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11月25日

事務局に届いたアーティスト部門出展の遠藤庸子さんのドローイング。
彼女のインスタレーションもさることながら、イラストの才能にもドキドキさせられる。

12月の雑司ヶ谷の選考会を終え、静岡のあの人が鬼子母神初参加ということでびっくり。
静岡会場とはまた違った商品構成、そして何より出会いがあることを願っています。

来年の春にむけてぼちぼち動き出そうと思っていて、まずは忘年会の時に静岡に行きますから、その時にスタッフたちと色々話せたらなと思ってます。酒は吞んでも吞まれるなの精神で。 

三保の海でぼうっとしたり、宝物探しをしたいと思う今日この頃。
連休最終日、良い休日をお過ごし下さい。


※2013春季A&C静岡開催は4月13・14日。 
 お申し込みは1月4日消印から1月31日必着分までとなります。


名倉哲





11月22日

先日開催された雑司ヶ谷・手創り市の様子。11月は鬼子母神会場のみだったからか会場内は人でごったがえしておりました。ご来場有り難う御座います。

この日は10月のA&C静岡・ARTISTS部門で出展していた勝山八千代さんが鬼子母神会場企画の「DRAWING SHOW:CITY」として静岡より出展していました。


彼女の「CITY」はとてもシンプルなコンセプト。(詳細は「こちら」まで)
シンプルがベストかどうかはわかりませんが、シンプル故のコンセプトの強さってあるはずで、CITYにはそれがあるよな気がします・・・とずっと思っていた。
そんな私もようやくCITYに参加し、似顔絵を描いてもらいました。
似顔絵自体そもそも初体験(たぶん)ですが、じっとしていなくてもいい、というのが私の気分にあい気が楽。描いてもらう時も一応「じっとしてなくて大丈夫?」と聞くと「ああ、大丈夫ですよ〜」と返してくれたので遠慮なくじっとせず、珈琲飲みながら描いてもらった。

雑司ヶ谷の手創り市は毎月第3日曜日に開催していて、(たまに第3日曜じゃない時もある)ARTS&CRAFT静岡は春と秋の年2回の開催。
重ねる数に違いはあれど、これからも静岡と東京の相互の出展や、こちらから声をかけたりする企画などもやってゆけたら楽しいだろうな、と思う。
静岡の人を東京で紹介したり、東京の人を静岡で紹介したり、いろんな人が交差する場所でありたいし、大切なことじゃないかと。

明日は休みなので2013年ARTS&CRAFT静岡のフライヤーを考えます。
さて、どんなものにしようか。

名倉哲







「くらしのこと市を振り返って」

スタッフの米澤です。

くらしのこと市が無事に閉幕しました。

開催日を振り返りながら、これまでの準備期間についても記します。



11月11日・くらしのこと市開催日


朝6時半。

作家さんが無事にここまで到着できること、雨が降らないことを祈りながら会場の足久保・SATOへ。

10月のARTS&CRAFT静岡のときよりもずいぶんと冷えている。

11月ということもあるけれど、会場が山の中だから。でも、空気が気持ちいい。

スタッフ腕章とトランシーバーを付けて、スタッフと挨拶。各自、役割場所へ移動。


7時から作家さんの搬入が始まる。

ARTS&CRAFT静岡では、会場の入り口で車の対応をしているので、作家さんの搬入を見ることは今回が初めてだった。

一人の作家さんが、テントを立てるのを手伝ってほしいと近くの作家さんに声を掛けていたので、私もお手伝いをした。そのあとに、手伝ってくれた作家さんの分のテントも一緒に立てた。

作家さんは、いつもこうして助け合ってテントを立てているんだ。

ARTS&CRAFT静岡では搬入の自分の役割を終えて、会場に入る頃にはブースが出来上がっているから、作家さんがテントをどうやって立てているかなんて考えもしなかった。

什器を組み立てるところも興味深かった。

とある木工作家さんは、ネジなどを使わずに、とんかちで部品と部品を組み合わせるだけで什器のテーブルを作ってしまった。

持ち運びや組み立てが簡単にできるように工夫を凝らしている。



初めての足久保でのイベント開催。

ARTS&CRAFT静岡のように、たまたま近くを通りかかって来場してくれた、というようなことがないだろうと思われる場所。ここまでわざわざ来てくれるだろうか、という気持ちは無くもない。しかも、天気予報は1週間前から雨マークが。

雨天開催をするのだから、前日までフライヤー設置店へ出向き宣伝のお願いをし、ブログもtwitterも情報を流し、やれるだけのことはやった。

9時過ぎにもなると、トランシーバーから来場者の車の誘導の知らせが次々と届く。市の開始は10時からなのに。とりあえず安心した。

10時になると、来場した子どもたちがツリーハウスで遊び始め、大人たちは作家さんとお話をしたり、珈琲を飲んだりとゆっくりとした時間が流れた。

その光景は自分が半年間思い描いていた風景だった。



10時半から開店のくらしのことカフェは開店5分前になるとカフェスタッフが少し緊張をした顔で整列して、そのときを待っていた。

初めてのお客さんは年配のご夫婦。当初から企画に関わり、カフェの担当をしてきたスタッフの川手さんは、カレーがお客さんに運ばれたときの表情をじっと見ていたという。

自分の身内がカレーを食べているところを見かけた。次にカフェの前を通ったとき、食べ終わっていて、しゃべっているようだった。その次に見かけたときもまだしゃべっていた。私は、他のお客さんが席が空くのを待っているかもしれないと思い、居座っていることを申し訳ないと感じていた。

だけど、これがカフェなのだ。

居心地が良ければずっと店に居ること、それは自分が日常にしていることと同じ。

ここが、本当にカフェになったのだと思った。

カフェで働いた経験のないスタッフも参加しているのは事実で、それがカフェとして成り立っている。

カフェで提供したカレーの野菜は農家の人と相談をして決め、お米は地元のものを使い、スパイスを自分たちで調合した。うつわとスプーンは作家さんに要望を伝えて製作して頂いた。その全てを私は知っている訳ではないけれど、きっとここまでくるまでには、貫いたことも、諦めたこともたくさんあって、ひとつ、ひとつを理想と現実の間に揺れながら選択してきたのだと思う。仲間の思い描いてきたことが形になったことに立ち会えたことがとても嬉しかった。



13時からはトークショー。

今回、出演をお願いしたmuniの神尾さんとyutaの須原さんには、事前に質問事項を提示してあるだけで、台本は渡していない。

だから、司会を任された私が舵を握る、はず、なのだが…。

1週間前のシミュレーションのときにトークショーの会場を作った。スタッフを出演する作家さんとお客さんに見立て、本番用のマイクを使って練習するはずだったが、竦んでしまった。

声が出ない。客席にいるのは、スタッフなのに緊張。台本の内容が全てとんだ。最初の挨拶もままならない。

そんな様子に、見ていたスタッフは、練習が終わったあと、誰も私に声を掛けなかった。というか、掛ける言葉がなかったのだと思う。

一緒に出演する名倉さんだけは「案外、余裕だね」と言った。

それは、自分のことを言っているのか、私を励ましているのかわからないけれど、それを聞いたらやるしかないと思った。

名倉さんが私に任せてよかったと思ってもらいたいし、なにより、出演する作家さんと笑顔で終わりたい。

それから、本番前日までの1週間は練習しながら、司会者になりきることを徹底して、なんとか人前に出られるようになった。

それにしても、出演をした神尾さんと須原さんは質問の答えはもちろん、アドリブもきくし、話しも振ってくださって、とても初めてとは思えなかった。

トークショーは、話が止まってしまうようなアクシデントはなく、おふたりに助けてもらいながらなんとか終わった。

司会者として、もっと話を広げることも、拾うことも出来たと思うけど、素人のトークショーとしては上出来だった。

トークショー終了後、4人笑顔で記念撮影をした。


14時近くについに雨が降ってきた。

もう少し持ちこたえてほしかったと思うが、こればかりは仕方のないことだった。

新たな休憩スペースを作るためにテーブルとイスを急いで屋根の下へ運ぶ。

お客さんは、カフェへ入る人、傘をさす人それぞれだが、朝から遊びに来ていた人がちょうど帰る時間帯と重なったようだった。

しかし、雨が降っていても来場する車はまだある。

くらことを楽しみにしている人がいる。

雨の予報でも来てくれる人がいる。

ひとり、ひとりに「ありがとう」を伝えたかった。


16時、市が終了した。

その頃には雨はますます強くなっていた。

作家さんの搬出を手伝う。

一緒に荷物を運び、テントを畳む。

雨が降ってきて申し訳ない気持ちを払拭したくて、作家さんに声を掛けてまわった。

ひとり、またひとりと、搬出を終えて作家さんが帰っていく。

会場がもとの姿に戻っていくのを見たら急に寂しくなって、思わず「また、静岡に来てください」と作家さんに声を掛けて、手を振った。

作家さんも手を振り返してくれた。


私は、くらしのこと市は企画段階から出展作家の選出、フライヤーやサイト製作など、ARTS&CRAFT静岡では関わったことのない、まさに0から1を積み上げるところから携わりました。

今回のくらしのこと市は、カフェで実際にうつわやスプーンを使うこと、トークショーで作家さんの声を聴くことで、作り手と使い手の距離を縮めることができたらというコンセプトでした。

ARTS&CRAFT静岡よりも規模が小さいイベントだということもあると思いますが、スタッフの私自身が準備期間から開催までを通して、作家さんとの距離が縮まったように感じました。

開催を終え、もっともっと、作り手と使い手が繋がるようにするにはどうすればいいのかを考えると、楽しくて、わくわくします。これからもスタッフとして、作り手と使い手が繋がる方法を考え、実行していきたいと思います。


準備期間から振り返って、特に印象深いことは、作家さんへ出展をお願いするメールを送ったときのことです。

初めて作家さんに連絡をしたときは、とても緊張しました。お名前を間違えないように、文章に失礼の無いように、アドレスを間違えないよう、くらことの企画を作家さんは面白いと思ってくれるだろうか、と確認と不安ばかりで送信ボタンをなかなか押せませんでした。そして、出展を決めてくださったこと、会場でお会い出来たことが、ひとつ、ひとつ、とても嬉しかったです。


「これが出来たらきっと力になるよ」と名倉さんに言われて、自分でもくらことを通して、初めてのことを乗り越えたわたしのことを見たくて、くらことのスタッフになることを決めました。サイト内では「くらしにエッセイ」を連載し、トークショーの司会という大役を任され、とてもいい経験となりました。

くらことの司会やエッセイを任された日のことを日記に書いてありました。

「自分にできるのか不安がある。でも、これを乗り越えた自分を考えるとわくわくする。精一杯がんばりたい。」

今の自分は、あの頃と比べてどうだろう。自分自身がどう変わったか、はっきりわかりません。

もしかしたらそれは、次へいく過程でわかることなのかもしれません。

ここから先へ。


出展者のみなさま、ご来場者のみなさま、木藝舎・SATOのみなさま、くらしのこと市に関わった全ての方へ、ありがとうございました。


米澤あす香

shizuoka@tezukuriichi.com






2012秋季ARTS&CRAFT静岡ルポ:後編


A&C静岡手創り市ルポ・2012年10月14日開催


「夜間警備は特になにごともなかったよ。あ、でもひとつだけ、夜中物音がして「来た!」って思ってかけつけたら酔っ払いが一人自転車で倒れていたね、その人一生懸命謝ってたよ(笑)」

と、今回夜間警備を初経験した名倉くんが云う。


A&C静岡スタッフの警備により無事会場は平穏な朝を迎えた。


開催二日目の朝、受付前に集合したスタッフ一人一人に名倉くんから手紙が手渡された。どうやらこの手紙は毎回恒例らしい。メールではなく手紙。そこに込められた気持ちに、名倉くんのスタッフに対する感謝の想いや心遣いを見た気がした。


朝、まだ開場する前の境内を僕は回った。

昨日の朝「絶対に雨が降らないと信じて」テントを建てず、什器を縦長に配置した作家さんのブースが、今朝は横長に展開されていたのが目に付いた。その作家さんは、草木で染めた手紡ぎの糸を材料に、布を織り、バックなどをつくる作家さん248さんだ。こうして、一日目の反応を見て、二日目にブースの体型を変えてくる、その積極的な姿勢が僕は良いなと思った。


あたりを注意深く見渡すと、やはり数組、昨日とは違うブースの配置をつくり上げている作家さんがいる。

これが二日間開催されるARTS&CRAFT静岡手創り市の有機的な部分なのだろう。


九時が過ぎた。人がだんだんと境内に増え始めた。



僕はまず最初に、今回北海道の小樽から出展してくださっている戸塚佳奈さんという陶器の作家さんにお話しを伺いました。



静岡は結構遠いですよね?


「距離はあまり考慮に入れてないですね。どうしても無理な距離以外は」


ARTS&CRAFT静岡に出展をしようとした決め手は何だったのですか?


「過去の出展者さんの作品とか、過去のブログの写真等を見て、ああ良い雰囲気だなと思って」


会場を見て回られましたか?


「普段陶器市に出る事が多いので、革とか他のジャンルの物が見れるのはすごく刺激にもなるし、北海道の中だけでなく、色々な人の作品が見れるので。皆さんクオリティが高いなって」


他の作家さんとはどんな話しをされましたか?


「北海道から来ましたっ言って、引かれるみたいな(笑)」


どういうルートで来たのですか? フェリーで?


「フェリーで名古屋に来て、そこから車ですね、40時間(笑)」


40時間!大変ですね?


「でも北海道で同じ陶芸やってる子たちも、あちこち関西の方に行ったりとかしてます。函館の子とかは、青森までフェリーいって、その後ずっーと車で走ってくみたいな(笑)そんな事をみんなやってます」


すごいですね。そこまで駆り立てる要素って何なんですかね?

つくる喜びや動機とかでもいいんですけど?


「こういう事言っていいのかどうかわからないですけど、売れなきゃつくれないじゃないですか? で、最初は自分の住んでるエリアだけでやるんですけど、それだけではダメだってなって行くしかないぞ!って。でもみんなすごい大変だね?って言うんですけど、そういう事でもないと旅行とか出来ないので、船とか乗ってる間に、それ迄睡眠不足だから、30時間位寝てたし、まだ割と楽しんでいるので、そこら辺は全然苦ではないです」


普段、陶芸一本で暮らしてるんですよね? いつ頃からですか?


「活動し始めたのは、一昨年。去年からバイトを辞めて、一本でやろうとしています」


一本でやろうと踏み込んだ時ってどういう感じだったんですかね?


「バイトしながらだとつくる時間をちゃんと確保出来なかったり、つくる事を優先させる事が出来なかったりするんですよね。いくらアルバイトって言っても。そっちはそっちでちゃんと責任はあるので。やっぱりもっとつくりたいとか活動したいとかなって、バイトは辞めたんですけど、またちょっと経済的に危うくなってきたら、バイトを始めるかもしれないというものありつつって感じですね。充分稼げるようになってからバイトを辞めたとかではないですね」


つくる事を生業にするのに大切にしている事はありますか?


「基本はつくるのが好きだからっていうのがありますけど、やっぱりやりたくない時もありますよね?」


やりたくない時の話しを聞かせてください(笑)


「自分の思った通りに出来ない時とか、まだ技術が全然ないので。出来ない時はやりたくない時ですね」


でもやるんですよね?


「そこは何でか?って事ですよね?やるしかないっていうか。逆に辞めようと思っても、他にやる事がないっていうか?じゃ辞めて明日から何やろうって困りますね」


戸塚さんに残された物が陶芸って事なんですかね?


「そうだと思います」


作品について聞きますね。これは釉薬に銅が混ざっている?


「混ざってます」


だから金属的な感じが出るのですね。あと、形が正確っていう言い方とも違うんですけど、シンプルかつスマートにまとまっているのだけど、どこか有機的というか。ちゃんと温かみがあるなって思って。


「私もそういう風にしたいなと思って、あんまりすごいものはつくれない、わからないというか、普通のまっすぐのものでも、皆さん個性があるし、自分もそういう風に。普通なんだけど、「ちょっと」って所がある。難しいですね、言葉にするのは」


いえいえ。伝わっています。では最後にARTS&CRAFT静岡に対する気づいた事などあれば?


「やっぱり、もうちょっとお客さん入らないかなというのはあります。まだ五回目だし、これからだとは思うのですけど。一日目の午前中にわーっとお客さんが来る様な感じはそれ程ないし、ゆったりはしてていいなとは思うんですけど。やっぱりね、みんな生業を立てている訳だから、もうちょっとていうのはありますけど、でも人数に対して購入の度合いは高いですよね」



次にお話しを伺ったのは、御夫婦で来場されたお客さんです。


「静岡在住です。もともと陶器市に行っていて、検索していたら手創り市がひっかかったのがきっかけ。器を見るのはもともと好き」



次にお話しを伺ったのはliir(リール)さんというガラスの作家さんです。liirさんは前回の春に初出展し、今回二回目となります。



出てみての感触はどうでしたか?


「環境が良くて、お客さんも結構落ち着いた方が多いというか、ゆっくり見ていってくれますよね。話すと長く聞いて頂けたり。興味を持ってじっくり話しを聞いてくれますね」


お客さんとの対話において大切にしている事はありますか?


「興味がある方にこういう技法ですと。やっぱりあんまり知らない事だと思うので。そういう事はお話ししますし、使ってるガラスの自体も色々種類があって、僕もそれが面白くてやっているので、お話しするのはそういう事が多くって。ただあんまり熱い想いをぶつけるってのはしないですね。自分自身が見てても、なんかわからないけど好きだなっていうのが、まず大事だと思うので。こうですよ!っていうよりは感覚的に気に入って貰って、そこから更に気に入って貰える様な説明が出来たらいいですし」


色々な種類のガラスを使っているという事ですが?


「主に使っているのが緑っぽいもので、これが蛍光管をリサイクルしたガラスなんですね。泡が入ったりするのは技法的な特徴なんですけど、ちょっとラメラメしてる感じはこの蛍光管の特徴で。なんでこれを使い始めたかというと、吹きガラスとか、ガラス作家さんって、同じガラス素材を使ってる人が多いんですね。日本にガラスの原料屋さんっていうのが一社しかなくて」


そうなんですか?!


「有名な所が一社あるんですけど、みんなそこのガラスを溶かして使ってたりしてて、僕が前に京都にいたときには、粉から原料をつくってたんですね。珪砂(けいしゃ)っていうのが主な素材で、それを溶かしやすくする為にソーダ灰とか、違う素材を自分達でかき混ぜて溶かして、自分達のオリジナルのガラスっていうのをつくってたんですね。そういう風にやっていたので、なんとなくみんなと同じガラスは使いたくはないなっていう気持ちがあって。でも現状僕は溶解炉っていうガラスを溶かす窯はないので自分で混ぜてつくれはしないんですけど。その中で金沢の方にあるガラス工房・リサイクル業者があって、蛍光管をリサイクルしてる会社のガラス工房を持っていて、そこで仕入れてるんですけど。学生時代の時に僕そこに何回か就職活動に行った事があって。リサイクルガラスに興味があったんですね。どうせやるならリサイクル。で、そこに何回か東京から通ったりしてて。でも、会社自体も、大学卒業して来て貰っても責任は取れない、みたいな感じだったんですね。で、その何年後かに、材料として販売を始めて、やっと来たな!って感じになって、あの時のだ!って思って使い始めたんですけど、使い始めると特有の表情もあったので、しばらくはこのガラスを使ってみようかなって使い始めてます」


他の種類のガラスは?


「このガラスをメインに電気の窯の方はこのガラスを使っていて、透明の方はバーナーの炎でないと溶けないガラスなんですね。でも透明感があるし、質が高いガラスで、ホント対比させるのが面白いなって使い始めてます」


そっちのガラスはどこで仕入れているんですか?


「アメリカのメーカーのパイレックスとかあるじゃないですか?耐熱ガラスのメーカー。アメリカはガラスをやってる所が多いので、そちらから仕入れていますね」


作品のコンセプトを教えてください。


「素材そのものに魅力を感じているっていうのがあるので、形とかはシンプルというか、単純なもの。色とかも使いませんし、単純の中に表情が一個一個あるような、やり方によって違う物にも見える様な、今はそこがすごくそこが面白いと思ってつくってます」


今回のARTS&CRAFT静岡で会場を回られて気付いた事は?


「前回はエリア6が気になっていて、もうちょっと楽しく出来そうだなって思っていて。今回はARTISTS部門が出来たり、フードブースのみが並んでいたりとか、すごくわかりやすくなってよかったなと思ってます。個人的にはARTISTS部門の作家さんがより増えたらいいなと。あれ自体が、DMをつくる様な大掛かりなものであってもいいと思います」


次の質問です。liirさんはガラス一本で食べていってるんですか?


「食べていってないです。家業を手伝ってます。ユニフォーム屋さんなんですけど、作業服とか、介護系とか、ユニフォーム全般の卸をしていて、そこでコンピューターミシンでネームや刺繍を入れたりしています」


これ書いてもいいんですか?


「どうなんですかね?他の作家さんに申し訳ない気持ちもあって。僕としてはガラスをやってく為に必要な仕事、材料買うにもお金がいるんで、今の段階ではそれも込みでガラスをやってるって言っているんですけど、まぁ、一本でやってる方に関してはまぁ、言う事でもないので、あんまり言わない様にしているんですけど。でも色々ですよね? 感じ方は。それでもやっていけって言ってくれる方もいますし」


僕もそう思いますけど。今の言葉にリールさんのリアルを感じたので、ぜひ載せたいのですが、いいですか?


「はい」


最後の質問です。物をつくる事の喜びや動機はどこから来ますか?


「最初は自分が見てみたくてつくっていて。これをどうしたらどんなのが出来るのだろうとか? こんなのあったらいいなから始まって。それを見て貰うとまた考え方も変わって来る。もっとこうしたら喜んでくれるな、とか。最初は単純に、自分が欲しいとか誰かにあげたいとか、そんな動機です」



次にお話しを伺ったのは、年配の女性二人のお客さんだ。


「手創り市自体は初めて来ましたが、他の手づくり市にはちょくちょく行っています。個性的な物があるのが嬉しいから。私は年配なんですけど、皆さんがつくってる物から色々と刺激されますね」


「意外と若い作家さんが多かったから、色々新しい発見がありましたね」


例えばどんな発見がありましたか?


「若い人のアイディアに感銘を受けました」


「場所がすごく良かったですね。自然がいっぱいの所が雰囲気は出ますよね?

あと交通の便は静岡鉄道やJR線もあるし」



次にお話しを伺ったのは、ARTS&CRAFT静岡手創り市のスタッフ、小林万記さんだ。

万記さんは今回で四回スタッフを務めている事になります。


今回フードエリアが充実していますが?どうしてああいう配置になったのですか?


「もともとフードエリアのあった所が、前回迄は、手前はフードでない作家さんだったのですけど、いつもそこに人が流れないという課題がみんなの中にあり、どうしたらそこに人が沸く様になるかっていうので、あそこ一帯をフードアリアにしました。もともとフードエリアには集客があるので、値段的にも買いやすい値段じゃないですか?その様な理由で新しいフードエリアが出来上がりました」


実際やってみてどうでしたか?


「すごく良かったです。今日のお昼には、お尻とお尻がぶつかり合うくらい混んでいたので、多分出してくれているお店の方々も、それは感じて頂けたかなと思っています」


前回のARTS&CRAFT静岡との変化について感じている事があれば?


「今年っていうのもあるんですけど、例年より気温が高い。だから、お客さんものんびり楽しんでくれてる感じがしました。寒いとどうしてもずっと外にはいられない、早く帰ろうってなるじゃないですか? その分、みんなの滞在時間も長かった様に感じます。だから人が沸いてる感じがするのかなっていうのもあった。単純に人が多いというのもあるんですけど、みんながゆっくり回るから人が多く見えるというのもあるのかな? って」


鋭い分析ですね。休憩時間で会場を回った時にはどんな事を感じましたか?


「今回は直前キャンセルが殆どなかった。毎回3、4件くらい、急にキャンセルだったりとか、あったんですけど、今回はそれがなかったので空いてるブースも少ないし、全体に賑わいがあった。私の好きなみんなの笑顔が見れた感じですかね?(笑)」


言いましたね!(笑)でも、僕もそれは思ってました。みんな笑顔で歩いているなって。


「買う買わないにしても、お客さんも作家さんも人が多いとわくわくするじゃないですか? それが伝わって来て、休憩中は私もわくわくしてました。あと、朝名倉さんにスタッフ全員が手紙を貰ったのですけど、その中に、ARTS&CARFT静岡が停滞しているとあって。でも私は、全体を見たらそうなのかなと思うんですけど、フードエリアに関しては賑わいを見せたので、私の中では一歩前進だと感じました。でも名倉さんにとっては停滞らしい。要改善ですかね?」


二日間やってきて、改善点があれば?今の段階で考えている事。


「フードだけだと、ブースの間隔だったりとか改善点はあるんですけど、出してくれてる場所の配置だったりとか、次回から気にしながらやっていけたらと思うんですけど。でも作家さんのブース数はこの位がベストなのかな?と思いました」


他に気付いた事があれば?


「あと、大分駐車場がないっていう事が浸透しているって事が、護国神社の正面入口に立つとわかるんですよ。電車で来る人も増えたので。それがもっと浸透してくれたらいいなと思うのと、あと松本クラフトって他県からもバスを使ったりとか新幹線を使ったりとか集まって来たりするじゃないですか?「松本行った?」じゃないですけど、「静岡行った?」みないな。「今年も何月何日にあるらしいよ」とか、宣伝しなくてもみんながホームページを見て、来てくれる様な感じになったり、それ位認知度が高まっていったら嬉しいな」


認知度を高める為には何が出来るんでしょうね?例えば今回葉書サイズのフライヤーをつくったじゃないですか?


「あれを作家さん達に配ったから、作家さん自身もお客さんに配ったり、個展に置いたりして、それを見て来てくださってる方がいて、今回は賑わってるのもあるとは言ってたんですけどね。認知度を高める?どうしたらいいんですかね?」


回数を重ねながらのアクションって事ですかね?これは宿題って事で。では万記さんがスタッフをやってるやりがいとか動機ってどこにありますかね?


「私は自分もつくったり、接客業をやってりしてるじゃないですか?人と触れ合ったりするのが好きなのと、あと、人の笑顔を見るのが好きなので。朝、搬入って早くて、スタッフ的には肉体労働だと思うんですけど、朝全部車の搬入が終って、テントが立って、お客さんがどんどん来た時が嬉しくってやってます」


恰好いいですね!


「それもありつつ、自分が手づくりの物が好きっていうのをありますよね」


手づくりの物が好きな理由って何ですか?そして手づくりの物と手づくりじゃない物の違いをどんな風に感じていますか?


「なんだろう???」


作家さんが見えるっていうのもありますか?


「あります!話したりして、この方がつくってくれたりしたんだって思いながら、家であの時買ったやつだなとか、思い出す感じ。スーパーで百円で食器も買えるけど、先が見えないというか。普通にお皿としてご飯は食べれるけれど、あたたかみが違うというか?」


物語がない?


「そうそう。これは何回目のARTS&CRAFT静岡で買った器だなとか、やっぱり頭が覚えてるんですよ。そういうのが違うんじゃないですかね?」



次にお話しを伺ったのは、ARTISTS部門に今回「CITY」という企画で出展しているYACHIYO KATSUYAMAさんだ。



「企画の名前は「CITY」。似顔絵を描いて、それをインターネットのサイト、「CITY」に載せてます。顔がどんどんどんどんアップされていって街が出来ていくようなイメージで「CITY」というサイトに名付けたんですけど」


それはどういう風な画面なんですかね?


「Tumblr(タンブラー)というサイトの中の専用のフォーマット。テンプレートをそのまま使ってるんですけど、ただ顔がばーっと出てきます。名前と顔だけ。白黒でつくるのと、色は使わない」


「CITY」をいつ、どうやって思い付いたのですか?


「Twitter」とか「Facebook」のアイコンを自分用につくろうと思いまして、そのアイコンを顔写真にしたかったんですけど、恥ずかしくて似顔絵にしたんですよ。マーガテット・キルガレンというアーティストがいるんですけど、彼女の絵を真似してアイコンをつくろうと思ったのがきっかけで、それをつくった時に、周りの友達に私のも書いてと言われて書いてたんですよ。で、五月に展示をした時に、一回千円でやってみようと。やってみたら、色々な人がやらせてくれたもんで、それで今こういう形になってるんですね」


今「CITY」には何人いるんですか?


「150人前後ですね」


似顔絵を書く時にどういうポイントを大切にしていますか?


「細かい所で女の人だったら女の人らしさとか、出すんですよ。首の形とか、唇の形とか、鼻の形とかで、子供と大人とかを分けたりしてますね。あんまり似てないんですけどね」


スタッフの米澤さんのアイコンを見たのですけど、似てましたよ。


「ホントですか?いつか「似てないよ」と怒鳴られるんじゃないかと思ってます(笑)」


絵を描き始めたのはいつ頃からなんですか?


「小さい頃からずっと好きだったんですけど、特に学校とかにも行ってないので、いつからっていうのもないんですけど、ショップカードとか展示をやり始めたのは三年前位ですね」


そのきっかけっていうのは?


「リベラル食堂さんのショップカードをつくらせて貰って、店長さんが顔の広い人だから、色々とつながっていって、展示をやらしてくれる人とか周りに出てきて、それで描いてる感じです」


個人的に気になるのは、作品が黒と白、特に黒を基調としているじゃないですか?そこにこだわる理由を教えてください。


「一番目は、漫画が好きなんですね。なので白黒が良くって。あとあんまり色のセンスがないっていうのがありますね。お金がなくて絵具が変えないってのもあって(笑)。好きな絵とかも白黒の線画が多いんですよ。だから白黒でいいや、特に色とかこだわる必要ないやって」


勝山さんが絵を描く動機や喜びはどこにありますか?


「楽しいんですよね、絵を描くのが。一度も辛くなった事がなくて。絵を描くのが好きなんですよね。敢えて絵の道に行こうって突き進んでこういう形になっている訳じゃないんですよ。ただ楽しければいいってやってるので、で、周りの人も助けてくれてる。それが一番素晴らしいなと、ずっとこの状態でやっていけたら思います。もちろんもう少し有名になりたいとか欲もあるんですけど、そもそもの動機が絵描きとして成功したいとかじゃないので」


絵を好きに描いていたい?


「そうなんですよね。好きに描いてたいし、描いてる。でもこうやって、いいねって言って、呼んでくれたりとか、色々な人が観てくれたりするのが嬉しい事なのでやっぱりそれが楽しくてやってるんだと思います」



次にお話しを伺ったのは御夫婦で来場してくださったお客さんだ。



ARTS&CRAFT静岡はどこで知りましたか?


「静岡の地元の情報誌で見ました。その静岡市の欄に」


何かARTS&CRAFT静岡を回っていて気になる点はありましたか?


「もの食べたんですけど、ゴミはどこに捨てればいいんですかね?買ったお店に戻せば良かったのでしょうけど」



次にお話しを伺ったのは、edge(エッジ)さんという革の作家さんだ。



edgeさんの屋号の由来を教えてください。


「革の端まで無駄なく使う。最初は革の端の味を活かした物をよくつくっていたので」


今回、ARTS&CRAFT静岡に出たきっかけは?


「前々からクラフト市には出たかったのですけど、人前に出るのが苦手で、出ていなかった。今までネット販売だとか、お店屋さんに置いて貰う事が多かったのですけど、やっぱりつくり手の思いとか、お客さんがどんな物を手にして感じて貰えるかっていうのを知りたくて、クラフト市を探し始め、ARTS&CRAFT静岡を知りました。今は大阪の方に住んでいるので、関西の方も考えたのですけど、丁度募集が終わっていて。で、ARTS&CRAFT静岡を見つけて、元々静岡に住んでいた事もあって実家から近かったので、ここだったらいいなと思って応募しました」


では、護国神社には来た事があったのですか?


「あります」


では、出てみての感触はいかがでしたか?懐かしさとかもありつつ?


「そうですね。静岡離れて15年になるので、懐かしい気持ちと、今まで静岡の方に自分の作品を見て貰った事がないので、すごく嬉しい気持ちと両方です」


お客さんの感触は?


「今までは女性の方に良いって言って貰える事が多かったのですけど、今回は男性の方も気に入ってくれる方が多くてすごく嬉しかったです。それを機会に男性の方向けの物ももっとつくろうと思うきっかけを頂きました」


作品のコンセプトを聞かせてください。


「バック等に関しては自分で使いたいと思う物ですね。例えばスリッパも中のスポンジから特殊な物を使ってますし。小物に関しては楽しんで貰いたいという気持ちでつくってます。うちの子供がカメラが大好きで、旦那のカメラを持っていってしまうくらいで。そんな子供を喜ばせたくて、カメラの小物はつくりました」


そういった感覚が物をつくる喜びや動機ですかね?


「そうだと思います」



次にお話しを伺ったのは新人スタッフの上門さんだ。


開催前はどんな心境でしたか?


「不安はありました。一回9月にシミュレーションをやった後に、担当エリアが変わったので、紙ベースでシミュレーションをしていたのですけど、考えてても、これどうなってるんだっけ?ってわからなくて、同じエリアのペアの白鳥さんに何度もメール送りました」


実際本番が始まって、搬入はいかがでしたか?


「結構バタバタしてしまっていて、一緒にペアを組んでいた白鳥さんにはご迷惑を掛ける部分もあったと思うのですが、そうしながらも作家さんにはなるべく笑顔で接しようとか、言葉を掛けようと心掛けながらやっていると、作家さんの方も笑顔で返してくれて、そして段々テントが立っていく時っていうのは、やっぱりすごいなと思って」


感動しました?


「感動しました」


いいですね(笑)実際、見回りや休憩で会場を見て回った時の感想をお願いします。


「感慨深いなというのと、私はお客さんとして何回かARTS&CRAFT静岡に来ているのですけど、作家さんとしゃべるのってどうやったらいいのだろう?って。人見知りがすごいので。それがスタッフになっても同じ人見知りで、やっぱりダメだって思ったのがびっくりしました(笑)」


スタッフになったらしゃべれるんじゃないかと思ってたんですね?(笑)


「準備の段階だったらまだ声掛けやすいんですけど、お店が始まって来ると、ああやっぱり緊張してしゃべれないというのが一日目だったんですけど、二日目は買いながら、しゃべりながら、なるべくコミュニケーションを取ろうと思って頑張りました」


誰とどんな話しをしましたか?


「フードエリアのお店でクッキーを買った時に、その作家さんのお店が沼津にあると聞いたので、私長泉の人間なので、また店にも行きますって話したりとか。あと自分で物をつくるなら、活版印刷が好きでやりたいと思っていたので、講座に行ったりもしていたんですけど、今回活版をやってる作家さんがいたので、どういうところでやり始めたのですか?なんではじめたのですか?とか聞いたりしました」


活版印刷に惹かれてる理由はなんなんですか?


「普通の印刷だと味がないなっていうか。大量に印刷しても差はないというか。活版印刷は文字をプレスした所が若干ぽこってなってる所がかわいいなと思って。それで好きなんですけど。色んなデザインもあるし、フォントの組み合わせで面白い物のあるなと思って、好きです」


今回スタッフをやるにあたって気を使った事はなんですか?


「その後の事を考えるというか、駐車場の所でもなんですけど、自分が自分の役割だけしなきゃいけないと考えてると、後々の本質というか、本当に困る所が見えないってのがあって、自分がここでアナウンスをする情報自体を取捨選択して、次の人、そのまた次の人にわかりやすくしなきゃいけないなと思ったのですけど、思ってるだけで自分は出来なかったんですよ。それで、あの時こうしておけば良かったと思いながら、やっと一巡したんです。だから今思った事を忘れない様にしなきゃいけないんですけど、きちんと記憶して次回につなげます」


もっとARTS&CRAFT静岡を良くする為に起こしたいアクションや提案したい事はありますか?


「近くに住んでるお客さんが、「こんなの知らなかったよ。チラシでも入れてくれたらいいのに」って言ってたので。告知の方法は今まではお店にフライヤーを置いて貰うっていうのか、あとは口コミだったと思うんですけど、近くにいてもARTS&CRAFT静岡の存在を知らないという事もあるので、どうにかそれを告知する方法を考えれたらなと思いました」



次にお話しを伺ったのは、開催二日目、三時半を過ぎ閑散とし始めていたフードエリアに出展するChipakoya(チパコヤ)さんだ。



まず屋号の由来を教えてください。


「本名がチハルというんですど、主人がチパコって呼んでいて、それに屋をつけて(笑)」


こういった活動はいつ頃から?


「四年ですね。元々はブログでネット販売をしていて、そこから地元の小さなイベントにテーブルひとつから始めて、徐々にレベルアップしていった感じです」


始めはジャム等の瓶物ですか?


「そうです。ジャムから始めて段々増えていった感じですかね」


第一回目から出て頂いていますが、その時の感触は?


「クオリティが高くで圧倒されました。怖かったですね。凹みました(笑)」


二回、三回、と回を重ねてどうですか?ヒストリーじゃないですけど。


「まだ慣れないですね」


「クオリティが高いのと、回を追うごとに皆さんレベルアップしていくので、それに追いつくのが必死で、大変です結構」


ARTS&CRAFT静岡に要望などあげるなら?


「スタッフさんの名前が知りたいですね。名札かなんか付けて貰って。より親しむ為に。あとは、水をまいて貰ったりとか、二日目の朝に入れるようにして欲しいとか、かなり要望を聞いて貰ったので、満足しています」


Chipakoyaさんがお店を続ける喜びや動機はどこにありますか?


「皆さんが喜んでくれる事にあると思うんですけど、静岡ってお茶が有名なんですけど、それ以外にも色々な物があったりして、そういう物を知って貰えるのが嬉しいかなというのと。あと、私がつくる物はお家で自分たちが実際食べてる物をそのままお出ししてるんで、それを喜んで貰えるのも嬉しくて」


最後に。つくることを生業にしていく上で大切にしている事はなんですか?


「手をかけすぎない事かな。うちは素材をこだわってる所があって、素材その物が美味しい物を使っているので、例えばジャムとかだと売られる物だとだいたい加工品として味が悪かったりする物を使っていると思うんですけど、うちは日持ちしなくて生でそのまま食べても美味しい物を使う様にしていて、なるべく無農薬だったりこだわっている農家さんから譲って貰ってる物を使っているので、そこは最初から気を付けているというか、そこはもっとレベルアップしていきたいというか、もっと美味しい物、もっと安全な物をという感じでやってます」



次にお話しを伺ったのは、雑司ヶ谷・手創り市で活躍している「手創り市写真部」の三人です。


20121014-2.jpg


(左から  布田さん→布 坂田さん→坂 新津さん→新)


布:「来てみてびっくりしました」

坂:「広いですね」

新:「疲れます(笑)」

一同:爆笑

布:「ブースも大きいので商品も多い気がします」

坂:「雑司ヶ谷と違ってその場で調理しているブースがあって、それがなかなか面白いなと」


撮る写真も変わってきますよね?動きのある写真に。


坂:「つくってる所撮ったり。お客さんが並んで群がっているなって」


新津さんはどうでした?


新:「食品ブースが多くて、食べるのが好きなので面白かったです」

布:「その場であったかいのが食べれて新鮮だったと思います」


じゃ、セカンドステージ行きましょう。


布:「バック屋さんでその場でバックつくってる方とかもいて、結構実演している方が多かった。似顔絵描いてたり、その場ならではで楽しかったですね」

坂:「ARTISTS部門でその場で好きな花を虫ピンで刺してくださいっていうインスタレーションがあって面白かったです」


遠藤庸子さんですね。


布:「ホントはもっと晴れてて木漏れ日が当たってたらもっと綺麗だったねって言ってたんで、撮れなかったんですけど」


新津さんは何かありましたか?


布:「新津さん、ムビズムのビデオインスタレーションで袋被りましたよ(笑)。ただ撮れなかったです、ジャンプの瞬間は(笑)」


撮り逃したんですね〜(笑)それは痛いですね。


布・坂:「痛いです〜(笑)」


じゃ、サードステージに行くと?


坂:「三人でブースを分けたんです。広いから一人30ブース位ずつ撮る感じで」


では御一人ずつ、まず布田さんから。


布:「私は奥の方のエリア5と6をやったんですが、陶器が多かったですね。みんな色々な所から来ていたみたいで。あと革製品も多かったかなって。漆器とかもあって、結構いい写真が撮れたかなと思います」


坂:「エリア1.2を担当しました。出展して二回目になる作家さんとお話ししたのですけど、一回目に来た時他の作家さんが展示の仕方をすごくこだわっていたから、今回工夫をしたらしいんですよ。そうしたら売り上げがやっぱり上がったから、そういうのが実感出来たから、お客さんと対面してその場でわかるのがARTS&CRAFT静岡だなって言ってました。あと、ここでやってみて、反応を見て、どんどん外に出て行こうって気概でやっているとも言ってました。あと、初めましての作家さんもいるし、雑司ヶ谷で会っている作家さんもいて、世間話したりとか」


それだけ雑司ヶ谷の顔に写真部はなってるって事ですよね?


坂:「どうなんだろう?定期的に出られる方とは挨拶はするようになっているので」

布:「静岡まで来たんだーって言われましたね。スタッフさんと間違えられるんですけど」


印象に残ったシーンはありますか?


布:「さっきお店でマフラーを買った方がいて、そのマフラーを巻いてお店の方が写真撮影をしていたので、混ざらせて頂いて。その方はこの前の開催の時にブローチを買った友達と一緒に来ていて、そういう人のつながりがあるのだなって思いました。そのブローチも撮らせて貰って、友達同士でここの商品良いよって言い合いながら買いに来る形が出来ているのだなって思って、そういう宣伝効果っていうか、口コミがあったかいなと思いました。宣伝とかじゃなくて、友達のお薦めで買っていくっていうのが」


坂:「お客さんが、「前にもここで買ったんです」で始まる会話を何度も聞いてて、作家さんも嬉しそうだし、お客さんも嬉しそうっていうのを何回も見ました」


新津さんは?


新:「子供と遊んでました」

布:「新津さんが?(笑)」

新:「写真撮ってよって結構集まって来て、遊んだりそういう触れ合いが多いなっていう」

坂:「いつの間に?(笑)」


ARTS&CRAFT静岡に感じた改善点などあれば?


布:「フードブースは早く売り切れてましたね」


それは雑司ヶ谷も同じですよね?


布:「そうですね」

坂:「たくさん仕込んでるとは言っていたけど」

布:「なくなってましたね」

坂:「一日で回るには大きいから、二日間来てもいい様な規模だなとは思いました」

布:「そうですね。11時から動き出したんですけど、もう4時っていうのがありましたね」


何か言い足りない事があれば?


布「今日はすごい楽しかったです」

坂:「新津さんのジャンプを今度は撮りたい!」

布「ISO感度を思いっ切り高くしないとダメですよね?」

坂:「いや、タイミングかな?」

布:「では次は連射かな?」

坂:「新津さんが飛ぶって行為に入るとは思わなかったので、しまった!って構えるのが遅くなった(笑)」


ありがとうございました。



二日目の開催時間が終わり、日の落ちていく中、作家さん達が再び車を会場に乗り入れ、搬出作業に取り掛かる。僕は名倉くんの運転するバンに乗り込み、片付けを手伝っていたのですが、そこから見えるスタッフ達の作家さんに対する誘導姿、毎回、深くお辞儀をして作家さんを送り出すスタッフ達の姿が、昨日に続きやはり僕の胸を熱くしたのです。


完全に日が落ちた頃、作家さんの搬出は終わり、受付のあった鳥居前に二日間の開催を無事乗り切ったスタッフ達が集合しました。


辺りが暗いので高山さんが車のヘッドライトをみんなに向けて照らしっぱなしにする。その灯りの中でみんながめいめいに、笑顔で雑談を交わしています。

そして名倉くんからの挨拶があり、五回目の開催となるARTS&CRAFT静岡が終りました。


帰り道、名倉くんの車の助手席に乗ると、彼は、

「ホントにいいチームだよね」

と呟き、

「二日間を終える頃にはさ、みな本当に開放されていて、普段であれば幾つかで固まっている仲良しグループも、そんなの関係なく混ざり合ったりしていてさ、こういう瞬間って普段でもあまりないと思うんだ。人って好きなもん同士固まるじゃん?でも、やりきった開放感によって人と人との境界線がほんとになくなるんだ。その瞬間のみんなの表情を見てさ、かっこいいと思うし、こういう人達と一緒に仕事できて良かったな〜って思うよね」

と言ったのでした。


僕はその瞬間に、この場面をこのルポのラストにする事を決め、今に至るのです。


半年という時間をかけ、この二日に集約されるARTS&CRAFT静岡手創り市を乗り切ったスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてそのARTS&CRAFT静岡に出展してくださった作家さん、来場してくださったお客さん、このブログを見てくださっている皆さん、本当にありがとうございました。


これにて長い長いARTS&CRAFT静岡手創り市ルポを終ります。


うえおかゆうじ




※ルポへのご感想はmail下記までお気軽にどうぞ。


ARTS&CRAFT静岡

shizuoka@tezukuriichi.com





2012秋季ARTS&CRAFT静岡ルポ:前編


A&C静岡手創り市ルポ・2012年10月13日開催



これが搬入風景か!僕が到着した六時半の段階では車はもう会場の中に入っていました。

過去に二回、シミュレーションルポを担当させて頂いた経験から、搬入の大変さ、騒々しさを想像していた僕ですが、今回の搬入風景は至って穏やかなものに見えました。


6時半を回り、続々と作家さん達のテントが仕上がっていきます。作家さんの子供さんが、お手伝いをしているのか? アウトドア用の椅子を一生懸命広げ、しかしそれを倒す、という光景が目に入り微笑みを誘いました。


雑司ケ谷のルポを一年務めた僕には、ここ護国神社の朝の風景、時間の流れはとても緩やかなものに感じられました。実際、多くの作家さんが焦る訳でもなく、ゆっくりと、そして慎重に、それぞれの場所に什器を設置し、試行錯誤しながら作品を並べていくのが見て取れました。


そんな中、木工作家の只木芳明さんが僕にこう言いました。


「始まる前の朝はいい。始まっちゃうとテンヤワンヤだけど、

 始まる前は期待しかないから気持ち良い」


様々な作家さんが今、胸にどんな想いを秘めているのか?

それを想像するだけでも、僕のルポ熱も上がるのでした。


八時過ぎ、ブースがどんどん完成に近づいていきます。


焼物の作家さん、2020製陶所さんと朝の挨拶を交わすと、

「朝三時に出発したんですけど、朝方の由比のパーキングエリアでの景色が良かった。上の方が赤、下の方が青、グラデーションが綺麗で、下弦の月も出てた。富士山が右の方に見えていい気分でしたね。出足好調!」

と微笑みながら語ってもくれたのでした。


ARTS&CRAFT静岡の受付横には、木藝舎さんによる小屋も建てられており、その壁面では「PORTRAIT展」の展示もされていました。壁に掛けられた額縁の中には、今回出展する作家さんが、それぞれ愛用の道具や作品を手に写真に収められていました。みんなそれぞれに、生き生きとした表情をしているのが印象的でした。


そして開催時間の九時になり、お客さんもちらほら出始めてました。

ブースも9割方完成といった所です。


そんな中、まず最初にお話しを伺ったのは、漆の器も手掛ける木工の作家さん、ふじい製作所さんです。


2012.10_fujii.jpg


ARTS&CRAFT静岡に出展しようと思ったきっかけを教えてください。


「同じつくり手の仲間に、若い作家さん達が頑張っているクラフト展があると聞いて、出展しました。他の作家さんから刺激を受けれるかなと思って」


刺激は受けましたか?


「一人で来るので、なかなか見れてないのが現状ですね」


お客さんの感触はどうでした?


「そこでつながりが持てたので、繰り返し参加するべきというか、そういう意識にはなりました」


そこに意味がある?


「またお会い出来るって思いながら、参加しようと。やっぱり、つながりが大きいですね」


お客さんの話す時に心掛けてる事は?


「手で取って使う物なので、まず手に取って貰うって事から気を付けているっていうか。声も掛けてますけれど」


それはブースづくりにも反映されてますよね? 一個一個の作品の間隔がとても触りやすい位置にある様に感じるのですが?


「そう思って頂けたらありがたいです」


どうして木工の作家になろうと思ったのですが?


「私は木地を挽く作業をしてまして、私の妻が漆の仕事をしています。分業ですね。今は器用な方もいっぱいいて、木地をつくって漆を塗って仕上げるって方もいますけど。以前、飛騨高山で仕事をしていて、もとは家具をつくる仕事をしていて、どうしても端材が出るっていうので、それを有効利用しようと思って挽物を覚えようって事から始まったのですけど。木工の産地の高山でも木地挽きの挽師さんが4人しかいないっていうのが現状で、その技術を覚えて、少しでも自分がやる事で他の人の目に触れればいいかなっていう」


ARTS&CRAFT静岡の印象はいかがですか?


「空間がすごい凛とした感じ。そしてスタッフのみんなもテキパキと気持ちよく案内して貰ったりして良いです」


最後に物をつくる時の喜びや動機を教えてください。


「漆の魅力を同じ30代、40代の方に感じて貰いたいって想いでつくってるんで、どういったものが求められて使いやすいのか? 長く使えるのか? 長く使おうと思うと形一つでも大切なんで、その辺りを想像しながらつくってます。漆器っていうのは塗り直しがきいたり、長く使って頂ける器なので」



次にお話しを伺ったのは、陶器の作家さん、高木剛さんです。ふじい製作所さん同様、高木さんも、ARTS&CRAFT静岡に出たきっけは「出展者の方に若い人達が頑張っているクラフトフェアがあると聞いて」との事でした。


2012.10_takagi.jpg


ARTS&CRAFT静岡に出てみての感触は?


「お客さんがしっかり見てくれているのを感じますね」


出展二回目ならではの感じている部分は?


「森の雰囲気が好きなのでそれに馴染んだ展示が出来たらいいなと、一回目出た時にここのお客さんの感じとかもわかったのでそれに合わせつつ」


作品のコンセプトをお聞かせください。


「普段使いの器づくりを心掛けています。食器棚にあって、自然にそれを手に取るような」


料理が盛られた所も想像しながらつくっていますか?


「実際、自宅で料理を作品に盛って、試行錯誤しています」



ARTS&CRAFT静岡に望む事は?


「会場の雰囲気もいいですしこのまま続けて欲しい。搬入等もスタッフの方が誘導してくれていて、しやすかったし、良かったと思います。年に二回というのもいいんじゃないかな?」


それは作品をつくる上でのサイクルですか?


「これから認知されていくイベントとして適切な回数だと思います。春、秋、というのがいいですね」


最後に物をつくる時の喜びや動機を教えてください?


「物づくりをはじめるきっかけになったのは、自分らしい生き方が出来るかな? という事でした。自分らしく生きる生き方が、僕の場合は陶器ですけど、そこにあるんじゃないかなと思いました。それが動機としてあります」


今も自分らしく生きているという自信がある?


「自信というか、そこを深めていきながら、それは答えというかゴールはないと思うので突き詰めていくというか。素材とか土と向き合う事で自分と向き合っている気はしますね」



次にお話しを伺ったのは、そんな高木さんの作品を熱心に見ていた女性のお客さんです。


「手創り市には初めて来ました。きっかけは妹が静岡に住んでいたのと、ネットの情報を見て」


普段、クラフトフェアには足を運んだりするのですか?


「普段は作家として自分で出展しています」


作家さんなんですね?!どのような作品のジャンルですか?


「ぬいぐるみを布などでつくっています」


作家さんの目から見てARTS&CRAFT静岡の作品はどう思われますか?


「クオリティが高いと思います」


ARTS&CRAFT静岡全体の感想などあれば?


「自然に囲まれた環境が、この市と合っていて、ゆったりした気分で周れるので良かったです」


ブースの数はいかがでしたか?


「丁度周りやすい感じでいいと思います」


先程、作家さんと話し込んでいましたが?


「作家さんならではの、材料や工程のこだわりを伺いました。それが気に入った作品を購入するきっかけになっていると思います」


ARTS&CRAFT静岡に要望等あれば?


「ワークショップがあれば楽しいかなと思いました」



賑わいを増す会場。春の開催時よりも来場者が増えている事が感じられました。

向かい合って市を成す、ブースとブースの間の道を、たくさんのお客さんが行き来します。

ここで気付いたのは、例えたくさんのお客さんでひしめいていても、それが風景として雑なものに感じないという事でした。それは広い境内の為に、混雑に流されずに、お客さん一人一人が自分のペースを保ってブースを周っているのがわかるからかもしれません。


そんな中、次にお話しを伺ったのは、日本の伝統的な染め「注染」を用いて主に手拭等を制作している作家さん、Alnico Indigo(アルニコ インディゴ)さんです。


2012.10_allnico.jpg


ARTS&CRAFT静岡の印象は?


「東京の作家さん、お客さんが多く洗練されているので、緊張感があって好きですね。だからのんびりした感じじゃなくて、松本クラフトフェアみたいな感じだと思いますね」


今回出展してみての感触は?


「今までに出た時と全く変わらないですね。ここは形が出来上がってるんじゃないですかね?一回目の時から自分は変わらないだろうなと思ってましたね」


お客さんとの対話で大切にしている点は?


「物をしっかり見て貰いたいので、その説明はしっかりしてます。物で勝負なので」


いい事言いますね!(笑)


「どうやってつくられているかっていうバックグラウンドを知ると、今まで当たり前だった事が違ったって事を知って貰うのはいい事だと思いますし」


では、作品をつくる工程を教えてください。


「まず、こういう物を作ろうと考えるのに一ヶ月。絵を起こして型を彫り始めて二ヶ月。


結構掛かりますね。ちなみにどうやって彫るんですか?


「伊勢型紙という紙がありまして、美濃和紙という薄い和紙を柿渋で縦横縦で貼り合わせて、それをいぶして、水に強くして、それにデザインカッターで彫ります。最後にシルクスクリーンの様な物を貼って完成です。そして染めの作業に入ります」


最後に物をつくる時の喜びや動機を教えてください。


「必ず人は何かしらつくってる訳で、それは目に見えるものであったり、目に見えないものであったりですけれども、自分のやっている事は、直に目に見える訳で、それがお客さんに喜んで頂けるというのが動機だと思います。自分はアートだったらやらなかったと思います。自分のやってる事はアートではなくてクラフトだと思っているので、お客さんとお互い感謝の気持ちで売り買い出来るという事が僕は素晴らしい事だと思っています。自分のつくる物はアートじゃないですからね。そんなセンスないですから」


そうですかね?


「アートは売っちゃいけないんですよ。アートって自己完結じゃないですか? それを相手がどう思うかは自由ですけど。自分はお客さんの顔色見ながらつくっているので。ホントに自分のつくりたいものだけつくっていたら、おそらく売れないだろうし、そういう物をつくりたいとも思わないですものね。ある程度はお客さんの顔色を見ながら「どうでしょう?」っていうものを出してます」



次にお話しを伺ったのはARTS&CRAFT静岡の女性スタッフ、橋本さんです。


今日一日を振り返って。搬入はいかがでしたか?


「私のポジションで言えば、順路と逆に入って来ちゃう車がいなかった。そこにそれをカバーできる人が配置されてた事と、初めてのスタッフもいますが、みんな首尾よくやってくれる感じで」


さすがですね! 全体を見てますね!


「トランシーバーを通じて声を聞いているだけなんですけどね。ちゃんと回ってる感じはありました」


今回の開催について感じる事は?


「4月と比べてお客さんいっぱい来てくれているので、あとはそれが作家さんとどう結びつくか? それは手の出せない所なんですけど、今までで一番賑わってる感じはします。あと、フードエリアが一箇所に固まったりとか、クラフトの作家さんが固まったりとか、前回と違う事はあったのですけど。それが良かったのかなって」


全体的に行き届いてる感じですよね?


「怖いくらいに順調です(笑)」


休憩時間には何か作品は買われましたか?


「ハナザラさんでブレスレットを買いました。七つのビーズを自分で選んでつくって貰いました。以前にもピアス買ったことがあったんですけど、雨に濡れて、花の色が抜けてしまったので、今回もピアスをと思ったのですが、たまたまピアスがなかったので」


今回はARTISTS部門もより充実しましたが?


「遠藤庸子さんの白いカーテンで区切られた空間が、そこだけで完成されているのような感じがあって良かったです。遠藤加奈さんの、陶器のバラの花も「すごいねこれ?」って通りかかる人達が声を出して見てたのが印象的でしたアーティストさんそれぞれにの空間があるような気がしました」


あと一日半ありますが、今どんな事を思いますか?


「明日も今日様にお天気も良く、たくさんのお客さんが来てくれて、色んな作家さんとの関わりとかつながりをつくっていってくれたらいいなと思うのと、明日は明日で色々な状況が変わって来ると、上手くいっている事も、すべてが同じ様にはいかないと思うで、その時その時に上手く対応出来ればと思います。みんなが判断出来るように。動いていける様に。そういう連係をつくれるようにやっていきたいなと思います」



次にお話しを伺ったのは、ご夫婦で来場してくださったお客さんです。


「キャトルエピスさんのfacebookに、ここに出るって書いてあったので来ました」


「手づくりって言うから、もうちょっと荒っぽいものを想像してたんですけど、しっかりしたもの、綺麗なものが多くて、真面目な感じを受けました。個人で趣味でやってる人が展示していると思って来たから驚きました」


「シックな物が多い。遊び心的なものより、実用的な物が多い印象です」


逆を言うと、遊びの物がもっと多ければという要望はありますか?


「バラエティが少ない。幅が広い方がいい。大人が見て楽しいというのはありますけど。子供は暇だろうなと。子供が見て喜ぶ様な物はあまりなかったですね。色合いが静か。大人の感じ」


「商品に値札がついてないお店が多い。そして器を触っていいかわからない」


そこは作家さんから声をかけて貰いたい所ですかね?


「そうですね。欲しいと思った時に声をかけ辛い。まず、値段の基準がわからないので。素人には素晴し過ぎる。実際自分の手に届く物なのか声を掛け辛いですよね。見せたいのか売りたいのかよくわからないです。ですので、ある程度目安になる商品にでも目立つ様に値札が付いていた方がいいですよね? ここのお店はこういう価格帯のものなのかってわかりますから」



次にお話しを伺ったのは金属を用いたアクセサリーなどの作家さん、momoさんです。


2012.10_momo.jpg


出られて二回目という事ですが、ARTS&CRAFT静岡の印象は?


「今日もいいし。風は気持ちいいし。静岡の人がめっちゃいい人。あと、護国神社からふわ〜って何か出てるわぁ〜って。そのとりこになりました(笑)」


お客さんとの対話で大切にしている事はありますか?


「どういう風につくっているかってわかると、より理解が深まるし、物に愛着が沸いたりするじゃないですか?私がそういう事が多いから、器とか好きなんですけど、「これは登り窯で」とか言われると、欲しい〜っとか思いますので、だから自分もなるべくお客さんには色々と話す様にしています。説明できることは説明しようと努力しています」


ARTS&CRAFT静岡に思う点は?


「私が行った事のある他のクラフトフェアに比べると来客数が少し少ないかなと」


他に感じる事があれば?


「ARTS&CRAFT静岡はゆるいと思いますね」


ゆるいとは?


「いい意味でいってるんですけど、スタッフの人も和気あいあいとしてるし、やわらかい空気を感じます。気軽に出れる感じが私はしています。他のクラフトフェアは始めに顔合わせがあるものとかもありますし。その緊張感がもうすごかったから(笑)」


作品のコンセプトを聞かせてください。


「ホームページに載せてるのは、少女の様な大人の女性っていうのをイメージしてつくってるんです。それが桃のイメージと合ってると思っていて。あとは、楽しい物をつくりたいっていうのがあって、日常の中から生まれる事、日常の中の小さな発見をして幸せになりたいみたいな(笑)だから定番でやっているのはミニチュアのシリーズなんですけど、

日常の中にある、さり気ない、いつもある物だけど、そこに着目して毎日が楽しくなるよねって事を言いたいんです」


そういう話しはお客さんとはしない?


「しないですよね(笑)」


でもそれを作品から感じ取って欲しい。


「それを目標にはしてますけど、なかなか難しいですよね、それを伝えるのは。でももっと伝えられると思っていて、それが自分の課題です。説明しなくても伝わる様なディスプレイだったり、パッケージだったりしたいなと思ってます」


物をつくる時の喜びや動機を教えてください。


「単純に楽しいからですね」


いつ頃からつくられてるんですか?


「美大の金工科を出ているので、彫金は長いですけどね。それから七宝焼の会社に二年勤めて、ジュエリーの原型をつくる方に弟子入りをして、彫金教室も習っていて、大学からずっーとですね。自分のmomoを始めたのは二年前で、作品をつくり始めたのは四年前くらいですかね」


何で自分の作品をつくろうと思ったのですか?


「ジュエリーの原型師の方がいるんですね。私の師匠なんですけど。すごくファンキーな方なんですけど(笑)。その方と出会った事が大きいですね。その方のつくる物がすごくいいんですよ。で、ただで教えてくれるっていうのもあって、やってたら、その人みたいな物をつくりたいという気持ちからですかね?」


今後どういう風な作家でありたいというのはありますか?


「手づくりの物と既製の物との境界線ってなんなんだろうって思っていて。既成の物もみんな手づくりなんですよ。みんな職人さんがつくっているから。だからARTS&CRAFT静岡には失礼なんですけど、私の中で手づくりっていうのは不思議な感じです。まぁ、そこまでこの問題にこだわってる訳ではないですけど。あと最近は、いかに面白い物をつくって、みんなに手に取って貰うにはどうすればいいんだろうって事ばかり考えています」



次にお話しを伺ったのは、護国神社の近所に御住まいの女性とそのお友達です。


「家がすぐ側で、看板が出ていて、何だこれは?って思って来てみたらかわいくって。そこから、3、4回来ています」


「いつも来る好きな作家さんがいたんですけど、今回その方がいなくて残念だったんですけど、他の新しい作家さんがたくさんいて、見る所がたくさんあって楽しかったです。いっぱい買っちゃいました。アクセサリーと、端切れでつくったバンダナなど」


「とってもお洒落な食器が多かったです。街にあるのは高いけど、ここは手に届きやすくて良かったです」


ARTS&CRAFT静岡に何か要望などあれば?


「もっともっと宣伝して欲しいです。知らない人がいてもったいない気がします。私も昨日、友達に言ったけど、知らなくて、こんないい市があるならもっと知って欲しいですね」



次にお話しを伺ったのは、自家焙煎珈琲の鳥仙珈琲さんです。


2012.10_torisen.jpg


今日はたちっぱなしのドリップしっぱなしですよね?


「そうですね、ずっとドリップしていましたね」


ご飯を食べる隙もない位ですか?


「買って来て貰ったのを隙を見て食べる感じでたね」


「飲食と作家さんの違いというか、特に現場調理なので、現場で仕事するじゃないですか?この会場で仕事するって感じですよね」


第一回目から出ていますけど、回数を重ねてこられて、ARTS&CRAFT静岡が変わっていった部分でしたりとか感じる所があれば?


「実は、まだ一歩も外に出た事がないんです(笑)インタビュー受けても申し訳ないというか」


いや、その台詞がいいですね! リアルでいいです。五回とも一歩も出てないんですか?


「去年の夕方、ARTS&CRAFT静岡が終わる寸前に他のお客さんの珈琲を届ける時に初めて外に出て、「これがARTS&CRAFT静岡なんだ」って思いながら歩いてたましたね。でももう、みんな撤収してる所なんで、作品を見たりっていうのもないし、自分のテントの中から見える世界観での変化くらいしか感じられないですね」


この五回の出展で鳥仙さんが変わっていった部分は?


「作品を提供する訳ではなく、飲み物を提供する商売ですよね?最初は豆を売ってたんですよ。粉じゃなくて。回数を重ねる毎に一般といったら変ですけど、そういう方も増えて来たので、そういう方って粉なんですよね。豆は挽かないから。そういう方に合わせて粉を増やしたり。あとだんだん、全体のお店づくりがレベルアップしている感じはしますよね。親戚とか友達が来るじゃないですか? だいたい食べ物の話しをしていくんですけど、料理の質は上がっているって事は良く耳にしますね。どこどこのあれが美味しかったとか。でも食は大事だ思いますね」


これだけの広さがあって、食品ブースが少なかったりしたら……。


「そういう意味での満足度っていうのは、回を重ねるごとに上がってますよね。食のサポートっていうのは強いと思います。お腹空くと雑になるじゃないですか?それを満たしてまた一週してっていう。食が充実すると滞在時間も長くなるんじゃないかな?。ここでやらせて貰っていると、みなさん休憩場所じゃないですけど、強弱は付いているなっていうのはありますね。境内の造りもいいと思うんですよ。飽きが来ないっていうか? そして行く行くは池の上に浮島を浮かべて、水上販売とかね(笑)」


見事に脱線しましたね(笑)では、最後に、鳥仙さんが珈琲を生業にしている、その喜びや動機はどこにありますか?


「お客さんに美味しいって言って貰いたい。それだけでも嬉しいですし、単純にそれですよね。それがやりがいになるし。基本飲み飽きないっていうか、何か飲みたくなる様なって事に気を付けてるつもりなんですけど、また飲んだ時に「あ、鳥仙さんの味だ」って言ってくださる方がいて、そう言って貰う為にやってるっていうか。自分、飲食以外の世界にいる時に、飲食店のテレビ番組とか観て、で「お客さんに美味しいって言って貰えるとそれだけが」ってみんな言うじゃないですか? ホントかよ、とか思ってたらホントでしたね(笑)自分は単純なものを売ってるじゃないですか? だからダメだったらすぐにわかっちゃうし、それ故にそれに良いっていってくださる事にはやりがいを感じますよね」



最後にお話しを伺ったのは、ARTS&CRAFT静岡の新人スタッフ、鈴木一生さんです。


開催前日の心境はいかがでしたか?


「緊張が3割、楽しみが7割ですね」


楽しみの要因は?


「ARTS&CRAFT静岡のスタッフになって、作家さんの意見を聞いたり、踏み込んで話ししたり出来るんじゃないかって思ってたんで」


実際今日はどうでした?


「実際そうでしたね。色々話せました。ツイッターとかで知ってた人とも話せたので」


スタッフになった事でより深く話せるという側面も?


「それはありますね。明日は知らない作家さんともっと話したいですね。作品を見て、気に入ったのを見付けてっていう時間をつくりたいですね」


今日の会場を見て周って気付いた事は?


「お客さんと作家さんの距離感が近いなと思いましたね。それはすごく感じましたね。それが結果的に会場の雰囲気にもつながっていたんなと思いました」


スタッフとして中に入ってみて感じた改善したい点は?


「今日受付をやってる時に、「マップないの?」って言われる事が多くて」


マップ、受付に垂れ掛けてありましたよね?


「ああいうマップじゃなくて、手元に持っておけるマップの事ですね。手元に持って、作家さんの情報などが載っている物があったら僕は良かったんじゃないかなって思いましたね。次回の改善点として。例えば、「この作家さん、どこの出身かな?」って情報を見て、ネットで検索したりとか、色々とつながると思うんで。もちろん、経費とか、ゴミが出るとか色々と問題があると思うんですけど、それよりか、膨らました方が良いと思うんですよ。かなりのお客さんに「情報載ってないの?」って聞かれたんですよ。だから僕は次に改善していった方が良くなるんじゃないかな? って思ってますね。結構、その場で知ってても家に帰って気になった作家さんっているじゃないですか? それ覚えてるとか覚えてないとかって大きいですよね?それが冊子さえあれば、ネットで検索って風に今は出来るので、次の次につながるんじゃないかなって思います」


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陽が落ちるのが随分早くなったものです。薄暗い中を車で帰って行く作家さん達。その時駐車場を担当していたスタッフの高山さんが、大きな声で作家さんに向かって「ありがとうございます」と言い、そんな姿を受けた作家さんが車の窓を開けて手を振るという光景が、僕の脳裏に焼きついたのでした。


こうして一日目のARTS&CRAFT静岡は無事終了となりました。


ルポの後編では、ARTISTS部門の展示風景や作家さん達へのインタビューも交えながら展開したいと思っています。

ここまで眼を通して頂き、ありがとうございました。


うえおかゆうじ


*後編は明日、11月16日に更新致します*

※ご意見ご感想は下記mailまでお気軽にどうぞ。

ARTS&CRAFT静岡






よいよ開催、くらしのこと市!!


11月11日は静岡市足久保の自然に囲まれた木藝舎・SATOにて

うつわを中心とした「くらしのこと市」が開催されます。


↓ ↓ ↓


公式サイト http://www.kurakoto.com 


会場ではくらしにまつわる様々なイベントが開催されます。

一挙ご紹介!!


【くらしの教室:季節のジャムづくり】


【くらしのBOOKS】


【くらしのトークショー】


そしてくらしのこと市スタッフによる

【くらしのことカフェ】

フードメニューは「いつものカレー」のみ、自信をもって提供致します!!



皆さまのご来場をお待ちしております。


※1 くらしのこと市は雨天開催となります。

※2 会場内には来場者専用駐車場(無料)が約100台用意されております。

   本駐車場以外には、周辺にはコインパーキング等御座いませんのでご注意下さい。


くらしのこと市スタッフ一同
 




くらしの教室:季節のジャムづくり(11月9日更改)


【くらしの教室:季節のジャムづくり】


旬の果物のりんごと、これから美味しくなるみかん。

ふたつの果物を使い、自然に囲まれ開放感あふれる中でジャムを作ります。

最後はふんわりパンケーキを焼いて試食します。

ぜひ、ご参加ください。


教える人:jam-ya  http://www.kurakoto.com/c22.html

参加費 :2500円(お土産のジャムひと瓶)

日時  :11月11日 13:30〜15:00

場所  :くらしのこと市会場

持ち物 :エプロン・ふきん 

参加定員:3名まで

*10日以降のご予約は直接会場までお越し下さい*


※ご参加お申し込みは下記mail 担当まで御連絡下さい。



くらしの教室
小林万記




くらしのBOOKS 開店!! @ くらしのこと市


くらしのこと市会場、くらしのことカフェ内にて

「くらしのBOOKS」がオープン!!

今回は暮らしに寄り添う古本を中心に集めてみました。
(一部サブカルチャーもあったり・・・)


カフェを利用しながら
椅子に腰掛けながら
のんびりとご覧ください。


日時:11月11日 10:00〜16:00
場所:くらしのことカフェ内
*並べられた本は全て販売しております*


※くらしのBOOKSは11月11日限定の古本屋さんとなります。


くらしのこと市




くらしのことカフェ 〜 いつものカレー 〜

11月11日に開催されるくらしのこと市会場では、
A&C静岡スタッフによる「くらしのことカフェ」がオープン!!


今回フードメニューは1種類のみ、
「いつものカレー」を提供致します。


くらしのことカフェでは、上記フードメニュー以外にも、
温かいドリンク、2種類のスイーツをご用意しております。


くらしのことカフェ
川手幸子・山梨友里江







くらしのこと市・購入方法について

11月11日に静岡市足久保にあります木藝舎・SATOにて開催されるくらしのこと市
会場での作品購入方法についてご案内致します。




                               illustration by kanae yumoto


*上記、購入方法のイラストは会場内でチラシとして配布されますのでご利用下さい*



※作品購入の際には、会場内にあるふたつの「会計ブース」にて
 お支払いをして頂きますようお願い申し上げます。


くらしのこと市










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