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アトリエ訪問:こばやしゆうさん


先日、静岡に住まいと工房のあるつくり手、こばやしゆうさんのところへ行って来た。
以前にもスタッフと共にお邪魔してきましたが、今回は「アトリエ訪問」という目的を持って。

とはいえ、目の前の松林でお茶をしたり、海で泳いだりと半分以上は遊びだった。
遊びの中に挟まれる小さなお話は返し返され対話となる。

ゆうさんは対話の人だと思う。
普段はひとりで生活し、制作をしているゆうさん。
作品と対話することは自分との対話。
相対する目の前の人間がいる時、自分との対話と離れ、自分とは違う個と「対話」をすることで、自分に対しての鏡を生み出しているのだと思う。
それはきっと、私にとっての対話も、鏡を生み出すこと(自然と生み出される?)と同じと思うし、だからこそアトリエ訪問の機会を設けて様々なつくり手のもとに訪れているのだと思う。

今回のアトリエ訪問インタビューの公開は20日後を予定。
どんな記事となるかはライターのうえおかさん次第だけれども楽しみだ。
(ほかアトリエ訪問時のことは「東京のブログ」をご覧下さい。) 

週末は静岡スタッフとの月イチ会。
新たに参加する事になったスタッフの自己紹介の場であり、すでにいる皆とのご対面の場。
とんぼ帰りとなるけれども良い時間を過ごしたいと思う。

 本開催は10月13・14日!!

名倉哲





ポートレイト・ルポ


ポートレイト・ルポ 2012年7月16日 静岡縣護国神社

2012年10月13・14日に開催されるARTS&CRAFT静岡。その会場となる静岡縣護国神社内に展示される写真展、「ポートレイト」。これは、ARTS&CRAFT静岡に今回出展する作家さんと、その作家さんがつくった作品、もしくは愛用の道具を一緒に撮影したポートレイト展です。
今回のルポは、7月16日に行われたその撮影会で、作家さんや、カメラマンの大野さん、そして企画の名倉くんにインタビューを行いました。



まずは、ポートレイトの撮影を担当するカメラマンの大野さんのコメントからお届けします。

自己紹介をお願いします。
「大野カメラ店・写真店、ギャラリーとりこというお店を経営しています、大野と申します」

今回のポートレイトの企画の経緯を教えて頂けますか?

「名倉さんの方から、ポートレイトの企画をやりたいんだけどって話を頂いて、僕もお客様と手創り市を撮影会でまわっていて、つくっていらっしゃる方が魅力的なんで、そういう面でも僕もすごくいいお話しだなと思って、撮影をさせて頂く様になりました」

今回のつくり手のポートレイトを通して、こんな事がポートレイト展で伝わればという点について聞かせてください。
「手創り市って、モノがいっぱい溢れる感じなんですけど、やっぱりそれをつくってる人が魅力的なんだと思うんですよね。だから皆さん、また、その方に会いに行くっていう。モノよりもその方に会いに行くっていうのが多い様な気がするんで、そういう意味では、作品を通してですけど、その人がお客様と対峙しているとうか。あくまでも作品を通じて、作家さんの人間性というものがお客さんに伝わると思うので、そうした所が見えたら嬉しいなと思います」

毎回、ARTS&CRAFT静岡開催時に撮影会を行って頂いていますが、撮影会時のエピソードなどあれば?
「うちのお客様も人を撮るのが好きな方が多いので、撮影会の後も個人的にお付き合いして写真撮ったりとか、という方もいらっしゃるみたいなんで。そういう意味で、人と人が繋がっていくような感じがすごくあります。毎回楽しみにしています」


次にお話しを聞いたのは、木工の作家さん、只木芳明さんだ。

まず、自己紹介をお願いします。
「埼玉県で木の器をつくっています、只木芳明です」

今回の撮影に持ち寄った作品について聞かせてください。
「今回持ってきた作品は、普段つくっている器で、四つ持って来ました。で、特に深い理由はないんですけど、木の器をつくり始めて最初につくった器から、ついこの間つくった器までを持って来てみました」

時を経ている訳ですね?
「自分のベースってものが、木の器なんで、一緒に写るってなった時に、一番ベーシックな核になるものって事で器を持ってきました」

ちなみに一番最初につくられたのはいつになりますか?
「丁度今から二年前位ですね」

ほか何か作品に対する思い入れがあれば聞かせてください。
「最近はカトラリーだとか、それこそ道具から離れて作品性が出てくる様なものもつくってはいるんですけど、やっぱり自分の基になる、つくる動機になっている器っていうのは、どうしても、それをつくることによって考える事だったり立ち返る事があるので、一緒に写るならという事で器にしてみました」

ARTS&CRAFT静岡に参加しようと思ったきっかけを教えてください。
「雑司が谷の手創り市に出ていた時に名倉さんに話を聞いて。今まで大きな会場で出す事ってなかったので、どうなるかわからないけど試しに出してみようという気持ちと、その時僕はこの会場にも来た事がなかったんですけど、自然が豊かな場所ということもあって、普段自分は室内でつくってるんですけど、それが外に出た時にどんな風に映るのか? という所の興味から参加しようと思いました。すごいシンプルな理由なんですけど」

実際参加してみてどうでしたか?
「野外で自分の作品を出すと、見え方が違ってくるというか。具体的な所で言うと、サイズ感が変わって見えたりというか。広い所で一気に自分の物を並べるって事があんまりないので。そういう意味では、ものを見せるんですけど、自分のブースの空間をつくる、それは自分の作品の為でもあるんですけど、より的確に自分の想いが伝わる様な見せ方をするって意味ではすごく考えさせられるし、僕の中では実験の場であり、色々試せる場所ではあります」

10月の開催に向けての意気込を聞かせてください。
「今の感想でも言ったんですけど、それまでにつくった製作物の他にも、自分の空間をどうつくるかって事はこれからも詰めていかなかきゃならない事だと思うし、空間づくりから先に考えていくと、もしかしたらもっと、作品性の強い物というか、そこからまた新しい物が出来てくるかなとも思うので、あんまり時間はないですけど、そういう全体の事も含めて製作に向かおうと思います」


次にお話しを聞いたのは、QUATRE EPICE(キャトルエピス)の藁科さんだ。藁科さんはこの日、白衣に銀色のボウルとを抱えた姿で撮影に臨まれていました。

まず、自己紹介をお願いします。
QUATRE EPICE(キャトルエピス)の藁科です。よろしくお願いします」

今回撮影に持ち寄った作品、または道具について、何故それを持って来たのかというのを聞かせて頂けますか?
「まぁ、一番使うものを持って来ようと思っただけで。お菓子づくりにボウルがないと何も始まらないので。一応ボウルを持って来ようかなと(笑)」


ボウルに対しての想い入れは、どの様なものでしょうか?
「逆にボウルって言うのは、想い入れが少ないんですよ。ボウルっていっぱい使うんですけれども、その面白さというと、つくる物によってボウルって変えていくんですよね」

大きさとか?
「そうです。その時に、今からつくる物に対してボウルのサイズってぴっちりあてなきゃなんないんですよ。だからそれによってお菓子が上手くつくれたり、上手く作れなかったりっていうのがあるので、ボウル選びも重要なんですよね。だから自分が作業する道具のサイズっていうのは、すごく重要なんですよ」

なるほど。で、今日持って来たボウルは何を主につくる時とかありますか?
「特に、何ってなくて、量の問題があるので、その時によって使うボウルって全部違うんですけど、この時にはこのボウルって決まってないんですね。決まってないからこそ、逆に今から作業する時にどのボウルが? みたいな。そこがすごく重要なんですよ」

すごくそこに集中と選択が必要になって来るんですね?
「そうですよね」

ARTS&CRAFT静岡へ参加しようと思ったきっかけ、もしくはエピソードなどあれば教えてください。
「つくってる感、手づくり感がすごくあるので、やっぱ僕らモノをつくるって、自己満足かもしれないんですけど、物をすごくつくってるんだけど、全部が全部、見返りを求めてやる訳じゃない世界もあると思うんですよ。そういう世界観がすごく好きなんですけど、静岡の手創り市さんの想いとか、主宰してる方達の考え方とか、すごく素敵だなと思います」

例えば、具体的なエピソードなどあれば?
「例えば夜にしても、朝にしても、スタッフさんの動き方というか、ブレない手創り市のスタイルってあるじゃないですか? そういう所ってすごく感じるので、逆に僕らも頑張ろうって思うんですよ。前回は違うテントを使いましたけど、僕ら前々回の時は、テントからつくったんですよ」


テントから手創り市用に!?

 「はい。テントを縫ったんです。ただ、だからなんだって訳じゃないんだけれども、そういう事って大事にされてる方だって思うんですよ。僕らも『つくったよ』なんて事は言わないんですよ。言わなくてもたぶんわかってるし。僕らも当日に向けて、見えない所も頑張ろうって気持ちにさせてくれるのが、主宰してくれている方達の想いが伝わるので、やろうと思うんですよね」

10月開催に向けての意気込みを聞かせてください。
「特に意気込むつもりはないですけど、いつも等身大で、何か大きく見せる訳でもなく、自分達がやってる事をダイレクトにお客様にもみんなにも伝えられたらいいなと思っています」



次にお話しを聞いたのは、陶芸の作家さん、安江かえでさんだ。

まず、自己紹介をお願いします。
「安江かえでです。神奈川に住んでいて陶器をつくっています」

今回撮影に持ち寄った作品について聞かせて頂けますか?

「割と普遍的な形。自分で持って撮影するって事だったので、マグカップとか飯椀とかじゃなくて、両手で持ったイメージだったので、あんまり大きいと持ってくるの大変だし、これにしてみました」

ARTS&CRAFT静岡へ参加しようと思ったきっかけ、もしくは参加時のエピソードなどあれば教えてください。
「一番最初は誘って貰ったんです。合同で出たの。ツグミ工芸舎さんと沢木さん。それが一回目の時。その時は何も考えずに行けばいいんだっていうか。あと、エピソードは、もう四回位やってるから、いつも来てくれる人がいるっていうか。若い男の子で、一人で見に来てる。好きなんだなぁって思って。私にとっては珍しいからすぐわかるんだけど、向こうは向こうで覚えられてる事にびっくりしているみたいな」

10月開催に向けての意気込みを聞かせてください。
「せっかく写真を撮って貰ったので、ポートレート展がどんな形になるかもわかってないんだけど、写真が飾られるって言ったから、いつもとは違って、作業工程の写真のファイルか、もしくは途中途中の過程の実物とか、出来るまでっていうか。そういう物を持って来れたら。結構お客さんと話してて、薪ストーブの灰を貰ってつくってるんですよって、みんな驚くというか。でもそれは、すごい伝統的なシンプルなやり方なんだけど、やっぱりもう、こんな事はあんまり知らないというか。例えば、灰についてもあんまりイメージがつかない、原材料の土とかも、とても私には当たり前過ぎるっていうか。ですけど、みなさん、割と見たり触ったりした事ないよなって思って。だから土か、原料か、やってる行程の写真かを見て貰おうと思ってます。つくれれば」


次にお話しを聞いたのは、Co.&kokoroneの室根さんというオーダー制の革靴の作家さんだ。


まず、自己紹介をお願いします。
「神奈川県の方で大人のオーダー靴と赤ちゃん靴のセミオーダーをつくって活動しています室根といいます。屋号は、『co.&kokorone』という名前で活動しています」

今回撮影に持ち寄った作品について聞かせて頂けますか?
「自分のつくっている物は基本的にオーダーでつくるので、イベントではお客様の足を計る所から始めて、デザインの打ち合わせをして、借り履きっていうフィッティングの物をつくって、不具合がなければ本番の革で作成して納品という形になるのですけど。なので、うちに靴屋さんみたいに靴をたくさん並べておくって事はできなくて、サンプルだけを並べていて、その中からお客さんと話し合いながらひとつずつ決めていくという形なので、これは僕が自分用につくった靴なんですけど、これも全部自分の足に合わせてつくっているので、それこそ世界にひとつって言うと大袈裟ですけど、その人の足に合わせて全部つくるので、これもそうやってつくられた靴なので、自分で履くとホントぴったりの形でつくれていると思います」

これはちなみにいつ頃つくられたんですか?

「これはこの撮影用の為につくったので、二週間前位からつくって」

この色に決めたのは?
「サンプルをつくる時にこの革を使っていて、この革は何も染色をしていないんですけど、お客さんが見た時に何も色がない方が、今後例えば茶色にしようとか、色をキャメルにしようとかイメージしやすい様に、基本サンプルの革は染色してない物で、今回の撮影も自分のつくるものが写るって事だったので、何か色があるものよりも、何も染色していない革靴を持って来て、その先をお客さんにイメージして頂いける様に、今回はこの革で持って来ました」

ARTS&CRAFT静岡へ参加しようと思ったきっかけ、もしくは参加時のエピソードなどあれば教えてください。
「雑司ヶ谷の手創り市の方は少し前から出ていて、そこで他の作家さんに静岡でもこういうイベントあるよって教えて頂いて、雑司ヶ谷と雰囲気も違うし、神社の大きさも違うので面白いんじゃないかって教えて貰って、じゃあちょっと出てみようかなと。主催者の方も同じというのが安心感もあったんですけど。で、去年の秋初めて出ました」

10月開催に向けての意気込みを聞かせてください。
「晴れるといいです!(笑)僕雨男なんで、かなりの確率で雨を降らすんで。でも彼女がかなりの晴れ女なんで、彼女が来ると晴れます(笑)」


次にお話しを聞いたのは、ALNICOINDIGO(アルニコインディコ)という屋号の手拭い作家さん、一瀬さんだ。

まず、自己紹介をお願いします。
「静岡県浜松市から来ましたALNICOINDIGO(アルニコインディコ)という手拭い商店の一瀬と申します」

今回撮影に持ち寄った作品について聞かせて頂けますか?

「今までは伝統的な物を追い掛けていたんですけど、これは初めてと言っていい程、面白いものです。フジロックに頼まれまして、何か面白い物をつくろうってお互いに話し合って、ゼロから煮詰めていって、結果こういう形になった。気付いてみたらカナダの方の木彫り風になっていたので、全く予期してなかったんですけどね」


それは無意識的にカナダの木彫りのイメージがあったんですかね?
「好きだったんですけど、最近はメキシコの方の作品ばっかり見てたので、そういう風になるのかなとは思ってたんですけど、でもこういう風になりましたね。やっぱり好きなんでしょうね、トーテムポールとかそういったものが。そういう意味で印象深い作品という事で持って来ました」

トーテムポールいいですよね?

「なんかいいじゃないですか? あとカナダの音楽がずっと好きで。昔の人で『ザ・バンド』とか『ニールヤング』とか。アメリカに行った人達の中でもちょっと憂いを帯びてる、イギリスにはない憂いがあるんですよね。寒い感じが、好きですよね。ずっと音楽は好きだったので作品の中に表れますよね。音楽とは絶対に切っても切れないとは思いますけどね。自分の場合は常に音楽とリンクしてます」

デザインにもリズムってありますよね?
「そうそう、あると思います。自分は染めるんでリズムは大事なんですよね。一週間のリズムも大事だし、一日の中で八時間をどう使うか。八時間ずっとテンションを張るのは難しいじゃないですか? 今日は調子がいいので朝イチに持ってこうとか。大変な仕事と楽な仕事じゃないですけどね、同じ懸命さの中でも違うじゃないですか? 気の張り方が。そういのってリズムを考えればそれなりのリズムになるんで」

緩急をつけて?

「そうそうそうそう。そう思いますけどね」

ARTS&CRAFT静岡へ参加しようと思ったきっかけ、もしくは参加時のエピソードなどあれば教えてください。
「神社でやるという事自体が新鮮で、ここでやるという情報はインターネットで初めて知ったので、その前の前の月に、雑司ヶ谷でも開催するという事だったので、まずは雑司ヶ谷で出展させて頂きました。そうしたらものすごい雰囲気が良くて、真摯な感じが受けて取れたので、つくり手もお客さんの方も神社やお寺でやると言うことに対する、無意識的な神聖な物に対する目が自分は好きで、自分の作品もそうありたいという想いで応募しましたね」


10月開催に向けての意気込みを聞かせてください。
「いつも通り自分が懸命につくったものを、お客さんに見て頂きたいなと。その一言ですね」



最後にお話しを聞いたのは、今回の「ポートレイト」の企画者でもある名倉くんだ。

まず、ポートレイトの企画の発端を教えてください。
「毎回OHNO CAMERA WORKS、ギャラリーとりこの大野さんが主催する撮影会があって、その撮影会っていうのは護国神社の会場だけじゃなくて自分たちの企画で色んな所に行ってるんだよね。その色んな所の中にうちのひとつにARTS&CRAFT静岡の撮影会があって、その撮影会の様子を見ていて思ったのは、僕らとしても撮影会をやるにあたって意味のあるものにして貰いたい。単純に撮影をする、各個人の気の向くままにっていうのもいいんだけど、僕らの要望としては、そうじゃなくて、ひとつ設定があって、何か違う撮影会をやって欲しいんですよねって話しをしていて。その中でこちらから提案したのは、会場の作家さん、つくり手とつくられた作品、その関係性って言うのは当たり前だけど常に繋がっていて、それを写真というメディアでよりビビットに表すって事をして欲しいと話しをしたんだよね。大野さんとその話しをして、大野さんがしている撮影会っていうのは、限定したテーマを設けない、というのが撮影会の根本にあっるって話しをして、こちら側の希望としてはこういう物ですって話しをして、そこで大野さんの方から、そういう写真であれば僕が撮りたいですね、ってなって、それがきっかけです。そのきっかけをこちらがちゃんと言葉にまとめて、ポートレイトって形でタイトルを付けて、やりましょうっていう風にお願いしました」

それはいつ頃の話しですか?
「去年の秋、大野さんと清水美紅さんの「ゆらぎ」をやらせて貰った辺りです。話しをする機会が増えたので。あと大野さんの人柄に惹かれて一緒にまた別の仕事をしてみたいなと思うようになって、そこから話すようになったのかな」

今日実際、ポートレイトの撮影がありましたが、撮影の仕方に関するお話しを聞かせてください。

 「撮影の仕方は、まずテスト撮影としてデジカメ、本番はフィルムで三枚。使用するカメラはハッセルブラッド。これは大野さんのスタイル。それは決まってます」

護国神社の中の、茂みで撮影しましたが、あの場所をピンポイントで選んだ理由は?

 「光の入り方とか、背景の抜ける感じとか、今日大野さんと話した時に、ここがいいんじゃないですかって話しがあって、それは実際撮って貰った時に、大野さんの言ってる事が言葉ではなく映像とし良くわかったので。それで決まった感じかな」

立ち合ってみての感触は?

「感触は、大野さんの提案に従っていればいい、という訳じゃないけれど、やっぱり大野さんの提案っていうのはただ言葉だけじゃなくて、テスト撮影としてこんな感じですって見せてくれる、やっぱりそれはプロのカメラマンとして僕ら素人に対してわかりやすく見せてくれるって事はすごく有難いし、だから作家さんに対しても説明しやすいというのを感じたかな。そういう有り難さを実際の展示としてまとめてゆくのが僕らスタッフの役割かなと改めて感じてます」


以上でポートレイト・ルポを終わります。今回、ライターという形でこの企画に関わらせて頂き感じたのは、今回、作家さんが撮影に持ち寄ったものは、作家さんの考えで選択した物だったという事。その選択の仕方に、作家さんそれぞれのつくる事に対する想いや、作家さんとしてのスタイルを感じられた事がとても印象に残りました。
10月開催時に、それがどの様な写真になって展示されるのか? 今から僕も心待ちにしています。

うえおかゆうじ

・・・・・

※2012年秋季A&C静岡の申込期限は8月15日となっております。
 お申し込みのついては「こちら」をご覧下さい。

ARTS&CRAFT静岡
shizuoka@tezukuriichi.com





7月22日





すべてくらしのこと市の出展者作品撮影時の写真。
この写真はブログの場でしか使われないもの。
出展して頂くであろう作家さんの作品を事務局スタッフが撮影し、それをパンフレットやウェブで使う約束になっているけれども、これはこれで凄く緊張する。いや、緊張は望むところだけれども、なんというか、これでよし、と終わりに区切りをつける事が非常に難しい。

今日は先週に引き続き静岡へむかい、2012年秋季ARTS&CRAFT静岡のアーティスト部門の打ち合わせ。新たな出会いと共に前回よりも前進している実感を得たいと思う。

名倉哲





小さな写真展:2012年春季開催分



2012年春季開催時に行われたOHNO CAMERA WORKSさんによる
会場撮影会の写真をご紹介致します。



                               (↑スライドショーです)



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ご覧頂き有り難う御座いました!!


※「小さな写真展」は、現在ウェブ上での公開のみとなっております。

 出展者様等のお問い合わせはご遠慮ください。


ARTS&CRAFT静岡

shizuoka@tezukuriichi.com









7月18日

この時期になると頂く事の多い西瓜。
この西瓜は茨城産の黒小玉スイカで、果肉は通常のスイカよりもしっかりめ。
器は近藤康弘さんとyuta須原さん。偶然の取り合わせだがこれって健康コンビだわ。

15日の東京での手創り市を終えて、翌日、16日は静岡に向かい護国神社にてPORTRAITの撮影を行った。この時の様子は後日配信される「ポートレイト・ルポ」でお知らせしようと思う。

次回のARTS&CRAFT静岡の開催は10月13・14日。
現在はそれにむけて様々な取り組みをしている。
申込はひとまず8月15日に締切となるけれども、開催のその時がやってくるまで少しでも良い変化をしてゆけるよう取り組んでゆきたい。

梅雨明け宣言がされて暑さも本格的にやってきました。
夏バテ、熱中症にはお気をつけください。

それではまた。


名倉哲






山口洋佑・かえりのしたく@NADiff modern

3連休の初日、皆様いかがお過ごしでしょうか?
こちら東京・渋谷では(といっても事務局は板橋区)ARTS&CRAFT静岡、手創り市共にお世話になっている山口洋佑さんの個展が開催されております。
昨日搬入のお手伝いに行ってきましたがBEAMSさんから引き続き彼の快進撃?はとどまることを知らないよう、です。
3連休に東京に来た際には是非ともご覧ください。

会期  :7月14日〜7月31日
場所  :NADiff modern
営業時間:10:00〜21:00


3連休、私は雑司ヶ谷の手創り市、静岡でのPORTRAIT撮影とばしばしお仕事に励みます。
それではまた。

名倉哲







栃木へ

こんにちは。名倉です。
先週日曜は、栃木・益子の陶庫で開催されていた近藤康弘さんの個展にスタッフと共にお邪魔してきました。


大谷石がふんだんに使われたギャラリー内では大小用途様々な近藤作品が展示されており、在廊していた近藤さんともお話をさせて頂きました。
会話の中で気になったことはこんなことでした。
「これまで器作りは自分が好きな緩やかな線や丸みを帯びた形だったけれど、今はその中にどこかエッジをきかせることを意識している」と。
エッジをきかせる、この一点によって彼の作陶にどんな影響を及ぼすのか?それが楽しみです。

近藤康弘:食器展は、7月19日まで開催しております。
益子にお立ち寄りの際には是非ともご覧下さい。

益子から真岡へ移動し、お世話になっている仁平古家具店さんへお邪魔しました。
最近は仕入れやメンテナンスであまり店頭に立っていないとおっしゃられた仁平さんともお会いでき、仁平さんが新たにつくったカフェ「喫茶 salvador(サルヴァドール)」にもお邪魔してきました。以前からいらっしゃった店員さんにもお会い出来たしお邪魔出来て良かったです。
仁平古家具店に訪れた際には是非とも足を運んでみて下さい。



次は日光市にあります「日光珈琲」さんへ。
真岡から車で一時間半ひと走りで到着。
期待していた以上によい空間で、店主さんとここで働くスタッフさん達が共に改装した店内には好きが込められていて、お客さんを迎えゆっくり滞在出来る時間を自然と与えてくれる、そんな空間だと感じました。美味しい珈琲と愉しいひと時をありがとうございました。
(日光珈琲さんにARTS&CRAFT静岡のフライヤーを置かせていただきました)

日光珈琲さんを後にし、最後に宇都宮で餃子を食って帰ろうということになり、餃子のまさしへ。餃子といえばライスと共にがつがついく、または餃子とビールでつまむ、それが当たり前と思ってましたがここは違いました。なんと店内貼り紙に「当店は餃子を提供するお店です。ご飯もビールも提供しておりません。」という主旨のものが掲示されており、ほんとか?と思った私は店内見渡すとまさに餃子のみを食す空間。もう何も言えず、郷に従う事にしました。
スタッフと共に餃子がっつき、次々とやってくる地元のお客さんに驚きつつ、ごちそうさまをしお勘定。その後ははじきだされるように宇都宮から都内へ向かいました。 おしまい。


 皆様からのお申し込みをお待ちしております!!


名倉哲










7月6日


現在進めているくらしのこと市では、担当スタッフによる「くらしのことエッセイ(仮) 」を進めている。
担当スタッフからは二つほど記事が届き、私の役得だろうけれど、何度も読み返している。
はっきりいって凄くいいと思う。
くらしのこと、というテーマの中で大きな視点から入る訳ではなく、個人的な体験とそこでの視点から書き上げられた文章は、言葉として頭の中に入るものではなく、身体のなかにストンとおちる。腑に落ちるってやつだろう。
そして、その記事を読んで浮かんできた言葉は i'm with you 
「君と共に」とかそんな意味があるが、ここでは「君に同感だよ」という意味。
8月頃には公開出来ると思いますので是非ともご期待下さい。
それではまた。


 締切は8月15日必着までとなります。


名倉哲






くらことルポ・第2話(6月24日)

*くらしのこと市、はじめます*clicks!!

*くらことルポ・第1話*clicks!!


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くらしのこと市ルポ

第2話 2012年6月24日


2012年11月11日(日)に木藝舎・satoにて開催される「くらしのこと市〜うつわの景色〜」。その開催迄の流れを追い掛けるのがこの「くらことルポ」です。

今回は、6月24日(日)に、スタッフ川手さんの主宰する「月一会」のバーベキューも兼ねsatoに訪れ、その時に取材した、名倉くん、川手さん、米澤さん、そして木藝舎の八木さんにお話しを聞きました。

まずは、名倉くんから。



くらしのこと市、第一回目のルポがありました。それを経て、現段階での進行状況を聞かせてください。


「現時点では、企画書が出来上がって、出展して貰いたい作家さんへ企画書を送っている段階です。」


企画書というのは、今回どういったフォーマットの物なのでしょうか?


「普段、企画書はなるべくA4の一枚で収まるようにしてます。それは何故かというと、シンプルにわかりやすくする為だし、あまり細かくし過ぎないように。その為にA4用紙一枚ペラの形を取っていたのだけど、今回くらしのこと市に関しては、現段階で作家さんに伝えられる事、つまりくらしのこと市ってこういう事ですよ、こういう形でやってゆきますよ、作家さんの紹介もこういう風にしていきますよってゆうのを知って貰いたかったので、A4用紙でいうと四枚。それと、企画書用のくらしのこと市のサイト、それは会場の事だったり、アクセスだったり、作家さんの紹介。特に作家さんの紹介に力を入れて、器五点写真を撮って、その内の最後の一点を器を使ってる景色をさ、例えば料理を盛っている所だとか、食卓やくらしの風景だとかを提案したいと思って、それに見合った企画書をつくりました」



その企画書が出来上がっていく経緯とは?


「基本的なベースはそれこそA4用紙一枚くらいでつくっていって、その都度、担当スタッフの川手さんと米澤さんに確認して貰って。で、最初から足りない前提で企画書をつくっていったんで。そこで川手さんと米澤さんと相談しながら、少しずつ足していって、おおなかな所をより詳細を出して。で、サイトに関しても、ひとまずの作家さん向けの企画書としてのサイトをつくろうって話になって、それを東京スタッフの秋田さんにつくって貰って、そうしたやり取りをしながら企画書としての紙面とサイトが出来上がりました。結構これは時間掛かりました」



今回の企画書とサイトで特に気を使ったのは、先程作家さんの紹介と言っていましたけど、その辺の事について何か触れられれば。


「作家さんが出展するにあたってどういう条件で出展するっていうのを、わかりやすく書いて。後は作家さんの紹介ですね。作家さんの紹介をこういう風にしますよって言った時に、言葉じゃなくてビジュアルで、それが一番伝わりやすいので、それを意識しました」


それが現段階の流れですかね?


「そうです。今は企画書を送って作家さんの返事を待ってるところです。後は川手さんも米澤さんもそれぞれ企画書を送っているところですね」


返事が来た人もいますか?


「そうですね。すぐに返事をくれた作家さんもいるんで」


感触としてはどうでしょうか?


「企画書は、こちら側からすると詳細がよくわかる物で、内容がすごく濃い物になったけれど、濃すぎてよくわからなくなる不安もあったので、それがすごく伝わったのが良かったですね。作家さんに向けてつくり込んだので。それがある程度伝わった感触があります」



では最後に、今の段階での名倉くんの気持ちを教えてください。企画書をつくり、それを送り、返事を待ったり、貰ったりしながら更に開催に近付いた今の気持ちを。


「企画書をつくる迄にすごい時間が掛かったので。その時間の掛かり方は、今までにない。掛かってしまった感もあるし、時間を掛けれたっていう実感もあるし」


込めたってことですよね?


「込めた? うーんそうだね。だからひとつほっとしたというのはあって、と同時にここからは急がなきゃなんないなって」


急がなきゃならない?


「みんなが観るサイトをつくるにしても、フライヤーのメインビジュアルをつくるにしても、ちょっと急いでいかないとダメだなって思ってます」


それはタイムスジュール的な事ですか? 気持ち的な事も含めですよね?


「両方です、焦るとは違うけど」


何か言い足りない事があれば?


「期待してください、としか(笑)」


わかりました。ありがとうございます。



くらしのこと作家向けの企画書用写真撮影のスタイリング。(協力:夕顔・藤間さん



次に話しを聞いたのは、今回のくらしのこと市の企画、そして開催当日にオープンするカフェを担当する川手さんだ。


くらしのこと市、第一回目のルポがありまして、現段階での進行状況を聞かせてください。


「出展して欲しい作家さん達が決まって、その作家さんに「出てくれませんか?」っていう案内を今送っている状況です」


具体的には何組ですか?


「25組プラス、食品が5組」


その方達すべてに企画書を送ったのですか?


「いえ、まだです。「企画書を送ってもいいですか?」っていうメールを送っている段階の作家さんもいるし、企画書を送った人もいるしって段階です」


段階を踏むんですね。反応はどうですか?


「名倉さんと米澤さんと私と、それぞれ作家さんを振り分けてやってるんですけど、私は五人の作家さんに送る事になってて、で、反応はいいと思います」


具体的にどんな反応が来ていますか?


「今回一人の作家さんからは、予定がその日に入っちゃってるけど、企画書を見させて貰って出たいなって気持ちがあるから、検討させて欲しいという言葉を貰い、嬉しいなと思いました」



企画書の内容はどういった感じに仕上がっていますか?


「公式サイトはまだ出来てないんですけど、企画書形態の物で作家さんが見られるWEBサイトが出来上がっていて、このsatoの様子とか、こういった感じで作家さん紹介をしますとか見れたりするんですよ。なので、そのアドレスの案内と、この企画がどういったものなのかっていうのを送りました」


そこで、各スタッフさん、それぞれの送り方、アプローチの仕方があると思うのですが、川手さんは作家さんに対してどんなアプローチを心掛けましたか?


「まず、こういうことをするのが始めてだったので、名倉さんが送った文章を見せて貰って、それを自分なりに解釈をして自分の言葉でちゃんと書けるようにしました。あと、作家さんそれぞれ良さがあるし、私が担当させて貰った作家さんは、私が「この人!」って言った人でもあるので、思い入れというのもあるから、その人の作品に対してこういう風に思ってますっていうのを一言添えるような事を心掛けています」


その辺りの熱は伝わった感じはあったのですね? それはすごく良かったと思います。


「はい、嬉しいです」



カフェの企画の方では何か進展はありましたか?


「今度野菜をつくっている農家さんの所に山梨さんと名倉さんと三人で行って、お話しをさせて貰おうかというのは決まりました」


静岡の農家さんですか?


「はい、静岡です」



今この段階を経て、段々と開催日が近付いて来て、企画も走り出した所ですが、そこでの今の気持ちっていうのを。第一回目のルポを振り返ってもいいですし。


「第一回目のルポをした時は、まだ自分の中で、すごく企画に入ってる感じがまだ薄かったなっていうのがあって。それが今、作家さんにメールを送ったりしている事によって、より深くコミット出来ている様な感じがして来ました。あと、作家さんにメールを送ったりっていうのを初めてやって、ちゃんと自分の気持ちを話せば伝わるんだなっていう事、伝わる事って嬉しい事なんだなっていう事をすごく実感したんですよ。だからそういう事がもっと出来たらいいなって」


そういう事が中心にあって企画を運んでいけたらいい?


「そうですね」


ありがとうございました。



会場である木藝舎・SATOには三つのツリーハウスが点在している。



次に話しを聞いたのは、くらしのこと市の企画、そしてトークショーの司会や、サイトの企画を担当する米澤さんだ。


くらしのこと市、第一回目のルポがありまして、そこから数週間が経って、その段階でやって来た事、新しく固まった事を教えてくれますか?


「まず、出て欲しい作家さんが決まって、前回の会議で話した時は、器を中心にっていうのをちゃんと話し合って、じゃあもう少し作家さんを考え直さなければいけないね、ってなりまして。なのでもっと器の作家さんを探しました。私は素材として木工が好きなので、その分野で探しまして。二人の作家さんの案を出して、名倉さんにOKを貰って。それはこれからメールで連絡を取ります」


他のスタッフ二人の、作家さんからの反応がいいようですが。


「その中に、くらしのこと市が気になってました、ってメールがあったりして、嬉しかったですね。やっぱ、WEBサイトだけでしか写真載せたりとか、それくらいしかしてなかったし、どのくらい伝わってるのかなっていうのもあったし。あと、それで初めてWEBサイトを観て、ルポを読みましたって言ってくださる方もいて、OK出してくれた方もいらっしゃったと思います」


それは嬉しい反応ですね。


「自分は、エッセイを書く事にしまして、「くらしのことエッセイ」。自分で書きたいって言って、書かせて頂く事にしたんですけど。もともと名倉さんから、くらしのことのコラムをやろうと言われていて、そこから話が変わって、キャチコピーやサイトの企画の方に話しが流れたんですけど、コラムがなくなった事が残念で諦め切れなくて。だから、エッセイを書きたいってダメもとで言ってみたら、やってみようってなって。私エッセイって書いた事ないんですど。今までに書いたのはブログしかなくて。でもブログを書いてて楽しいと思ったので、それがエッセイに繋がればいいと思うんですけど」



企画書をつくっていったみんなとの意見の投げ合いの事を教えてください。


「企画書のフォーマットは前回の会議でほぼ決まってて、それから家に帰ってメールでやり取りしたのは、サイトのこと。東京の秋田さんに会議で話し合った事をサイト化して貰って、それでやっと見えて来たっていうか。ああこうなるんだって。私はサイトの事とかそっちの事がわからないから。ホントに出来るんだなっていう。作家さんの器を暮らしの中に溶け込んだ写真を撮って、見せるっていうのは」


サイトの印象はどうですか?


「ロゴとかが上品な感じで。名倉さんがつくったって言っていて。今まで手創り市って、作家さん向けにこうやりますよってサイトをやってなかったと思うし、こういう提案の仕方もあるんだなって。作家さんはまず、会場にも来た事がないし、だけど、名倉さんがやってるっていうのと、手創り市がやってるっていうので来てくれるんですよね。知ってるから、じゃあやりますって言ってくれるから。ここ足久保迄来て貰うからには、そこまで責任があるんだろうなって。こういうサイトの提案の仕方は発見でした」


それは発見でもあり、作家さんとの信頼関係を垣間見たって事でもありますよね?


「ああ、そうですね。これでやっと来て貰えるんだなって。今日、静岡駅から車でこのsatoに来たんですけど、ああ、作家さん達もここ迄来て搬入するんだなって。ナビがある人はいいけど、ナビがない人は? とか。それはこれから地図をつくっていく上で、ポイントとなるお店とかを書いた方がいいよね? とか、大分見る目が変わりました。いつもここに来ているのとでは、大違いでした」


モードがくらしのこと市に入ってるんですよね?


「入ってます」


米澤さんは作家さんの事とかお客さんの事とか、すごく想像力を働かせますよね?


「それはスタッフになって作家さんと話す様になったからかな? 作家さんで、第一回目のARTS&CRAFT静岡に出た人で、私ずっとその方のブログを見てたんですよね。でも当時お客さんだった私は話しかけられなくて、スタッフになって初めて、その作家さんの展示を観に行って、その方に話し掛けたんです。で、その方に、最近手創り市とか他のイベントとかに出ていない理由を聞いたら、一万円の商品を扱っているんですど、「散歩でぶらっと来て、その商品は買えません」って、お客さんに言われたって。そこでひるんでしまったって作家さんが言ってたんですよね。で、それをスタッフですって名乗った私に話してくれたから、しっかりしないとっていうか、何かこう乗っかって来たっていうか、スタッフとしての責任ですよね。あと、他の作家さんからの同じ様な話しもスタッフになってから聞くようになって、そこから、作家さんのために何が出来るか? くらしのこと市だったら、ここ迄作家さん来れるのかな? とか、この景色を見てどう思ってくれるのかな?とか作家さんと話すようになってから考え方が変わって来た」


責任感と共に全体的になって来た?


「そうですね、きっと」



では最後に、現段階での米澤さんの心境を。


「毎日楽しみです!このくらしのこと市自体に自分が行きたい!っていう(笑)」


自分が行きたいっていうのは大きいですよね? 自分が行きたいから人に勧められる。


「そうなんですよね。あと脳みそが考え過ぎてしんどい時とかあるんですけど、だけどこれ乗り越えたらきっといい事があるというか。そう思います」



木藝舎・SATOにあるツリーハウスの内部。ここをどう使うのか?考え中…



最後に話しを聞いたのは、木藝舎の責任者でもある八木さんだ。


まず、木藝舎さんの成り立ちから教えて貰えますか?


「木藝舎は会社になって今、16年目です。僕が19歳くらいの時に始めたんです。もともとは製材の加工の仕事が始まりなんです。そこからボランティアで木工教室を始めて、そこで集まった仲間が家具職人とか大工さんとか、今うちの会社にいる営業の子とかが、今の建築のスタッフなんです」


その時に集まられたんですね?


「そうです。最初は社員とかじゃなくて、遊びに来てくれたお客さんっていうかね? でもみんな木が好きだったり、そういうコミュニケーションを取るのが好きな人達ですね。その人達が今もやってくれてるんです」


その頃に母体が出来上がったんですね。


「そうですね。建築自体は今、5年目なんですけどね。最初は製材業から始めて、家具職人と出会って、それから家具を売り出して、建築をやり出したんですけどね。今は建築が支流になってはいるんですけど。ただ足久保の土地から少し離れてしまっているんですよ、今の会社が。長沼って所で建築の業務をやっているんですけど、また初心に戻って、ここの土地からお世話になって始めた商売ですからね、またこの土地に戻って、日曜日にこういう形でバーベキューをやったりですとか、木をそこでアピール出来ればと思ってやってるんです。それがsatoです」



木藝舎さんが家づくり、住まい空間を新たに提案する時にどんな点を大切にしていますか?


「木藝舎は材木屋ではあるんですけど、ものすごく木を売り込んで木目調の家をつくるとかね、そういう事をアピールするのではなく、木は中心にはなるんですけど、あくまでお客さんの要望に合わせた住宅づくり、どうしてもこだわりは出てしまうのですけど、基本的にはお客さんの好みの家をつくることを心掛けて設計したり、素材の提案したりしています」


まずお客さんのイメージがあって?


「そこにどれだけ僕らの引き出しから引き出せるか」


そして固めていけるか?


「そうですね。ですから型にはめたような住宅というよりも、まったくさらの状態から始めていくって感じなんで打ち合わせがものすごく時間掛かりますね」


ペースもあると思うんですけど、どれくらいの期間掛かるものなのですかね?


「長い人だと二年くらい掛かる人もいますね。ただ土地と建物を購入される方も多いので、そういう人の場合、土地が決まると自ずと住宅を建てる期間も決まってきちゃうものですから、そこに合わせてやっていく様な形になってしまいます。ですので、打ち合わせの段階から建築が始まる迄、半年くらいは掛かってしまいますね」


その時は、お客さんとのコミュニケーションを本当に大切にしている。


「そうなんですね。だから選んで貰ってうちと一緒にやるというのがあるんですね。こっちからすごい売り込んであれがいいよ、これがいいよという提案の仕方ではなくて、一緒に打ち合わせしていく中で、たまには考え方が違う時もあるんですよね。そういう時は契約にも結びつかないでしょうし。色々みて、ようやく木藝舎と出会ったというお客さんが着工に繋がっていくって感じです」


通じ合える部分を探しながら。


「そうですね。やっぱりすごくお金を掛けてね、立派な家をつくったからといってそれがすごくいい住宅かといったらそういう訳ではなくて、住む人が安心して楽しく暮らせる住宅をつくる事がひとつの目的なんで、そういう家づくりが出来ればいいなって思ってます」



次の質問に行かせて頂きます。

手創り市との出会い、そして印象を聞かせて頂けたらと思います。


「まず出会いなんですけど、それこそ日曜日にバーベキューに参加して頂いたって事で。もちろん、手創り市の事は知っていましたしね、それこそクラフト、物づくりをするって観点からは感覚的に何か通ずるものがあったのではないのかなって、今思えばありますね」


初めて会場に行った時の感触ってどうですか?


「やはり物づくりをする人達がたくさんいますので、観てて楽しいですね。やっぱ買ってきた物を売るというのとは違いますからね。共感出来る部分はすごくあります」


その時何かお買物はされましたか?


「やっぱり木の小物(笑)。家の形をしたマグネットで止めるような雑貨です」


作家さんたちの印象ってあります?


「真面目な人が多いかなって。物づくりに対してね。そういう人でなければ出展もしないでしょうけど。自分でつくって売るって感覚を持っている人はやっぱり僕は好きですね」


それはつくる事を生業にしている者としてって事ですよね?


「自分がつくった物をいいもんだよって言って売るのは当たり前の事なんですけど、やっぱりなかなかいないんですよね。お勤めに行っていて、その住宅会社がものすごくいいからではなく、仕事だから売る。そっちの方が多いと思うんですよ。洋服なんかでもそうなんでしょうけど。つくって売るってよりも、売る事が仕事。でも手創り市さんの場合には、自分達が一生懸命つくった物を売るので、ほぼ99%気に入った物しか売ってないじゃないかなって気がして」


それは大きいですよね?


「それはすごく感じます。もちろん売れ線ってのは狙ってね、チャレンジしている部分も面白く思えるんですけど」



次の質問です。satoという場所に対する想いを聞かせてください。最初にsatoに来た時、八木さんに色々と案内して頂きましたよね? 沢だったり、祠だっだり、あの時僕すごく感動したんですね。八木さんがこの場所を大好きなんだなっていうのが伝わって来て。


「satoっていう名前自体が、うちの木工教室をやっているボランティアの方と決めたんですけど、静岡ですと、案外分譲の住宅を買われる方が多いんですよね。で、街中になりますと自然なんかないですしね。で、住宅ローンも当然始まっていくんですけど。ふるさとって言うものが今はあまりない感じがして、僕らの頃には田舎のおばあちゃんちに行くんだよ、とか、そういう事があったんですけど、今はそういう機会もなかなか減って来たということもありまして、ふるさとの「さと」を取って、ここを『sato』にしたんです。で、ここに来た時には、ちょっとおばあちゃんちに来てのんびり出来る感覚でいて貰えればいいなと。それと同時にここの環境がね、僕もすごく気に入ってるんで、案内出来る所はしたいなっていう風には思ってるんで」


色んな人がいらっしゃって、色んな人の中に色んなふるさとがあるじゃないですか? その原体験的なものがこのsatoであればって感じなんですかね?


「そうですね。おかげ様で去年来てくれた方も一年経ってお子さん連れで来てくれたりね。一年ずつ大きくなった子達がここで見れるっていうのはいいですね。まだ三年くらいしかやってませんけど、案外リピーターで来てくれますから、一緒に歳を取っていくのもいいなって思いますよね」


ああ、それは嬉しいですよね?


「手創り市さんとも何だかんだもう一年くらいのお付き合いになっていると思うんですけど、これが何年も何年も続いて行ければね、スタッフさんも年々、様子がちょっとずつ大人になっていってね(笑)僕もなんとかこの土地にお世話になって16年間やれて来れてますからね、やっぱりそこは忘れずにやっていければと思っているんですけどね」



最後に、satoで開催するくらしのこと市に対してどんな事を期待していますか?


「初めて手創り市さんと一緒に仕事をするんですけど、すごく楽しみにしているんです。もちろん、ちょっとしたトラブルもあると思うんですけど、そういうのも一緒に乗り越えて行けると思ってますんで、そういう壁にぶち当たりながらね、スタッフさんと面白おかしく、一緒に時間を過ごしていけたらいいなと思っています」


ありがとうございました。



これで「くらことルポ」第二話を終わりたいと思います。今回こうして、不定期の連載形式で、くらしのこと市を追わせて頂いていますが、その内側の変化や熱がひしひしと感じられる事に、僕自身、本当に贅沢な仕事をしているなと嬉しくなります。その熱や、変化がこのルポを通じて、作家さんやお客さん、このサイトを観てくださっている皆さんに等身大の感覚で伝わればと思う次第です。では、次の「くらことルポ」もお楽しみに!


うえおかゆうじ



※「くらしのこと市」へのお問い合わせは下記mailまで

 お気軽にどうぞ。


ARTS&CRAFT静岡

shizuoka@tezukuriichi.com








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