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「アトリエ訪問:近藤康弘 後記」


アトリエ訪問:近藤康弘 後記


うえおかゆうじ


近藤さんと知り合って先月で丁度一年。

今回アトリエ訪問で益子に訪れた時がその節目だった。


近藤さんとの付き合いは、名倉くんがyutaさんを引き連れ「∴つづる」の連載記事「健康より」の執筆をお願いしに彼の家に訪れた際、僕も同行させて貰った事に始まる。

名倉くんは僕を連れていく理由として、

「近い内に近藤さんのアトリエ訪問を行なえたらと思うので、縁をつなぎたい」との事だった。


僕は初対面の近藤さんに、

「うえおかさんは穏やかそうに見えますが、何か秘めてそうですね。むむむ」

的な事を笑いながら言われた様に記憶している。(記憶違いならごめんなさい)

でも、同時に僕も同じ様な事を近藤さんに感じていたのでした。密かに。


時は過ぎ、その数ヵ月後。


次に再会したのは秋。夕顔さんの「たち呑み屋夕顔」にて。

そこで近藤さんは、頼んで読んで頂いた、僕の小説の感想をくれたのでした。

良い事もたくさん言ってくれたのですが、どこか歯切れが悪い。

そして、やはり近藤さんが一番言いたかった事は、良い事ではない所でした。

「小説の後半、ドロドロとしたうえおかさんの内面が出てくる所があるでしょう?あれはどうかなと僕は思った」と。

「もっと話全体の展開として、健康的な物語になり得たのではないか?」と。

数分間、その可能性に想いを馳せる僕。


そして話題は変わり、近藤さんに対し僕は、

「轆轤を回している時には何を考えているんですか?」

と質問してみたら、なんと彼は、

「ドロドロした事が多いですね」

と口に漏らしたのでした。

すごい矛盾! 故にリアル! 僕は近藤さんの内面を見た気がしました。

しかしそのあと彼は、

「だからこそ健康的でありたい。ドロドロは内に秘め、外には出したくない」

と言い切ったのです。


そして今回、一年前の念願叶って近藤さんにアトリエ訪問を行いました。

二時間半のインタビューの際、近藤さんの話は、どこかへ脱線しても必ず最終的には凧の糸を手繰るように「健康的な物づくり」の話に帰って来る。

その粘りの様なものに感心しました。


「健康的な物づくりとは、安心出来る物」


人間、ドロドロした部分は当たり前の様にあると思います。

それを自分の意志でなるべく外に出さぬと踏み止まる、近藤さんの「健康的な姿勢」。

もちろん、それが良い悪いとかの話しではありません。

しかし、彼のその姿勢に対する意志の強さが、今回のアトリエ訪問インタビュー全体に、一本の軸として通っていた事は確かであり、そこに近藤さんらしさを再確認したのでした。





ARTS&CRAFT静岡








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