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2014春季A&C静岡開催ルポ:前編・1部


2014年春季ARTS&CRAFT静岡ルポ:前編・1部


五年前、手創り市にライターとして関わるようになった頃から、言葉を生業にしてつくることと、自分の生活が直結するようになっていった。


つくることの動機は、単純に楽しいから、書く事が一番エキサイティングだから、というシンプルな理由だった。それはごく個人的な理由だ。


そんな折、2013年春季のARTS&CRAFT静岡のルポで、ユーカリカシテンさんに取材をした。

インタビューの最後に、一緒に連れて来ていたお子さんにメッセージを残すかのように、

ユーカリカシテンさんは言った。


「ここってプロの方も、それを目指してる方も両方出てると思うんですけど、基本はみんな、好きを仕事にしてる事だと思っていて。好きを仕事にするって事が当たり前だって事を子供に感じて欲しい。それが当たり前で『選択肢のひとつだよ』って事を肌で感じて欲しい」


ユーカリカシテンさんのその言葉は、それまで自分の中で考えていたあることが、明確になる瞬間でもあった。



さて、ここに一冊の本がある。

たまたま入った本屋で見つけたこの本は、NHKのテレビ番組のテキスト。

社会科学者であり哲学者のエーリヒ・フロムの著書「愛するということ」を訳者・鈴木晶が、この本の軸となる思想に視点を合わせ、わかりやすく説くというテキストだ。


詳しい内容は割愛するが、現在は「愛を勘違いしている」というような内容からこの本は始まる。

メディアを見渡しても、そこには「いかに愛するか」という情報ではなく「いかに愛されるか」というもので蔓延していると。

フロムのいう愛は「能動的」な「技術」であり、「いかに愛するか」を常に問い掛けながら、自分を高めていくこと、相手と高め合うこと、それが愛であると説く。


そして結びに、現在の資本主義社会では、フロムのいう愛は成立し得ないだろうと。

何故なら、現在の社会は「交換の原理」で成り立っており、そこには必ず「見返り」を求める意識が働くこと。そしてこの社会は、愛などいらないとする人間や個人を孤立に向かわせるかのようなシステムが働いていることを指摘する。


その最中にあって、真に愛ある社会が実現するには、この先、どうすればいいのだろうか?

そんな問いかけでこの本は終わる。


さて、何故に恥ずかしげもなく、アイアイアイアイ述べたかというと、先に述べたユーカリカシテンさんの言葉、「好きを仕事にする人たちが集まる場所」。そこに、時代の半歩先をいく社会の縮図があると思っていたからだ。


手創り市という社会の中心にあるもの。そこで交わされるもの。また蓄積されていくもの。そんなことを今回のルポの裏テーマにして、僕はいま、キーボードを叩いている。

最後までお付き合い頂けたら幸いです。



見上げると新緑を広げた木々の葉がそこにあった。しかしその木漏れ日のしたには、まるで秋の様相のように、からし色の枯葉が多く落ちている。

春を迎え、ひと月が経つのにも関わらず、今年は昨年に比べ肌寒い印象をはっきりと受ける。


朝八時過ぎ、名倉くんのお父さんがスタッフのためにつくってくれた大量のサンドイッチを両手に抱えながら、僕はザクザクと砂利を鳴らし境内に入って行く。


作家さんに挨拶をしながら、受付を目指す。

見知った作家さんと目が合うと、挨拶をし、時には短い雑談を交わし、果てにはサンドイッチの具を問われつつといった具合に。


開催前のこの時間が、僕は好きだ。


ブースを見渡すと、屋根や側面の布を取り払ったテントが、昨年よりも更に多いように思った。こんな風に、まず、テントの様子から入ってしまうのは、手創り市ルポライターとしての職業病のようなものだろうか?とふと思う。



受付に着き、サンドイッチを引き渡すと、僕は「ハル 星まとう コヤ(以下・ハルコヤ)」が気になって仕方なかった。

今回の小屋企画は、画家の清水美紅さんがADを務め、その小屋の内側壁面すべてに絵を描いたのだ。


清水さんは自身のブログで、「ハルコヤ」の壁画完成のプロセスを語っていた。

(彼女は、足久保にある木藝舎「Sato」に場所を借り、一週間泊まり込みで絵を描いた)

一人で絵に打ち込むのを楽しみにし、覚悟していたが、思いがけず、そこにはたくさんの人の助けがあり、自分は一人ではないということに気付く、というようなことが語られていた。そして、誕生日を前にして、人生をはじめて美しいと感じられた、とも。


そんな彼女の絵が早く観たかったが、残念ながらその時間には、まだ小屋は完成していなかった。


僕はひとり境内を何週もする。

池の端でアメンボを眺め、それをおじいちゃんに嬉しそうに報告する小さい男の子の声が響く。やけにその場面が印象に残る。


こんな風に何気ない場面を心に留められる時間を豊かに思う。

身体が、時間を「消費モード」から「蓄積モード」に変えているかのようだ。


九時近くになり、受付近くのブースに戻ると、さっきのおじいちゃんと男の子がブースに立っているのが目に付いた。なんだ、作家さんだったんだ。

それは小さな発見だけど、何か得をしたような気分にもなった。


8時50分の段階で、人がちらほら伺えた。

そして9時。お客さんは結構入っているように思えた。

「鷹匠で器を買わせて貰ったのだけど」

と言って、お客さんが朝いちで作家さんのところに訪れる場面も見る。

鷹匠といえば、ARTS&CRAFT静岡のWEB企画「むすぶ」

この「むすぶ」がいかに機能しているかも内心楽しみだった。


10時、人がどっと押し寄せている。

賑わう境内。天候にも恵まれた好調な出だしではないか。


そして11時。「ハル 星まとう コヤ」のオープン。

オープンと同時に人で溢れるハルコヤ。

「あ、もう見てる、わわわ!!」という若い女性客のグループが、走るようにハルコヤに向って行くのを見る。同時に、受付にいたスタッフが嬉しそうに笑うのが見えた。



ハルコヤは、ARTS&CRAFT静岡自作の小屋内で行われる、13組の作家さんによるアクセサリーの展示販売スペース。そしてその壁面には清水さんの絵が描かれている。深い青を全面に起用したその壁画には、作家さんそれぞれの作品が星座を模る星々のようにピン止めされている。


ハルコヤの入口をくぐるお客さんの表情を、僕は外から眺めていた。

みな、入口をくぐる瞬間に、何かチャンネルが切り替わるみたいに、上気した笑顔を浮かべたり、恐る恐るといった伺うような目をしたりと、その表情が変化として表れていた。


ハルコヤという四角い箱には、境内とは違う、別の宇宙が凝縮した形で広がっている。

正面鳥居前にこのハルコヤがある意味、それは、このハルコヤをきっかけに、境内でブースを出す作家さんとお客さんとをつなげるという役目や、境内の中ではどんな会場が広がり、作家さんたちがどんな作品を並べているのか、という期待やイメージを発起させる部分も大きい。そういった意味で、会場入り口にあるハルコヤは、成功だったと思う。


清水さんの絵を数年観て来た僕には、今回のハルコヤの絵は、いい意味で少し異質に映った。ある意味、イラストレーション的な伝導率がそこにあったからだ。しかし、そこはやはり清水さん。水瓶座をイメージした少女の横顔には、今までの清水さんの作品を確かに超える、神秘性・神話の匂いが漂っていた。そんな風に毎回、彼女は新たに表現の幅を切り開いていく。


そして彼女はその時、ハルコヤの外側、正面の壁にライブペインティングを始めていた。

ここに来てまだ描き続ける。そんな彼女に僕は感動する。

そして同時に、このハルコヤをここまでのものに仕上げていった企画スタッフのことを想う。



ハルコヤを後にした僕は、次に、エリア5に今回集中的に集められたブースを観て回った。

ここは、販売と同時に、作家さんとお客さんがワークショップを行うエリアだ。

時間予約制のワークショップもあるが、そのほとんどが、すぐに来て手軽に始められる。そこにこのエリアの魅力がある。



特に、子供たちでごった返すArte de Feltroさんの、羊毛を染色してオリジナルのリンゴをつくる「林檎屋」のワークショップには、親子連れが目立ち、子供たちは水を得た魚のように、ここぞとばかりに、ワークショップに熱中していた。彼らにはそれは遊びなのだ。


今回、親子連れのお客さんが増えたように思ったが、その親と子を同時に楽しませるこのワークショップエリアは、いい意味でアクション性の高い、活気あるエリアだった。



そんな中、木工と漆の器を手掛ける作家、ふたば工房さんにお話しを伺った。



ARTS&CRAFT静岡に出たきっかけ、そして出続けて頂けてる理由を教えてください。


「三回目からずっと出ています。友達に薦められて、応募してみたんです。回を重ねるごとに、会場の雰囲気も段々良くなって来ている。つくっている人に雰囲気があるし、お客さんにも雰囲気がある。僕にとっての発表する場、売る場。仕事場には誰も来ないし、来るのはメールとか、電話くらいなので。普段は人と話すことは少ない。息抜きじゃないけど、人に会うために来てるところもある。手売りをするようになって、自分自身、どんどん変わって来たんじゃないかな」


どのあたりに変化はありましたか?


「まず、見せ方。他の作家さんを真似して。テントは白い方がいいということに行き当たる。色々な人と話しながら見ながら、ブースの形は変化していった」


スタッフをどう感じていますか?


「驚くほど良い!動きが良いのと、良くしゃべってくれるのと。お金を貰って有償でやっているところで、スタッフさんの意識も変わるだろうし。でも、有償はたまたまおまけ。意識のある人が集まっている。業者やボランティアが入らないことによって、きゅっとしてる。目指してるところが、スタッフ間で同じになるのかな?」


ワークショップについて聞かせてください。


「参加費が、もう少し安い方が良かったかな。あと、ワークショップを一生懸命やろうと思えば、販売が疎かになってしまうし、自分の中でバランスが取れたらいいのですけど。でも、ワークショップの道具を持って来ることによって、他の出展者さんの刺激にもなればいいなとは思いますけどね。もしかしたらこれを見て、またどこかとつながる可能性もあると思うので」


ARTS&CRAFTに出展されていて、感じていることは?


「誰かを雇ってつくっている人も大丈夫なクラフト市なんですか? 僕個人は、つくることに関することは、すべて自分でやりたい。お金を儲けるためだったら、外注した方がいい。お金だけのことを考えて生活している訳ではないので。基本は自分がしたいことをしているので。それをずっと継続していこうかなと」


自分のしたいことをする、それを人生の中心に置き始めたのはいつ頃からですか?


「物をつくって生活したいということは、小学生くらいから思っていたことで。部活が忙しくなって、一時はその思いもなくなりましたけど、美大にも行って、漆もやって、頑張ってみたけど、世の中そんなに上手くいかないので。仏壇屋さんに就職したりして。で、後にタイミングが来て、轆轤(ろくろ)で食べて行こうと思った。でも。漆だけでは食べて行けない。石川の山中で修行していたのだけど、そこを出ると、仕事がないのね。問屋さんの知り合いや、親方の紹介で仕事をしていたのだけど、リーマンショックでパタリと仕事が来なくなった。その流れで、クラフトフェアに出るように」


ワークショップの反省点や改善点があれば?


「準備不足と宣伝不足です。もっとしやすい作業工程、材料の見せ方、道具もこの道具で良かったのか?など」


ふたば工房さんのワークショップは、『足踏みロクロを使った、木でリングをつくる』というものだ。



足踏み轆轤に荒く模られたリングをはめ、轆轤を左足でひたすら足踏みしながら、そのリングをバイトで削る。後にヤスリをかけ、ガラス塗料を塗って出来上がり。全行程は、10分から15分。


僕もやらせて頂いたが、足踏み轆轤のコツ、足踏みの強弱とリズムをつかむのに少し時間が掛かった。(これは僕が不器用だから)でも轆轤を回しながら、バイトでリングを削っていくその作業は、やはり初体験ということもあり楽しかった。そんなに難しい作業ではないのも良かったのかもしれない。ひたすら足踏みし、削り、その成形に集中出来る。


最後にふたば工房さんは、つくることを仕事にすることの大変さについて語ってくれた。


「5分止まっていると死んでしまう。ここはナウシカの腐海なんです(アニメ映画「風の谷のナウシカ」の舞台・腐海は、汚染された大気により、マスクをつけないと5分もせずに肺がやられ死に至る)動き続けなければいけない。でも、同時に、その次に出来ることは、待つこと。ひたすら仕事が来るのをつくりながら待つんです」


その言葉を聞いたとき、僕は砂漠を想った。

以前雑誌である歌手がこんなことを言っていたのを思い出す。


「砂漠に旅するのは、待つことが出来るからだ」と。


作り手は心の中に、広く渇いた砂漠を持つ。その熱や、大気の変化、孤独に耐えてこその継続なのだろうと、そんなことをふたば工房さんの言葉から考えさせられた。

さて僕は、砂漠で何を待っているのだろう?



次にお話しを伺ったのは、主に、花(植物)を模ったアクセサリーを展開するchiiiiiiicoさん夫妻だ。



雑司ヶ谷には出ているようですが、今回ARTS&CRAFT静岡に出ようと思ったきっかけは?


千賀子さん(以下・千)「主催されてる名倉さんと話しをして、彼が想いの強い方なんで、このイベントに出した。彼の企画「jewelry & chocolate」にも出させて頂いて、静岡の雰囲気も見れたので、素敵やろうなぁーって」


出展してみてどうですか?


「楽しいですね。気持ちいいですもんね、場所が。人も穏やかだし」


雑司ヶ谷との違いは?


「人がゆっくり観てくれるかな。空間も広いので歩くスピードもゆっくり。雑司ヶ谷はキュッとしているので、人に当たったり、見辛かったりするので、こっちは贅沢やなと思います」


靖之さん(以下・靖)「行き交う人の多さに刺激を受ける。みんな素直なのか、作品に対してポジティブなコメントをすぐに出してくれるから嬉しいです」


chiiiiiiicoさんは、ホームページのデザイン、ネットショップなど、つくることの周りにあるものも充実していますし、手創り市などの野外クラフトフェアに出なくても充分売れるであろうと想像しているのですが、なぜ手創り市に出られるのですか?


千・「単純にいうと好きやから(笑)」


おお!


千・「詳しく話すと長いんですけど」


大丈夫です。語ってください。


千・「私はもともと家電メーカーで、プロダクトデザインをしていたんです。が、買い手とダイレクトにつながってない、その人が使ってるところが見えない。会議で上司などを相手にプレゼンしていて、何のために、誰のためにつくってるんだろう?って。それで辞めて、シフトして、こういう会場に出る様になって。買い手が見えて、その人のリアクションが見れて、話せて、手渡し出来て、簡単にいうとやりがいですよね。なので、実際デザインしながら、そういう人たちの顔を思い浮かべることが出来るってことは幸せなことだと思っているので、それが好きにつながっている感じですかね」


それがつくることの中心?


「今だったら、その人、一人のためにつくれるので。今もオーダーなど受けて、その人のことだけ考えてっていう。すごい贅沢ですけど(笑)時間を掛けてつくれる。数はこなせないんですけど、充実感・満足感は得られるので」


使うことの人を考えながらつくると言っていましたが、具体的にどういうことを想像されますか?


千・「単純に言ったら…くさいんですけど…」


この時点で千賀子さんは一人爆笑し始め、


「笑顔です!(笑)」


と言い切る。


いいですね〜!


千・「やっぱり作品を見て貰った時に、かわいいとか、素敵って言って貰った時の笑顔を思い浮かべて、鏡であてて貰った時の、明るくなった顔とか(笑)そういうのを思い浮かべると、大変な作業でも頑張れるかな」


ありがとうございます。では最後に、ARTS&CRAFT静岡に改善して貰いたい点などあれば?


靖・「朝の搬入時に思ったんですけど、道路標識みたいにわかりやすい誘導の矢印が欲しいかなと。例えば言葉で「鳥居の方」って言われてもわらかない。確かに看板には書いてあったんですけど、鳥居はこっちっていうわかりやすい矢印か、グラフィックが欲しいですね」


受け手が見えること、直接の対話、その間で交換し合えるお金には変換できないもの。


心の交換、お客さんの笑顔、作家さんのストーリー。それら精神的な情報は思い出・記憶とともに物に沁みいる。その作品を日常で使うことによって、意識的にも無意識的にも、生活は新しい色を帯びるはず。それが人を生活から豊かにする。その豊かさが人を変えていくという想いが、作家さんや主催者、スタッフやお客さんの中に確実にある気がする。



次にお話しを伺ったのは、プラ板や紙を彩り、アクセサリーや雑貨などをつくる作家、

marumi03さんだ。



ARTS&CRAFT静岡は初めてですね。応募を決めたきっかけは?


「友達の作家さんに勧められて、ですね」


ARTS&CRAFT静岡に実際出てみての感想などあれば。


「年齢層が幅広いこともとても面白かったです。小さいお子さんから、お年の召された方まで……。年齢は色々だけれど、marumi03の作品を見て、年齢は関係なく、女の子として、無意識に女の子の心になって心ときめかせて、見てくれているのがとても嬉しかったです。私自身は女の子らしいわけではないけど、女として生まれた心の琴線に触れるような、考える暇もなく心がときめくようなものをこれからもつくっていきたいと思いました。持っているだけで、心のお守りになるような」


僕は女の子じゃないけど、すごい速さでときめきました(笑)そんなお客さんたちとの対話で気に掛けていることなどあれば。


「とにかく楽しんで貰いたいですね」


ありがとうございます。marumi03さんの作品には本や詩などもありますが。


「むしろブローチがあと。これらブローチには全部言葉がついてるんです。ホントは言葉を通じて「概念」を売りたい。でも言葉だけだと……。それをブローチなどの形にしたらお客さんは使いやすいし、伝わりやすいかなと思って、物にした感じです」


この作品(ブローチ)は「ひがみ」をコンセプトにつくられていますね?「ひがみ」というネガティブな感情を作品を通じてポジティブに肯定してますね。


「自分のひがみがすごいんです(笑)でも、美しいものは認めたい、と思い」


ARTS&CRAFT静岡に出てみて、何か気になった点、改善点などあれば?


「荷物を持って来るのが大変なので、机などの貸し出しがあれば……」


つくることの動機と喜びはどこにありますか?


「遡ったらこの世に産まれたことです!小さな頃から絵も描くし、物をつくるし、つくることが当たり前で来てるので、自分がやらないといけないというか」


やらないといけないと思うのは何故なんでしょうね?使命感ですか?


「使命感です。何故なんでしょうね。小さい頃からそれは感じています」


使命感のままに創作をつづけるmarumi03さん。


話は飛ぶが、多くの人が考え、また人に尋ねられる問いだけど、僕も、生きることの意味を何度か聞かれたことがある。

僕は、ざっくりいうと「生きること。それは『影響』」だと思っている。

人が、いのちが生きる限り、ものが、何かがそこに存在する限り、そこには必ず外界への影響が生まれる。関係が生まれる。多かれ少なかれ。そういった関係性でつながっているのがこの世界ならば、自分がいかに生きるかを考えられずにはいられないのではないか?



次にお話しを伺ったのは、ご婦人方二組に、二歳のお子さん一人、というお客さんだ。


ARTS&CRAFT静岡を知ったきっかけを教えてください。


「たまたまここを通りかかったんです。会社がすぐそこで。看板が出てたので昼休みに来ました。土日出勤なのでラッキーでしたね」


ARTS&CRAFT静岡の感想を。


「全国から色々な作家さんが来てくれるところがいいです。自分では行けないですからね」


何か改善して欲しい点などあれば?


「食べた物のゴミをどこに捨てていいかわからない。お店に返していいのなら、それをわかりやすく告知する何かが欲しい。渡していいのかな?いけないのかな?と迷ってしまう。『終わったら持って来てくださいね』と一言、お店の人に言って欲しい」


ありがとうございました。


上記のゴミの意見は、以前もお客さんから挙がっていたはず。スタッフさん、わかりやすい告知の仕方を、よろしくお願いします。そしてフードブースの作家さん、ご協力をお願いします。



場所は変わって、正面鳥居。ハルコヤの正面壁面では、清水さんが引き続きライブペインティングを行っている。そして清水さんの足元には、小さな男の子がぴったりと張り付き、清水さんと何か絵について話しているようだった。しばらくそれを眺めていたが、男の子は一向に絵の前、清水さんの隣にいて、一緒に絵を描いているかのよう。微笑ましい景色だ。


次にお話しを伺ったのは、東京から来てくださったという三人(男性2名・女性1名)の若いお客さんだ。三人は、手創り市初入場。雑司ヶ谷にも足を運んだことはないという。


「俺の親父も出せるかな?と来る前は思ってました。親父はひょうたんを切り抜いて作品をつくってます。でもおっさんの趣味ってことがわかりました。出せそうにありません(笑)」


「良い作品が多く、ものづくりの気合というか、そういうものを感じました」


会場を歩いてみて、気付いた改善点があれば?


「お店の名前がわかり辛い。名前を知りたかったら、能動的にショップカードなどを取りに行かなくてはならないし。器のお店が多く、結構似ていたりもするので」


名前を憶えやすい、「何か」があれば、と。


「そうですね。パンフレットは無いのですか?」


ありませんね。


「会場図だけでも持ち歩ければと、思います」


「あと、食べ物のお店がもっとあってもいいかな? という、他のお客さんの声も聞きました」


「手創り市なんで、コスメとか、多ジャンルのものがあっていいのかなって。衣類系ももっとあっていい。もちろん、満足はしてるのですけど、もっと楽しめるかなって」


今回は清水さんの絵を観るために来たと言っていましたが。


「小屋の中、良かった。絵も、すごく大きく、色のバランスや構図も良かったので見応えがありました」


「小屋、いいですよね。作品もある程度セレクトさえれてると思うので、ここで「あ!」ってなったら境内のブースに行けるっていうのは、すごくいいなって」


作家さんとお客さんをつなぐ役割ですね。


「それが上手いな、と思いました」


ありがとうございました。



楽しい月夜の晩を一夜明け、開催二日目。(楽しい月夜の晩についてはまたの機会に)

曇りのち雨が心配されていたのもなんのその、今回も天気は晴れのち曇りで持越しました。


(つづく…)


うえおかゆうじ


*参考文献* 

NHK「NHKテレビテキスト 100分de名著 フロム 愛するということ・鈴木晶」


*一部写真提供*

A&C静岡スタッフ 鈴木一生 ★☆★



ここから先は前編・第2部へ持ち越しです。

更新は明日、5月8日。

是非ともご覧下さい。



ARTS&CRAFT静岡手創り市






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