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2014年くらしのこと市・開催ルポ【後編】


*くらしのこと市ルポ・前編*clicks!!



2014年・くらしのこと市ルポ【後編】



次にお話しを伺ったのは、スタッフさんの荒巻さん(以下、荒)だ。


*彼女は写真向って左端*


彼女は来年の二月でARTS&CRAFT静岡のスタッフさんになって一年を迎えるという。

そんな荒巻さんに、護国神社とSATOの会場の違いから感じていることを聞いた。


荒「くらことは護国神社の会場とは違い、自分の時間をたくさん取ることが出来た。そこで、作家さんやお客さんと密に話すことが出来たり、ギャラリーや会場を時間を追って一日を通して見ることが出来て楽しかった」


植「荒巻さんを見ていると、スタッフ一年目にしてかなり活動的に関わったという印象がありますが。そんな中、感じたことを。」


荒「一回の開催をつくるということに、想像、イメージをどれだけ頭の中でやっているかということが大切なんだって。それが勉強になった。私が担当したアキコヤでは、作品を販売するにあたって、作家さんの立場に立って考えようと努めました」


植「その中で、意識的にしていたことってありますか?」


荒「相手の話を聞くということですね。名倉さんや米澤さんや他の先輩スタッフ、自分では考えの及ばないところまで考えがいっているので、話しを聴くことによって自分のものにしようと思いました」


植「この会場ならではの感想を。」


荒「護国神社ではなく、足久保のこの土地まで足を運んでくれるお客さんは、作家さんとのコミュニケーションだったり、作品を見る目っていうものが真剣で。そういうお客さんを見ていると、こちらも気持ち良くて。あと会場がキュッと締まっている中に、ギャラリーや古本があるのもいいですね。特に古本が良かった」


植「本は好きなのですか?」


荒「好きです。最近はエッセイ中心です」


植「エッセイの好きなところは?」


荒「作者のくらしぶりから、その人の頭の中がのぞけるから」


植「良い台詞ですね。ありがとうございました。」




次にお話しを伺ったのは、

『炭化焼成』という手法を作陶に取り入れている小川麻美さん(以下、小)だ。



植「まず、『炭化焼成』について聞かせてください。」


小「器を焼いて冷ます段階で、薪とお米のもみ殻を窯の中に入れると、余熱がまだすごいので、窯の中が煙でいっぱいになって、それで器がいぶされる。薫製みたいな感じなんです。窯は縦に長いので、窯の置き場所によって、炭化が強い部分とか、炭化の掛かり具合が変わって、変化の出方が違う。均一にいかないのが奥深い」


植「『炭化焼成』を始めようと思ったきっかけは?」


小「焼き物をはじめたきっかけが、窖窯(あながま・斜面を利用した地下式、もくしは半地下の窯)での体験で。窖窯・薪窯ってすごくって……。人間の手には負えない、窯の中での変化を最初に見ているから、焼き物ってそういうものだよなっていうのがあり、自分もそういうものが好きなので。でも薪窯は事情があって出来なくなってしまったので、ガスの窯で焼き物っぽいことが出来ないかなって今のやり方になった。これもどこまで変化するかやってみないとわからないので」


植「今、試し試しでやっている感じですか?」


小「試しててもその都度違うんですよね。自動的に形になる訳ではないので」


植「自分の手が及ばないところ、窯、無意識、自然に委ねるということに重きを置いている感じですね。」


小「土は生き物だったりしますので、乾く時点で土の力で器が歪んだりするので、全部整えて整えてって、しようっていうのではなくて、そういった変化も受け入れる。焼き物ってそういうものだよってお客さんに伝えたいですね」


小川さんの器には、人の力では配置できないであろう模様や色彩の濃淡、

粒状の凹凸が見て取れた。僕はそこに小川さんの器の魅力を感じるし、

小川さんもまた、そういった器たちがどういう工程を経て出来上がるのか?

を、素人の僕にもわかるように丁寧に教えてくれた。「焼き物ってそういう物」

ということを伝えたい、と言った小川さんの熱意は、器のつくり手である彼女から

ひしひしと伝わって来た。そしてその熱意の証として、そこに彼女のつくる器があった。



次にお話しを伺ったのは、カフェスペースの隣で「くらしの教室:ブーケブローチを

つくりませんか?」を行ってくださったchiiiiiiicoさん(以下、C)

教室でつくるブーケには二種類あり、ひとつは花を中心につなぎ合わせていく「小花とつぼみのブーケブローチ」。もうひとつは男性にもお薦めという「木の葉と実のブーケブローチ」。



C「それぞれの作品はブーケにするので、それぞれのパーツのつながり方に個性が自然に出るというか、それぞれ違うものが出来るんです。レイアウトの仕方でサイズも全然変わってくる。お花とか葉っぱとかって、まとめるだけで可愛いんですよね。上手いとか下手とかじゃなくて。そこは植物をモチーフにしてる良いところかなって思います。年代問わず、親子だって付けれるし、お花とか葉っぱとかって誰でも似合うじゃないですか?」 


植「chiiiiiiicoさん作品には、伝わりやすさだったり、POPセンスがあると僕は思うのですけど、ご自分ではどう思われているのですか?」


C「ありがとうございます。よく言われるのは『独特』。一度見ただけで私の作品ってわかるって感想を頂くことが多いです。もともと私はプロダクトデザインをしていたので、そういう色が自然と出ているのかな?今回みたいに、わりと自然にブーケをつくってくみたいなものって初めてなんですよ。自分の作品だとかっちりつくりたい派なので。自分の作品はかっちりしていると思うんですけど、今回のワークショップはラフにつくって貰おうと思って。結構毛色が違うものが出来たかと思います」


植「何か教室でのエピソードがあれば?」


C「五月に挙式を挙げる方が来て頂いていて。そもそも今年の二月にキャトルエピスで行われた『jewelry & chocolate』で私の作品を見て頂いて、来てくださったんですね。普段は護国神社に近い場所で勤めているらしいんですけど、その日が毎回、勤務のため会場には行けないということで。今回のくらことを狙ってわざわざ来てくださった。それがとても嬉しいかったです」


植「今回、この教室の企画を一緒に進めたスタッフの橋本さんについて聞かせてください。」


C「橋本さんは、歳の近いのもあってか、フランクな感じで話せるので、色々と聞きやすくて助かりました。普段、他のクラフトフェアだとビジネスライクになるんですけど、橋本さんの場合、それもなくて」


植「そこから信頼が生まれた部分もあったのですかね?」


C「それはあったと思います」



そんな橋本さん(以下、橋)に今度はお話しを伺った。


橋「2月の『jewelry & chocolate』にchiiiiiiicoさんが出てて、ローズマリーのブローチを見て、「これっ!」って思って。chiiiiiiicoさんの作品なら、女性が好きそうなキラキラっとしたアクセサリーよりも、もうちょっと中性的につくる楽しみが感じられる教室が出来るんじゃないかなって。くらことは器が中心だけど、それに色を添える教室になると思ったのでその場で口説きました」


植「そんなchiiiiiiicoさんの印象を。」


橋「chiiiiiiicoさんは、何か言えば、色々こういうのは?って返してくれる、っていうやり取りが出来て、今日のこの教室に落ち着いたかなって。どっちかだけが突っ走るんじゃなくて、それぞれの役割があるところをキャッチボールしながら出来たかなって思います」


植「最後に、くらことがこれからどう発展していって欲しいかを聞かせてください。」


橋「くらことは、ARTS&CRAFT静岡の秋の開催から一カ月しかなく、個人的な仕事の理由でダッーと過ぎていっちゃったりしがちだし、年に一回しかないからここに来るまでに、途中息切れしたりとかもするんだけど……今回初めて、色々と自分も加わることが出来たし、前回までよりもしゃべれる作家さんが増えたし、ハルコヤの流れもあるけど、器の作家さんと話せるようになったし、器はわからないけど、器を買ったりしちゃってるので。お菓子目当てにクラフトフェアに来てる人たちでも、単価は安くても、箸置きとか、ブローチとかクラフト品に興味の幅が広がるような、良さが理解して貰えるような、起爆剤になるような何かが出来たら嬉しいなと思います」


植「ありがとうございました。」



ARTS&CRAFT静岡のスタッフさんたちが、

様々な企画を通じ、よりつくり手側にまわりはじめた。





そもそも、作家さんをサポートする会場をつくるのがスタッフの「つくること」だった。

それがいくつかのきっかけ、

- くらことカフェでスタッフさんが自作の料理をつくるようになったこと -

- 静岡手創り市のスタッフさんによる小屋の完成 -

- 毎回会場にワークショップやライブなどの企画を仕掛ける&SCENEの登場 -

などによって、作家さんとお客さんをむすぶための空間や様々なものをつくりはじめた。


その経験によって、作家さんとの共通言語が出来、作家さんとの関係も

変わって行くだろうし、イベントそのもののもつ創造性も変わっていくだろう

と個人的には感じていた。


ただ、つくり手にまわったのなら、つくり手としてのゴールをどこに置くのか?

それをより念頭に置いて欲しいと、今回のくらことで再確認した、というのが

今回のルポで得た印象だ。


と言うのは、つくり手のゴールはつくることではなく、伝わることだと今に思うから。

(これは、独りよがりな作品ばかりをつくりがちな、自分自身への戒めでもある)


様々な企画、ハルコヤ、アキコヤが、作家さんとお客さんをむすぶとあり、

来春、ARTS&CRAFT静岡で展開される予定の『 g r e e n 』や、

その他様々な企画が、作家さんだけでなく、より来場するお客さんにも響くもので

あることを願っている。


いや、でも、お客さんとしてくらことはすごく楽しかったし、

一日があっという間でした!

ありがとうございました。



うえおかゆうじ 



*次回の更新はくらことルポ番外編*



【くらしのこと市とは?】

静岡市内山中の足久保にある木藝舎Satoにて開催の
暮らしに寄りそううつわを中心とした市。

日々の食卓を彩るうつわのつくり手が集い、

使い手と繋がることで、今よりも少しだけ良い毎日が交差する。

うつわのつくり手を中心に、暮らしを彩る道具、

素材にこだわった食品を提供するお店も参加を致します。


※くらしのこと市へのお問い合わせは下記メールまでお気軽にどうぞ。

facebook : https://www.facebook.com/shizuokatezukuriichi 







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