてください。

 

城月甫さん:

お味噌汁椀やコップは直接口をつけて使うので、口当たりにはとても気を付けています。

自分で使ってみたり、使ってもらって意見を聞いたりしながら、少しづつ変えてきました。

 

荒巻:

どのような点を変えてきたのですか?

 

城月甫さん:

もともと椀は薄いほどいいと勝手に思い込んでいて、自分で使っている時もそのほうが飲みやすいと思っていたのですが、適度な厚みがあるほうが良いかなと、色々と見たり聞いたり使ったりするうちに変化していったという感じでしょうか。

もちろん人によって口と顎の位置と形状、唇の厚みも違いますので、一概には言えませんが、薄すぎると口に当てた時に口が切れる感じがしたり(実際には切れませんが)、誤って噛み破ってしまうと感じてしまったり、ちょっとぶつけてしまったときに割れ欠けが出やすかったりと、使うときにやや緊張してしまうと思ったりで、椀木地全体にも以前より意識して厚みを持たせて縁に至る近い辺りに(特に内側に)アールを持たせて仕上げるようになりました。

全体に薄くて軽い物も、繊細でシャープな感じが出て良いのですが、あまりに薄いとどうしてもぶつけるなどの衝撃に弱くなりますし、木の強みである保温性が落ちて熱いモノを入れた時に持つ手が熱くなってしまったりもしますし、でも厚すぎるとやぼったく見えたりもしますので、

難しいですが適度な厚み(木地全体のみならず、縁の厚みとアールも含めて)を目指して作るようにしています。

それから、漆という素材は人間の肌にとても近い素材と言われていますので、漆塗りのお椀でお味噌汁などを頂くと、やっぱりとても美味しいです。

 

荒巻:

とても具体的にありがとうございます!

見た目や実際の使い心地など全体のバランスを意識しつつ、制作されているのですね。

使っていて本当に縁の部分が心地よいので、お話を聞くことができて嬉しいです。

また、漆は人間の肌にとても近い素材と言われているのですね!

厚みやアールといった部分だけでなく、漆の持つ特性がクチあたりの心地よさに繋がっているのは、

なんだか納得がいきました。

漆ってなんだか触っていたくなるような気持ち良さがありますよね。

さて「キレとクチあたり」で紹介させていただくもうひとつが、片口です。

写真を拝見すると椀とクチの部分、別個のものを取付けたのでしょうか?それとも最初から一体・・?

城さんの片口、「キレの良さ」に対するこだわりや、追求していくまでの試行錯誤がありましたら

お話をおきかせください。

また、ご自身の片口を城さんはどのように使用されていますか?

わたしなら日本酒かなと妄想しました^^

 

城月甫さん:

片口もやはり陶磁器で作られたものが多いと思いますが、陶磁器は焼いて完成します。

焼くとどうしても尖った口に少し丸みが出てしまい、水切れが少し悪くなってしまいます。

また陶磁器であまり鋭く口を尖らせると、欠けやすくもなります。

木だと尖らせても欠けにくいですし、口の鋭さも保てますし、漆を塗って仕上げることで本当に裏漏れしないとても使いやすい片口が出来ます。

写真の片口は口の部分を他の木をくっつけて仕上げていますが、一木削り出しの片口も作っています。

僕はやはり日本酒を入れて使っています。

 

荒巻:

陶磁器は焼いたときに少し丸みが出てしまうというのは、言われて、なるほどと大きくうなずきました。

対する木工の片口、クチの部分は城さんがナイフで削りだしているのでしょうか?

鋭く尖らせることも、とても神経のいる、繊細な作業のような気がします。

 

城崎月甫さん:

片口の口は、その通りナイフで削り出しています。

漆を塗ってない状態だと、大丈夫かなと心配になる尖り具合ですが、漆と地の粉を何層にも塗り重ねて研いでとするうちに、程よい(と、自分では思っている)厚みというか尖り具合に仕上がっていると思います。

 

 

荒巻:

城さん、ありがとうございました!

とても勉強になることばかりで、お話を伺うことができてとても楽しかったです。

 

 

城さんは当日は4−4にて出展されています。

片口のキレを実際に試していただくこともできますので、ぜひブースに足を運んでみてくださいね。

(城さんのトークも面白いので、ぜひ。)

 

担当スタッフ

荒巻

 

____

 

Mail shizuoka@tezukuriichi.com

HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com

Instagram

twitter

Facebook

 

 







Profile
New Entries
Archives
Category