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むすぶ・鷹匠 ルポ


むすぶ・鷹匠 ルポ(2013年6月8日(土))


ARTS&CRAFT静岡のサイト内で展開されていた『むすぶ』。それは県内全域のお店・イベント紹介を通じ、静岡へ足を運んで貰うと同時に、静岡の魅力を発信していこうというコンセプトのもと行われていた。

その『むすぶ』が今回、新しく『むすぶ・鷹匠』というタイトルのもと、変化を遂げてゆく。


今回の『むすぶ・鷹匠』の企画にある、鷹匠エリアの個人店の店主をその背景ごと紹介する『ちいさな物語』。『OHNO CAMERA WORKS』の店主・大野仁志さんに、スタッフが取材を行った後、僕もお話しを聞かせて頂きました。



『ちいさな物語』ということで、米澤さんからインタビューを受けて、過去を振り返りつつ自分史を辿っていった今、改めて気付いたことや、さらに想いが深まったことを聞かせてください。


「先程のお話しの中心になっていた、『未来のあなたへ』という写真の撮影の仕方、方法をさせて頂いているんですけど、それはある意味、『これってどうだろう』と思っていたんですけど、子供の頃から続いているもの、家業であったり、そういった歴史があってのことなんだなと改めて気付きました」


先程のインタビューでも話しに出た、お父さんの存在が根っこに及ぼしている影響ですかね?


「そうですね。父があって今の僕がいる、というのは当然のことながら、僕のすべては父から始まっているので」


そんなお父様と共に歩かれた小さい頃の鷹匠、町の風景は今と変わりましたか?


「基本的にはそんなに変わってないですね。マンションが出来たりして、他のところからも人が集まるようになっていますが。高いビルは増えたかな?」


町の写真屋さんとして鷹匠エリアの好きな点を、感じているままに教えてください。


「さっきはあまり変わっていないと言いましたが、町並み変わってる。ここは住宅地で、昔からあるお店だけがある、という感じだったのが、外からも人が集まる場所になって、新しいお店も増えてる。すごくお洒落で、みなさんのおかげですね」


そのことは肯定的に捉えているのですね?


「素敵なことだと思います。人が集うということは良いことですから」



質問を変えさせて頂きますが、先程、米澤さんのインタビューがありましたが、彼女自身初回のインタビューだったのですが、どうでしたか?


「米澤さんとは、関わりの深い方なので。彼女の写真も撮っているし、写真についての考え方も共感して頂いているし。お話もすごくしやすかった。信頼があるから、ざっくばらんにお話し出来るんで」


『未来のあなたへ』で、カメラを構えたときの大野さんとはまた別の、写真屋さんとしての大野さん自身は、どんなことに気を掛けていますか?


「自分が考えて楽しいと思ったことを基準にものを考えています。自分が楽しめないことをお店でやったり、お店に置いても、みなさん楽しめないと思うから」


店内、バラエティに富んでいますよね?


「町の写真屋さんって、そこにいく理由がないと行かない。フィルムを出すとか、証明写真を撮るとか。でもそうでなく、町を通ったら、気になる店があって、入ってみたら写真屋さんだった。そういう店づくりをしたかった」


それは僕自身、初めに来た時感じました。


「よかったです。今は、町の写真屋が減ってきてる。写真屋を生業としてきた仕事が減ってきてる。業界にいると、そこを中心に考えてしまうので、目線を外し、個人商店なので面白いと思った物、カメラや写真に関わりのある物を囚われないで置いていく。で、お客さんが、『何だろうこのお店?』ってふらっと寄って行ってくれるっていう」


コミュニティーのスペースってことですか?

 

「そう思うところがあって。今、写真を撮るということがコミュニケーションでもあるし、写真を通して人とつながる、コミュニケーションのスペースでもありたい。で、お店に来たお客さん同士が食事に行ったり、僕も一緒にみんなと食事に行ったり」


写真屋さんとしての大野さん自身、どんな点に気を使ってコミュニケーションされますか?


「僕が中心にならないということ。僕が話をしちゃうとつまらないし、出過ぎないように、脇にいるっていう。もともと持ってる性格もありますが」


それって個人商店の店主さんのイメージって感じがするのですが?


「そうかもしれないですけど、父は違いましたね。父はいつも話しの中心にいたし、面白い人間だった。父のことを好きだといって集まるお客さんもいたし、実際、人間味もあった。そんな父にジレンマを感じてたりしていましたね」


自分は自分なんだと肯定出来るようになったのは、いつ頃からなんですか?


「少しずつ思うようになってきた。そう思える何かがないといけないと思うので、ここ数年ですね。父の敷いたレールの上を走りつつも、僕の敷いたレールも時々走らせて頂いています」


鷹匠エリアのおススメのお店や、デートするならここ!(笑)って場所はありますか?


「addition Neuf(アディションヌフ)さん。お店にあるものが洗練されていてとっても素敵。ギャラリー、雑貨屋さんですね。あと、grenoble(グルノーブル)さんやbreffee STORE(ブレッフィーストア)さん。メキシカンのお店で、夜明け前さん。Diego(ディエゴ)さんという飲食店もよく行かせて頂いてます」


個人店の店主のみなさん、個性的な方が多いですか?


「多いですね。こだわりも強いし、お話しをひも解いていけば面白いと思いますよ」


あとこれは、僕の勝手なアイデアなんですけど、『未来のあなたへ』が人を撮るじゃないですか?『未来の鷹匠』ってことで町を残すのはどうですか?


「それはやりたいと思っています。まだ撮っていませんけど。以前東京で、ポートレイトのワークショップに行って、そこで講師の方と色んなお話しをして。町の写真屋さんには町の写真屋さんの役割がある。変わっていく物を記録していく役目はあるよね? って言われて、なるほどな、そういった部分も残していかないとなと思っています」


これもまた思い付きなんですけど、大野さんだったら『とりこ』だったり、その人が持ってるお店や、特別な景色を、その人とセットで撮るというのはいかがですか?


「お店、景色、ぜひやってみたいな。考えておきます」


ありがとうございました。



次に話を伺ったのは、スタッフの米澤さん。


まず、『むすぶ・鷹匠』での米澤さんの役割を教えてください。


「登場するお店の方へのインタビューから記事にするまで。ライターですね」


今回、ライターとして初のインタビューを担当しましたが、その感想や準備のことなどについて聞かせてください。


「初めてのインタビューが大野さんだったっていうのは安心でした。大野さんには写真も撮って頂いてるし、ARTS&CRAFT静岡のスタッフとしても関わっている。親近感、話しやすいだろうなというのはありました。前準備として、大野さんの連載していたエッセイを読んだり、インタビューをどうしようとかと考えた。で、インタビューに関しては不安でしかなかった」


それはどの点が?


「話すこと、話をまとめることに対する不安です。6個くらい質問を考えていて、順番通りにはいかなかったし、常に、次どうしよう?次どうしよう?と考えていました」


その瞬間に集中出来なかった。


「そうですね」


それは改善出来そうですか?


「無理だと思っています。どうしたってそうなると思う。あと取材も四、五回だから、どれだけストックを持っていくかだと思う。どれだけ準備が出来るか、かな」


引き出しをいっぱいつくっておいて、それをカバーする?


「それなら大丈夫だと思います」


初めて鷹匠エリアに来た時のことを教えてください。


「これが『鷹匠だ』と思って行ってのは、スタッフになってから。チラシ設置かな?スタッフになって初めて周りを観ながら鷹匠を歩きました」


その時の印象は?


「お洒落だと思いました。いまだに入れないお店とかもあるし。外から見てかわいいなと思うけど、また今度また今度って(笑)でも、入らなくてもこのお店の前は通るっていうルートは決まっています」


今後、『むすぶ・鷹匠』をどう展開したいですか?


「私はお店の人をテーマに取材をするので、その記事がきっかけで、お店の人とお客さんがつながってくれたらと思う。お店に入っても会話せずにってことも普通だと思うんですけど、『むすぶ』を読んで、それが会話の糸口になってつながっていけばいいなと」


ありがとうございました。




次に話を伺ったのはスタッフの鈴木一生くんです。



『むすぶ・鷹匠』での一生くんの役割を教えてください。


「僕が鷹匠に詳しいから、名倉さんから鷹匠の町の魅力を伝えてくれって言われて」


具体的にはどんなことをするんですか?


「お店に行って、店内の写真を撮ったり、営業時間などを掲載した記事をアップするなどですね」


鷹匠に初めて行ったのはいつですか?


「三年前くらいかな。静岡に帰って来て、絶望的な気持ちだった。その前まで東京にいたので、魅力的な場所を知らなかった。静岡に対するイメージは高校の時点で止まってた。それで、とにかく町を歩いてみようと思い、袋井とか静岡の町を歩きました。で、鷹匠って面白いじゃんって。anmikunpe(アンミクンペ)さんに行ったのがきっかけですね」


鷹匠の第一印象は?


「路地とか、古い建物とか、静岡の街中にはない風景がある。駅からすぐ歩いて、こういう場所があるってことは、静岡では見たことがなかったので」


鷹匠のどの部分が好きですか? 


「個性的なお店が多いので、例えば、東京に住んでる友達とかに、この町の魅力を伝えたいなと思っています」


今回の『むすぶ・鷹匠』を始めるにあたって、名倉くんに提案したことは?


「写真についてですね。みんな、Twitterとかに写真を載せたり、Instagramで撮ってる人が多い。魅力的な写真を撮って伝える。写真の第一印象って大切だなって」


そこを提案していった?


「見る側の気分をそそる様な写真が課題ですね。僕も楽しみです。どう撮るか?伝えていくか?それをARTS&CRAFT静岡の企画で出来るのが」


一生くんは建築関係の仕事をしているんですよね?そこでもデザインはする?


「色々な場面でしますね。建築に関わることだけでなく、名刺をつくったり、最近では、書類もデザインになってきている」


総合的に情報をまとめていきたい?


「そうですね」


『むすぶ・鷹匠』をどんな風に展開させたいですか?


「町の中で人の紹介が生まれてる。あるお店にいくと、『あのお店は行った?』とか、そこでまた紹介される。人のつながりをこの『むすぶ』でつなげるようなそういうこともやりたいです。人の情報を回していきたい」


僕、その名前考えてたんですよ。『むすび目』ってどうですか?


「お!いいですね。こういうマップづくりって色々なところでやっているじゃないですか?町の魅力を手創り市のやり方で伝えていく。ただの地図情報の提示じゃ寂しい。人を伝えていきたい。お店の中だけの紹介だと完結してしまうんで、風景も紹介してみたいし、それを観た人に実際この町を歩いて欲しい」


歩くことに特化した企画とかあればいいかもしれませんね。


「鷹匠ツアー、ARTS&CRAFT静岡のスタッフが歩いて紹介とかやりたいですね」



次に話を伺ったのは名倉くんです。


どうして『むすぶ』は『むすぶ・鷹匠』へと変わったのですか?


「去年までは高山を中心に県内全域を網羅しようとしてやってきたのだけど、県内全域を意識するあまり、情報が散漫で、スタッフが動きづらく、結果薄いものになってしまった。同時にサイト化の話も進行せず、『むすぶ』自体が自然消滅的な状態になりつつあった。でも、『むすぶ』は面白いと思うんだ。静岡を発信して来てもらえたら。であれば、県内を網羅するのではなくて、自分たちの好きな町で、魅力を伝えてゆきたい場所、護国神社からのアクセスも近く、直結した町ということで、今回鷹匠エリアを中心にポイントを当てようと、スタッフと話し合いました。それによって自分たちも動きやすくなるし、目標も明確になる。それをもともと『むすぶ』を仕切っていた高山に持ち掛け、了承を得、今のような形になりました」


鷹匠エリアの個性とはなんですか?


「店主の顔が見える個人店。新旧のお店が集まる街。」


名倉くんにとって顔が見えるとは?


「単に店主の顔が見えるとか、話ができるとかだけではない、そのお店の人がどういう気持ちでお店をやってて、どういう味なのか、どういう内装なのか、そうした『好き』がお店として見えることじゃないかな?と」


『むすぶ・鷹匠』においての名倉くんの役割は?


「企画自体は、僕と米澤さんと一生くんと藤本さんでやってて、まとめる人が必要だなということで、その役目です。あとは『ちいさな物語』の時の撮影」


撮影のポイントは?


「特に取材において獲得しなきゃならない情報は、店主の写真、お店と表の通りの写真、この3つです。絵自体は決めないでやりたいと思ってるかな」


それはその場にしかないからって事ですか?


「人を介して撮るので、話を聞きつつ、様子を見つつ、この人がこの場にいたら腑に落ちるだろうな、とか。今まで物撮りはしてきたけど、人をあまり撮ってなかったので、人をどうやって撮るかを自分なりに意識したいです」


初めて意識して鷹匠に行ったのはいつですか?


「高2の夏の夜」


その頃の鷹匠って当時の名倉くんにとってどんな場所だった?


「別世界。お洒落な場所。その頃は年頃でしょ?女の子と食事で鷹匠に初めて行って食事した」


その時覚えてる景色を。


「個人店がひしめき合って、灯りがしっとりした感じ。チェーン店とかの変なネオンがないから雰囲気がいいなと」


今の鷹匠は?


「一人で行きたい店があって、初めて一人で行った店がある。普段僕はそういうことできないんだよね。恥ずかしくて。僕の中では東京なら代官山へ行く感じに鷹匠は近いかな。今は別世界じゃないけれど、行こうと思って行く街」


今日の取材の感想を。


「まず米澤さんに、インタビュー時の質問内容を前もって貰ったんだけど、自分が考えていたのがあってそれとほぼ同じだったことで意思疎通はとれてるなと。あと、最初が大野さんだったから話しやすいというのもあったね。大野さんて、話を掘っていけば掘っていくほど、自分の経験で培った言葉できちんと伝えてくれる。本当に最初が大野さんで良かったと思ってるよ」


コーディネータ―役の藤本さん、一生くんと昼間打ち合わせがありましたが、どうでしたか?


「写真のトーンを統一したいから、今回は自分で撮ろうと思ってたんだけど、一生くん、藤本さんも『こういう写真が欲しいんです』ってわかっていたし、こちらが求めることもなく、写真をどうしますか?大事ですよね?って言ってくれたので。その意識がある人たちであれば撮って貰いたいと思ったし、そういう面でも一緒にやってこうと思った。で、取材をする側にまわってもらうことをお願いしました」


『むすぶ・鷹匠』が今後どういった展開を見せて欲しいですか?


「米澤さん、一生くん、藤本さんで、そして高山とも話してきたことをね、まずはそこまでちゃんと形にしてゆく。それだけです」


ありがとうございました。




最後に話しを伺ったのは、この日の午後まで取材や打ち合わせをともにしていた、スタッフの藤本さんです。

彼女には、打ち合わせ時間の関係上、当日の取材が出来ず、今回メールにてインタビューをさせて頂きました。


『むすぶ・鷹匠』での藤本さんの役割を教えてください。


「現地のコーディネーターとして、一生さんとお店のピックアップを行っていきます。私は地元に住んでいるので、簡単な取材も担当していきたいと思います」


鷹匠エリアに初めて行ったのはいつですか?また鷹匠の第一印象は?


「中学生の頃から住んでいましたが、鷹匠という土地柄を意識しはじめたのは最近です。雑貨屋さんや隠れたカフェ、おいしいパン屋さんなど、一日散歩するなら鷹匠!というイメージです」


鷹匠エリアのどの部分が好きですか?


「適度に混み合ってなくて、庶民的なところも好きです。のんびりぶらぶら、目的が無くても歩いてるだけで楽しめます。ギャラリーや雑貨屋さんも多いので、友達同士でも一人歩きでも楽しめますよ」


今回の『むすぶ・鷹匠』を始めるにあたって、名倉くんに提案したことは?


「今回の打ち合わせでは、お店の取材の仕方も確認しました。本当は取材までする予定はなかったのですが、声かけする時にも簡単な取材をできるようになればなと」


『むすぶ・鷹匠』をどんな風に展開させたいですか?


「鷹匠の良さ、地元の人しか知らない情報を、もっと静岡に浸透させていきたいです。むすぶ・鷹匠を通じて、鷹匠エリアにお店を持つ人たちを応援していけたらなと。鷹匠という場所から、静岡にはまだまだたくさんの見所があることをアピールしていくことができればと思います」


藤本さんの特技(例えば絵を描けるとか、ギャグセンスが冴えているとか笑)を今回の企画にどのように活かしていけそうだと考えますか?


「この間も初めてお話しした方から、変に物怖じしない態度がいい!と言っていただき、とても嬉しかったので、取材にも生かせたら良いなと思います。ギャグセンスは(笑)まだまだもっと磨きますよ〜。絵を描くクセは、取材や自分へのメモを残すのに活用していきたいなと。

今日の一枚みたいに連載しても面白いかも……」


ありがとうございました。


今回のルポに当たって、各スタッフの個性や、自分たちのやりたいこと、楽しいと思うことが自然とこの『むすぶ・鷹匠』に直結していったら面白いことになるだろうと、僕は感じました。

第一回目の取材・打ち合わせにして、その片鱗が見えたのが今回の大きな収穫です。


これから展開する『むすぶ・鷹匠』乞うご期待!


うえおかゆうじ 



「むすぶ・鷹匠」では、正確には鷹匠町周辺も含まれますので、鷹匠エリアと文中で表しております。また、「むすぶ・鷹匠」への移行は10月のARTS&CRAFT静岡開催にむけて進行中です。どうぞご期待下さい!!








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