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くらしのこと市・ドキュメント 後編

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くらしのこと市ドキュメント・2013年7月・後編


『くらしのこと市ドキュメント・前編』の執筆に関わっている最中、偶然、友人からこんなメールが届いた。

『30歳過ぎたら、人は変わらない。もし変わるとしたら、それは、その人がすごい努力をするか。もしくはカミナリに打たれるか』だと。

前回の『くらしのこと市ドキュメント(以下・くらドキュ)・前編』で、僕は変わることの困難さ、そして、変わることによって得られるものについて触れた。人は変わることが出来たなら、新しい未来に入っていける。『くらしのこと市(以下・くらこと)』のスタッフたちの、自ら変化していこうという意欲や意識に触れ、そう気付かされた訳だが、友人の台詞にもあるように、変わることはなかなか難しい。

しかし、変化を推し進める有効な手段があることに、ここ数年、そして最近特に気付き始めている。それは、日常や習慣を変えること。つまりは行動の内容をまず変えることだ。


僕は、こうしてライターとして原稿に向かっている時間、確かな充実を感じる。その充実の中には、細かな意識の変化や、はっとするような気付きの連鎖がある。言葉を通じてつくること。つくることによって、自分の内面に波紋を与えること。

しかし、その波紋を日常、書いていない時間につなげることが容易かと言ったらそこにはやはり迷いも生じる。それが正直なところだ。


最近、くらことにも参加が決まっているとある焼き物の作家さんに話しを伺う機会があった。

その方に僕は

「自分から逃げ出すと、自分がどんどん疲れていく。そしてネガティブな悪循環に陥る。ならばその逆を行きたい」

と告げた。すると、その作家さんは、

「他人よりも、自分って奴が一番手強い相手だと思いますよ」

と言っていた。その通りだと思った。


『くらこと』のスタッフはどうだろう?彼らを見ていると、そこにはまず、目の前の企画やもろもろのやることがあり、それに対していかにアクションを起こすかを考えているように映る。

それは、彼らの生活的な部分を見ている訳ではなく、企画者とインタビュアーとして関わっているからかもしれないが、やはり彼らの言動には、ある種、自分を推し進める強い力のようなものを感じずにはいられない。もちろん、全員が全員という訳ではなく、迷いを持ちつつ参加しているスタッフもいるが、互いに影響を与えあっているのは確かだと思う。


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2013年7月14日(日曜)。午前中、『くらこと』に出展する作家さんの器にサンドイッチを盛り付け、それを撮影するという時間が持たれた。広い公園の、見晴らしのいい丘にある木陰で行なわれたその撮影会の合間をぬって、まずは、橋本さんに話しを聞いた。



前回のインタビューから約一カ月が経った訳だが、その間『くらこと』がどう動き、橋本さんがどう動いたのかをまず質問した。


「この一カ月は、作家さんへの案内、メールのやり取りを中心に動いていた。サイトに掲載する作家自身の紹介文や、サイト公開の準備などに取り掛かっていました」


その中で橋本さんはこんなスタッフの変化に気付いたという。


「みんなが投げる作家さんへのメールの中に、季節の言葉だったりとか、作家さんへの個人的な言葉が添えられているのが目に付いた」


と。相変わらず、全体のことを視野に入れている橋本さんらしい言葉だと思った。


今回の『くらこと』から『ARTS&CRAFT静岡』での現場リーダーのような位置から、企画する側にその足場を変えた橋本さん。前回の取材では「慣れないことに、自分に無力感さえ感じる」という言葉さえ漏らしていたが、今回その辺りの意識について問いを出した。橋本さんは言う。


「ここ最近、自分でやってみたいと思えることが言えるようになった。企画をやる側にちゃんとまわれたような感触を今、感じている。『くらこと』とは少し離れるけど、秋の『ARTS&CRAFT静岡』での企画で、自分の意見が反映されたということがあり、それも嬉しかった。一方『くらこと』の方では、一時期、忙しくてメールを返せない時期があって、少し乗り遅れてしまった感がある。今若干、傍観に回っているかな。そこを変えていかねば、という感じです」


そんな橋本さんに更に突っ込んで、今回の『くらこと』を通じての『変化』の話しを聞いた。


「お付き合いする人がいて、その人と生活をしていて、相手との生活を考えるようになって、生活により目が向くようになった。そしてそれが結果、作家さんの生活にも目を向けようという意識の変化にもつながった。それが今回『くらこと』に企画者として関わろうと思った大きなきっかけだと思う」


さらに、今後の『ARTS&CRAFT静岡』や『くらこと』について思っていることが話に出た。


「名倉さんは、自分が出来ると思っていることは、誰でも出来ると思うような人。だから、例えばシミュレーションをやっていても、私が「休憩入れましょうよ」とか挟んだりする。そんな風に、名倉さんに逆らえるスタッフを今後育てていかなくちゃダメだなって思う」


そんな橋本さんに期待することを、名倉くんに聞いた。


「橋本さんは、『ARTS&CRAFT静岡』の現場のリーダーのような存在。決めたことを決めた通りやれるし、ただやるのではなく、工夫を持ってやれる。なおかつ、みんなのやれる範囲に合わせらえる。それは頭のいい証拠。前回の『ARTS&CRAFT静岡』開催から彼女自身、くらことの打ち合わせに取り組むようになり、意識的に変わろうとしているのがわかる。橋本さんが変化していってるってことを、周りが見ていくことで、自分たちにとって肥料になる気がする。人が変わっていく過程を一緒に過ごしていくって貴重なこと。『くらこと』を通して皆がそれぞれ変わっていくだろうし、それぞれ表現することについても考えるだろうから」


前回の『くらドキュ』取材時に、橋本さんは「名倉さんや他スタッフが私をどう評価しているかわらかない」と漏らしていた。そして「自己評価よりも他人の評価の方が自信につながるのでは?」とも。

その話しを帰りの車で、名倉くんに振った。僕から観た名倉くんは、なかなかそう言った評価をスタッフに口に出さないと。それを受けた彼は渋い表情を浮かべ「それは事実だから認めるよ…」と言い、それを変えていけるようやっていく姿勢を僕に見せた。名倉くんもまた、変化のただ中にいるし、彼自身、自ら変化していきたいという願望が強くあるように僕には映る。


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話は少し戻って、そんな名倉くんに「逆らえるスタッフを」と、春開催の『ARTS&CRAFT静岡ルポ』で言っていた米澤さん。そんな彼女に、次は話を聞いた。


「前回のインタビューで話したことを自分なりに振り返ったんですけど、何で私はトークショーを不安なのにやるんだろうって?それは、スタッフとして『ARTS&CRAFT静岡』に入った時、一週間くらいで名倉さん高山さんに、ツイッターの担当を任されて。面接の時にツイッターが出来るって言っただけなのに、よく頼むなって。でも、その時点で信頼されていることを感じて。自由にやっていいよとも言われて。人って、相手に出来ること、やれることしか頼まないじゃないですか? という事は、名倉さんは私がトークショーをやれるって思ってるって事だなって。お互いを知っているから、それに応えるしかない。恩みたいなものですね。やれるって思われてるんだからやるしかないだろうって。だから今はトークショーに対して前より前向きですね」


恩は人を動かす。米澤さんはその恩に自然と応えようとしている。

僕個人の話で恐縮だが、僕は、以前に一度、ライターや手創り市のスタッフを辞めようと考えた時があった。

そんなタイミングで、名倉くんから偶然、イタズラ電話が入ったことがあった。いつもの調子で悪ふざけをする名倉くんの電話を受け、やはり手創り市をやっていこう、と思い止まるということがあった。僕がライターやスタッフをやっているのは、やはり、仲間の存在や、仲間との関係性が大きいのだと思う。もちろん、手創り市という場所や、作家さん、作品も好きだ。しかしそれが一番の理由ではない。米澤さんの話を聞いて、そんな事を考えた。


そんな米澤さんに、今回の『くらこと』で期待することを名倉くんに聞いた。


「すべて(笑)真面目に、彼女にはひとつに特化する事なく関わって欲しい。そうしてもらってるし、実際、『くらこと』に参加している新しいスタッフに対して自分なりに声掛けや呼び掛け、気になっていることはないか?など気に掛けてやっているように思う。みんなのことや全体を意識しているように、『くらこと』をサポートして欲しい。そういった意味での『すべて』」


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次に話しを聞いたのは、鈴木一生くん。インタビュー開始から、どうも彼の歯切れが悪い。理由はこうだ。


「『くらこと』に関しては、まだ、見えて来ない部分がありますね。

今は、『むすぶ・鷹匠』に意識がシフトしている感じで、それに集中しています」


そんな中『くらこと』の中でも楽しみにしているイベントがあると一生くんは言う。


「前日祭。会場に前日入りした作家さんとスタッフでご飯を食べながら色々と話す、という企画があります。なかなか作家さんとゆっくり話す機会もないし、それが楽しみですね」


そんな一生くんは、インタビューが終わると、カフェスタッフの二人を中心につくられ、作家さんの器に盛られた、色とりどりのサンドイッチの撮影を積極的に始めた。写真・映像で物事を伝えることを得意とする彼らしい『くらこと』の関わり方だと思った。


そんな一生くんに期待することを名倉くんに聞いた。


「一生くんは初めて『くらこと』のスタッフになって、まだ入口に立ったばかりという印象を受けるよ。これから、会場の木藝舎という場所であったり、『くらこと』のイメージだったりをつくっていったり、増幅していったりする作業をしていくのだろうと。場で人と人をつなげる、というのが一生くんテーマでもあるから、自身の思考がくらことで活かされたらいいと思うよ。その反面、自分に拘り過ぎるとくらことでやるべきことが見えなくなってしまうこともあるから、そのバランスを意識したら彼の良さがもっとスタッフをはじめとする、くらことに関わる人に伝わってゆくはず。結果それが彼の繋がりでもあるのだよね。ということを期待しています。


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午後、場所を『木藝舎・Sato』に移し、ここから今回の『くらこと』のメインでもある『土鍋で炊くご飯』の勉強会が行われた。スタッフたちに土鍋でのご飯の炊き方を丁寧に教えてくださったのは、木藝舎のスタッフさん。皆、彼女の話しを吸収しようと真剣に耳を傾ける。


勉強会が終わり、皆が炊き立てのご飯をめいめいに食べている時間に、高山さんに話しを聞いた。高山さんの『くらこと』での役割、それは、主にWEBのことだ。


「東京・雑司ヶ谷のスタッフ、秋田さんがやってくれていた『くらこと』のWEBの作業を僕が受け継ぎます。基本的には画像の差し替えや、文章を差し替えたり。秋田さんがWEBの仕組みをつくってくれているので、そんなには大変ではないです。そして今回新たに、『くらこと』のブログも追加します」


基本的に、企画運営のスタッフとしては今回も関わらないという高山さん。中心は前述した通りサイトの制作・管理だ。

前回の『くらこと』では、駐車場のスタッフを担当。


「改善したい点?去年は雨だから車の本数が少なかったけれど、晴れた場合を考えると、ここの道路状況ではなかなか難しい側面が出て来る。単純に言うと、車一台しか通れない道がある。そこにスタッフを二人配置してトランシーバーでやり取りする訳だけど、もっと効率の良く、ドライバーに迷惑をかけないやり方があるんじゃないかって思ってます」


そんな高山さんに期待することを名倉くんに聞いた。


「やすたけに期待することってゆうと怒られてしまうかもしれないけれど、今のあいつの状況でやれることをやってくれたらいいし、実際くらことだけでなく、静岡のウェブ全般をやすたけにお願いすることが先日あったね。だから裏方的な存在にはなっているんだけれど、そこは一緒に立ち上げから始めた仲間だから、どんなことでも話してないことがないようにしてゆく。これ、期待じゃないな…」


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高山さん同様、去年は外で駐車場の管理をしていた圭吾くん。


「外の仕事は車の出入りの注意もそうだけど、今度は防寒にも注意したいですね」


そう語った後に、今回の『くらこと』の話しに入っていった。


「去年、作家のこばやしゆうさんが『くらこと』の告知をキャッチしてメールが来たんです。参加したかったって。前回の時には間に合わなかったので、「また声掛けしますよ」って名倉さんが言って。その後、ゆうさんのことを泉谷さんが思い出して、「声掛けするなら自分で声を掛けなよ」って名倉さんに言われたって言ってて。で、僕にその役がまわってきました。結果、ゆうさんは予定が合わずダメだったんですけど」


その後僕は、今回の『くらこと』について、今の気持ちを聞いた。


「まだ発信するものがない感じです。でも僕は、お客さんのひとりに近いような立ち位置にいるのでそこを活かした意見を出していきたい。様子を見ている所ですね。それに対して焦りはありません」


そんな圭吾くんに期待することを名倉くんに聞いた。


「泉谷さんが、『くらこと』らしいブログをやっていこう、とアイディアを出してくれて、それをサポートしてくれるはず。圭吾くんはスタッフ内ではご存知の通りのファンタジスタ。その輝きっぷりを絶やさずにいて欲しいし、真面目な話、彼はわからないことをわからないと言えるスタッフだからみんなも自然と助かっているはずと思ってるよ。そして、圭吾くん自身ひっかかってる部分があれば、積極的に向き合っていって欲しい」


次に話しを聞いたのは泉谷さん。彼女もまた、一生くん同様、まだ『くらこと』の企画者として乗れてない部分があるという。


「モチベーションが下がっていますね。こういう集まるときに集まらないと、なかなかそれが保てない。個人活動は、自分の生活を押してまでは出来ないので、集まりに参加することを大事にしたい」


そんな泉谷さんが今回、何気ない瞬間に発案したという「ある日の食事」というWEB企画。それは、スタッフや作家さんのある日の食事を写真で紹介するというもの。


「その企画を提案しておきながら、なかなか手が回らず、他のスタッフみんなと、作家さん個人個人にメールして貰ってる感じです。本来、私が責任を持たなきゃいけなかったのだけど。スタッフのご飯も撮れる時には撮らなくては」


そんな泉谷さんが最近変わった点は、


「スタッフになって変わったことがあります。お店とかで器を見て、前は作家さんの創作の苦労とか全く感じずに、ディスプレイされている物を見ていたのですけど。自分の生活の中で疲れている時なんかに、「この作家さんの器に肉じゃがを盛ろう」と思った時、この器も作家さんが汗だくになって作ったのだな、と想像するようになった」


と語ってくれた。


作品の背景にあるもの、特に人間臭い部分を感じながらの肉じゃがはいつもと一味違うものだったのかもしれないな、と僕は思った。そういった肉感のある情報や物語は、人の五感に影響を与えやすいのではと僕は思う節がある。


そんな泉谷さんに期待することを名倉くんはこう語る。


「泉谷さんは無駄な言葉がない。仕草だったり表情が何かを伝えようとしているのがわかる。それは、彼女のコンプレックスかもしれないけれど、今回、『くらこと』を利用して少しだけ変わっていくきっかけをつくってもいいのかな?と思う。自ら変わらないと人生は変わらない。変わらない人生は長過ぎるよね」


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次に話しを聞いたのは、カフェの厨房スタッフを務める川手さんだ。

まず、午前に行われた作家さんの料理にサンドイッチを盛り付けた撮影会の話しを聞いた。


「器と料理、両方が生きてくる感じ。お皿だけでも形や色が綺麗、使われることでまた綺麗に見える」


そんな川手さんは、とにかく今回の『くらこと』を「楽しくやりたい!」と笑顔を浮かべた。


「カフェは土鍋ご飯とおかずを出します。春巻き、切り干し大根とヒジキ。秋の山の色みたいだねって名倉さんが言っていたと聞きました」


と嬉しそうに語る。

そんな彼女に料理に対しての自信について聞いてみた。


「ないです。将来カフェがやりたい、と、料理が好きっかっていうのは別。ただひとつのものが出来上がっていく過程が好き。自分が何かやりたい、お店がやりたいって思うのは、人と人がつながれる場所があればいいな、と思うから。自分の料理がどうこじゃないくて、空間として機能するもの。惹きつけられるもの。その上で料理がある」


川手さんに今後の『くらこと」に期待することを聞いた。


「二回目をやるにあたって、作家さんたちが興味を持ってくれている実感がある。良かったって言ってくれたり、暮らしと自分のつくったものが、使ってくれる、想像しやすい場所だったので、そういう場所ってなかなかないのかなって。それがいいのかなって思いました」


そんな川手さんに期待することを名倉くんに聞いた。


「彼女はARTS&CRAFT静岡最初のスタッフ。みんなから見て頼りになる。俺も頼りにしてる。彼女の性格上、自信を持つことによって彼女のプラスになるはず、といつも思ってる。作家さんから器を借りて料理を表すことも彼女の今後のプラス。可能性が目の前に広がる川手さんは、もっとわがままになっていいと思うし、それを個人的に期待してもいるかな」


次は川手さんと共に厨房を務める山梨さん。

彼女も川手さん同様に、午前の撮影会の話しの中で、


「形になってく面白さがあって、他のスタッフも盛り付けしてたのがああでもないこうでもないとつくっていくというのが面白かった」


と微笑ましく語っていた。


スタッフとの関係を聞くと、


「こうした方がいいよとか言いやすいし、言って貰いたいし。そこは通じ合えてます。ただ、今日の撮影会の前に、川手さんと直接会って、打ち合わせをしたかった。メールだけだけと寂しいね。細かくやっていても、詰め寄りが難しい」


土鍋の講習会のことを聞くと、


「楽しかった。もっと色々火の調節だとか工程が多いのかなと思ったけど、釜が美味しくしてくれてるのだとわかった。冷めたご飯と温かいのと二種類あって、冷めている方が甘味はあった」


と、その味の違いについても話してくれた。


そんな山梨さんはこの日、自分でつくった梅干しを持って来てくれた。待望の梅干し。土鍋の炊き立てご飯に乗せてそれを食べる。梅干しの酸っぱさを白米がくるむようにして味が口の中で広がり、満足することこの上なし!ご馳走様山梨さん。


そんな山梨さんに期待することを名倉くんはこう語る。


「自分の家でつくった野菜、椎茸、梅干しをカフェに取り入れる。その先にあるのは自分が飲食店をやること。『くらこと』を通じてやること、お客さんに何を伝えるかってことを考えながら、ひとつひとつ形にしていって欲しい。彼女の人柄とくらことでの経験が彼女の未来をつくってゆくはずだよね」


最後に話しを伺ったのは、新人スタッフの藤本さん。彼女は今回、このSatoの地に生えた巨木を使って、『くらこと』のシンボルとなる看板をつくっているという。


「今回の看板は、木藝舎の端材とうちの大学の端材も使おうかと。ひと文字、1メートル×1メート。、シンボルになる大きな木にかけようと思う。『くらこと』にはコアなスタッフとしても参加できることが初めてな上に、つくることに携われるとは思わなかったので良かったです」


次に彼女に自分の長所として『くらこと』に活かせる部分を聞いた。


「つくるにしても、人と話し合って相談した中でつくる過程が好きなので。アーティストというよりはデザイナーを目指しています。だから、相談することが苦にならなかったりしますね」


最後の質問は『くらこと』開催に期待すること。


「『くらこと』をきっかけにお客さんが飯碗に凝りだすとか、そういったいい影響を与えられたり反響が返ってくるようなイベントにしたいと思います」


そんな藤本さんに期待することを名倉くんはこう語る。


「看板は、大阪で言えば『太陽の塔』。『くらこと』では藤本さんの看板。言い過ぎかもしれないけれど、そこまで象徴的でなくてもいいから、藤本さんがつくった看板を見て、みんなが色々と感じてくれたらいいな」


相変わらずの長丁場になりましたが、これにて『くらしのこと市ドキュメント』を終わらせて頂きます。

今回、名倉くんから「『くらこと』のルポをやってくれないか?」と頼まれた時、パッと思い付いたのが、このドキュメント形式でした。

何故その思いに至ったか?それは『ARTS&CRAFT静岡』のスタッフとの関わりの中で、彼らが今、変化の時を迎え前向きに動き出していて、その波が実に面白く、魅力的に感じたからです。

そのスタッフたちの内的な変化をドキュメント形式で届けたい。

そう思い名倉くんに企画を持掛けた、という訳です。


文中の名倉くんの台詞にもありましたが、「変わっていく人を傍で見ることによって、また人に影響がある」。それには共感する思いです。

僕が『ARTS&CRAFT静岡』・『くらこと』のスタッフに関わり、どこがどう変わり、今後どう生かされ、そして自ら歩んでいくのか? そんな自分自身が少し楽しみでもあります。

今回、取材に協力してくださった『くらこと』のスタッフ、この機会を与えてくれた主宰の名倉くん、そして最後まで僕の文章に付き合ってくださった読者の皆様に感謝します。

ありがとうございました。


うえおかゆうじ


*2013年のくらしのこと市開催は11月24日となります*


 ARTS&CRAFT静岡

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