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三崎へ

スタッフの米澤です。

先週の日曜日、23日は東京千駄木で&SCENE開催日。

…でしたが、私は神奈川県の三崎へ!(千駄木スタッフ、ごめん!)


三崎のうつわとくらしsolさんで行われていた、yutaこと須原健夫さんと近藤康弘さんの

二人展「健やか 康らか」に行きました。

神奈川県の三浦半島までは、横浜駅から電車とバスで1時間ほど。

静岡から横浜までも、新幹線で1時間掛かるので、行くと決めるまでかなり悩んだ。

しかし、目を閉じると須原さんのニカッとした笑顔と近藤さんの陽だまりの笑顔で「待ってるよー」と言われている気がする、気がするだけかもしれない。

それに、昨年も行われた二人展で初めて訪れた三崎へ(そのときは車で行きました)もう一度行きたいな、と思い、行くことを決めた。


早朝から横浜赤レンガでパンケーキを食べて腹ごしらえを済ませ、いざ三崎へ。

横浜駅から電車に乗った瞬間に眠気がやってきて、うとうと…

目が覚めたときの駅には「三浦」の文字。もう、そろそろ終点の三崎駅。

窓の外には一面の緑色の田んぼ…。ん?田んぼ?

この時期に田んぼが緑色な訳がないだろうと、目を凝らすと、ぜーんぶ大根!

そうか、三浦大根…。埋まっている大根の葉が畑を一面の緑色にしている。

こんな大根畑見たことない、と思っているけれど、ここの三浦の人は静岡の茶畑を見たら同じ反応をするかもしれない。

大根畑やキャベツ畑もあって、圧倒されながら過ぎ行く景色。そして三崎に到着。

そこからバスで三崎港へ。

その間も大根畑があったり、大根や蕪の無人販売を多く見かけた。

家のガレージの中で収穫した大根を洗う人、それを拭く人、そして、家の前で並べて販売する人…と家族総出で作業をしている様子をバスの信号待ちのときにじっと見た。

しかし、三崎港に着くと、魚、さかな、サカナ、…一気に港町になるから面白い。

静岡も山と海があるから、こういう町もあるのかもしれない。

魚屋さんでは、店先で魚を捌いたり、干したり、観光客に声掛けをしている。さっきの三浦大根の農家と、この三崎の魚屋さんは仕事は違うけれど、「この土地で、生きている(生活している)」という強いものがビシビシと伝わってくる。ここでとれたものを、ここで売って、この土地で暮らしているんだ。



展示へ行く前に「ミサキドーナツ」へ。

12月7日にオープンしたばかりのドーナツ屋さんは連日短時間で完売してしまうそうなので意気込んで入店。

ここのドーナツは三浦市のパン屋「充麦」が製作協力をしているそう。

充麦のパンは食べたことがなかったけれど、名前はよく雑誌などで拝見しているし、スタッフからも話を聞いたことがあった。麦や調理パンで使われている野菜を自分たちで栽培しているという。

注文したのは、悩みに悩んでオレンジチョコドーナツ。

パン屋さんが協力しているとあって想像するのは、ふわふわで砂糖がまぶしてあるドーナツ…というよりか、ほとんどパンなのでは?という、パン屋さんで見かけるドーナツを思い浮かべていた。しかし、ミサキドーナツは、もちもちとした弾力が。このもちもちが美味しい!生地の中にもチョコレートが。私のなかのドーナツランキングが変わった瞬間。

カフェスペースはレトロな家具が並べられて、絶妙なちぐはぐ加減。

ココアもたっぷり入れてもらって大満足。

ここのオーナーの方がとっても笑顔が優しくて何度もお礼を言ってくれた。こちらもつられて笑顔になってしまう。


うつわと暮らし solさんの前では月に1度の「メルシーイチバ」が開かれて、先ほどのパン屋の充麦さんがお店を出していた。嬉々として食パンやケーキやスコーンを購入。700円を小銭で払ったら、「助かります」とお礼を言われた。(メルシーイチバにお出かけの際は小銭を用意しましょう!)


ここまでの前ふりが長かったですが、やっとやっと健康コンビと再会。

とても、びっくりしておられた。(そりゃそうだ)


前回の展示から1年だなんて、早いですね、

お二人と最後に会ったのいつだったかな、

くらしのこと市だ、

あれ1ヶ月くらいしか経ってない?!

そういえばARTS&CRAFT静岡からも2ヶ月しか経ってない!


時間の流れって速いような遅いような…とても不思議だ。

お二人とは、昨年の二人展で初めてお話をした。そこから1年経つ間も、ARTS&CRAFT静岡に出展して頂き、くらしのこと市でもご協力して頂いて…こんなふうに関わっていくことになるなんて考えられなかった。

お二人とは、くらしのこと市や制作のこと、手創り市のこと、悩める20代の思い出など、立ちっぱなしで長々とお話した。


お二人の合作の箸置きを知人の結婚のお祝いで贈ることにした。

店主の菊田さんが、ラッピングした上から、またさらに包んでラッピングが崩れないようにして、「贈るときにこの紙袋を使ってください」と紙袋を畳んだ状態で渡してくれた。

贈ることを考えてくれていて、嬉しかった。

お店のドライフラワーのディスプレイなどのセンスから、どうしてもラッピングが見たかったので、ちょこっと包みの隙間からのぞいたら、やっぱりドライフラワーがついていた。相手の喜ぶ顔が浮かんだ。


お二人と別れを惜しみつつ、「次回の静岡の募集開始は年明け1月4日です」と、そこはスタッフらしくハッキリとお願いをして、お店を後にしました。


ランチの時間はとっくに過ぎているけれど、お昼はドーナツしか食べていないので、「ミサキプレッソ」へ。

そう、ミサキドーナツ(MD)とミサキプレッソ(MP)は姉妹店なのです。

三浦半島の南端にある三崎は、昔からマグロ漁が盛んな港町でしたが、近年は商店街の空き店舗が増え、観光客が少なくなっていました。そこで、三崎の再興をするプロジェクトの一環として、2010年にオープンしたのが、イタリアンスタイルのカフェ「ミサキプレッソ」。その後、老舗時計店の閉店に伴い、全面改装をして「ミサキドーナツ」が誕生したのです。

洒落た店舗は、昭和の面影を残す三崎の商店街にも馴染んでいる。きっとここを目当てに、県外から来る若者もいるのだろうな。


ミサキプレッソでは、しらすと白菜のを注文。

出てきたパスタにびっくり。しらす!デカイ!!

しらすってこんなに大きかった??

静岡でもしらすは獲れるけれど、私は山育ちなのでこんなに大きなしらす見たこと無かった。

そして、とっても美味しい…至福。

ゆっくり食べながら、私には今まで縁の無かった港町を窓から眺めた。防水性のエプロンと長靴を履いた海の男が通ったり、ミサキドーナツの包みを抱えて小走りで帰っていくおばちゃん。

ふと、近所の家からおじいちゃんが出てきたのが見えた。じっとこちらを見たり、きょろきょろしている。こっちに来たら面白いのにな…と思ったけど、パスタに戻った。次に見たときは、もういなかった。料理をしていた店員さんが、急に入り口のドアに駆け寄った。店員さんがドアを開けたら、おじいちゃんが!

「こんにちは!珈琲でいい?ミルク使う?」と店員さん。

「ちょっと珈琲が飲みたくなってね…ミルクは使わないよ」とおじいちゃんはゆっくりと椅子に腰掛け、ポケットから小銭を出し、店員さんに渡した。そして、お店に置いてある「散歩の達人」を読み始めた。

珈琲がおじいちゃんの元へ運ばれた。

雑誌を閉じて、おじいちゃんはカップを両手で包んで、ゆっくりとひと口。そして、カップを置いて、また雑誌を開いた。

このお店とおじいちゃんのゆったりした雰囲気をもっと味わいたかったけれど、バスの時間があるので、お店を出た。

再興のために出来たカフェは、昔からここに暮らす人たちにも愛されている。


三崎、いいところです。



***


2012年、ARTS&CRAFT静岡は春季、秋季ともに無事に開催でき、初の試みとして、くらしのこと市を開催できました。出展者のみなさま、ご来場者のみなさま、ありがとうございました。


今年1年は、自分のために手創り市に関わっていこうと活動してきました。

自分のためにと意識を少し変えるだけで、次へ次へと自分でも予想しなかったことに繋がっていきました。それは、少しずつなりたい自分に近づいていくことでした。


私は、作家さんのところへ一人で行くことを、いつも迷います。それは、どなたに対しても同じようです。

間が持つかとか、話が弾むかとか、なんの話をしようとか、私が行ってもいいのか…などなど考えてしまいます。それは、必要以上に“スタッフ”としての立ち位置を考えすぎなのかもしれません。作家さんとは“友達”でなければ“仕事”の関係でもないけれど、なんだか言葉に出来ない一線を感じていました。でも、その一線の緊張感や境界線が気持ちよく引かれていないと、市として成立出来るものも、出来なくなってしまうと思います。


だから、せめて作家さんとふつうにお話がしたい。

行くことを躊躇する自分に、お話したい気持ちがいつもなんとか勝って、この1年作家さんに会いに行きました。

初めて、一人で向かったhimaarさんの個展。在廊されていない日に伺ったら、twitterで「会いたかったです」とメッセージを頂いて、行く決心をする。himaarさんとは、名刺入れを作って頂いたきりで、ちょこっとしかお話したことがありませんでした。緊張しながら訪れたら、すぐに私だとわかって笑顔で迎えてくださり、心底ほっとしました。楽しい時間を過ごせて、あの時、本当に行ってよかったと今でも思います。


そうして自分のために勇気を出して繋がった人たちを思い浮かべると、なんていい1年だったのだろうと、本気で思います。縁は、ある程度は決まっていることかもしれないけれど、すれ違っただけで終わるか、楽しい時間を過ごせるかは、自分次第なのかな、なんて偉そうなことを考えます。


先ほど、今年の1月に初めて書いたブログを見つけ、同じようなことが書いてあって笑ってしまいました。

だけど、あの頃よりも、なりたい自分に近づけているかも。

来年も、自分のために活動を続けていきます。


***

私事ですが、縁あってCo.&Kokoroneさんのサイトで来年1月5日からエッセイを連載させていただくことになりました。どうぞ、よろしくお願いします。



米澤あす香



 




2013年も宜しくお願い致します!!



2012年もARTS&CRAFT静岡へのご参加ご来場有り難う御座いました。
2013年もどうぞ宜しくお願い致します。
良いお年を〜


*2013年春季ARTS&CRAFT静岡のお申し込みは1月4日からスタート。
 多くのつくり手のお申し込みをお待ちしております!!


※12月31日から1月4日まで事務局は不在となります。

ARTS&CRAFT静岡

 




2013年ARTS&CRAFT静岡フライヤー


2013年度ARTS&CRAFT静岡のフライヤーが完成しました。

これから印刷所に発注をかけ、年明けにはチラシ設置店の皆さまへご郵送
させていただきます。

お店で見かけた際には是非とも手に取ってくださいね。

2013年春季ARTS&CRAFT静岡のお申し込みは、年明け1月4日からとなります。
皆さまのご応募をお待ちしております!!


 




よいよ、&SCENE開催!!(12月23日)

手創り市にまつわる2012年の開催納めが
本日、12月23日に東京・千駄木の養源寺さんで行われます。 


新たな景色、景色とさまざまな事柄、
すべてが会場を構成する要素となります。

今回は通常の手創り市開催とあわせて、
会場内では「365日かざれるリース」のワークショップ、
本堂ではライブイベント、「山田杏奈LIVE ANNA-SCENE」が開催されます。

3連休の中日、東京のお越しの際には是非是非&SCENE会場へお越し下さい!!

(正式な開催発表は5:30までに行われます)


&SCENE手創り市 HP http://www.andscene.jp

※会場には駐車場・駐輪場が御座いません。
 電車やバス等の公共交通機関をご利用下さい。


ARTS&CRAFT静岡




ki-to-teさんの直売所へ

スタッフの米澤です。

先週日曜日に雑司ヶ谷手創り市へ行きました。

今回は、ARTS&CRAFT静岡でお馴染みのChipakoyaさんが出展されていました。

初めての東京出展で、緊張されているのかなと思っていたけれど、Chipakoyaさんはここでもひっきりなしに絶えないお客さんの接客に忙しそうで、それどころではないという様子。

今回はドーナツの仕込が無かったとはいえ、出発は午前3時だったそう。お疲れの様子も見せずに楽しんでいるようでした。


この日は12月にしては暖かく、たくさんのお客さんが遊びに来ていた。

ここに遊びに来る度に、

「ここの市は作品のレベルが高い」

「いつ来てもお客さんがいっぱいいる」

と、作家さん同士やお客さんが必ず話をしている。

毎月開催されていて、手創り市が根付いていることはもちろん、「次も遊びに来たい」と思わせる魅力的な作家さんが出展されているからだと思う。

手創り市も始めた当初は「冬の時期」というものがあったらしい。

そんな時期があっても7年近く継続してきたからこそ、今がある。

ARTS&CRAFT静岡は半年に1回で、規模もこれまでの開催回数もずいぶん違うし、比べることは無いけれど…

羨ましいとか、追いつきたいと思うことは事実だ。



手創り市を後にして、国立のki-to-te前田充さんの直売所へ。

直売所というのは、ご自宅の一部を開放して奥さんの由美さんが作品を展示販売している。

私は、くらしのこと市で選出作家さんを検討していたとき、由美さんの「直売所ブログ」を見つけた。

店番の由美さんは、直売所へ訪れるお客さんのためにお茶と手作りのおやつを充さんのうつわで出している。

その様子が、私の考えるくらしのこと市のコンセプトにピタッとはまった。

充さんのうつわに、由美さんの手作りの素朴なおやつ…

上手く言えないけれど、自分のためじゃなく、誰かのために作った華美ではない“いつものおやつ”に暮らしが見えた。

そうして、くらしのこと市への出展をお願いした。


今回、直売所へ遊びに行ったのは、くらしのこと市で、母が姉の子どものためにベビースプーンを購入したと前田さんに伝えたところ、「名前を入れられるから直売所へ遊びにきてください」と言って頂いたから。

スプーンを送って名前を入れてもらうことも出来るところを、「遊びに来てください」と言われて、なんだか勝手に歓迎されているような気がして、絶対に行こうと思っていた。


国立駅からバスで10分ほどのところに直売所がある。

前田さん夫婦が笑顔で迎えてくれた。

私が遊びに行ったときには、常連さんのご夫婦と生まれて間もない赤ちゃんがいて、由美さんから木材の説明を聞いていた。

私は由美さんの作ったクッキーとお茶を早速頂きながら、様子を見ていた。

ソファに座ってお茶を飲んでいると、友達の家に遊びに来たみたいにくつろいでしまいそう。

ご夫婦は「ここに来るたびに欲しいものが増える」と笑いながらお話していた。

直売所は作品が展示してあり、絵本がたくさん置いてあることから、子ども連れで来る人が多いことや、ゆっくり絵本を読んでいく様子が浮かぶ。


持参したベビースプーンに熱をもったコテで名前を入れる。

コテはペンで書くように、簡単に書ける。

木の端材で練習をして、息もしていないくらいに緊張しながらゆっくりと書く。

姪っ子がローマ字で書いた自分の名前を読めるようになるころには、きっとこのスプーンで離乳食を食べていたことなど忘れている。でも、姪っ子のために国立へ行ったことは話したいなと思う。


由美さんは、「国立ゆる市」というイベントの運営スタッフをしている。

私は、前回で第2回目を終えた国立ゆる市の様子をブログで読んでいた。

どういう経緯でイベントを立ち上げたのか、とても気になった。由美さんは直売所をしているとはいえ、充さんの作品を展示販売されているので、どちらかというとイベントの出展者側だと思ったから。

由美さんに聞いてみると、国立でお店を開いている方たち(ウェブショップも含む)とお店を続けていくための勉強会を開いていたそうで、国立市周辺には作り手や個性のあるお店があるけれど、駅から少し離れていたり、営業日も合わなかったり、お店同士もそれほど近くないことからハシゴして遊びに来てもらえることがなかなか難しいので、イベントを開いて、その日は国立近辺のお店が集合して楽しんでもらおうと企画したのだった。

「国立ゆる市」はゆるやかに繋がるという意味。このイベントを通し、お店とお客さん、そしてお客さん同士も繋がって、それが地域の発展にも繋がったら…という企画。


充さんと由美さんは言います。

これまで県外のイベントに出展して、ご注文を頂くこともあったけど、家具などの大きいものをメンテナンスするのは遠方だと難しい。だから、自分たちは全国に名が知られるよりも、ここの地域の人たちと関わっていきたい。


作家さんにとって全国的に名の知れているクラフトフェアに出展することは、ステータスになるから、誰もがそこを目指しているとばかり私は思っていた。

前田さんのように自分たちの活動地域を盛り上げることが、それ以降に繋がることもある。

そういえば、とある作家さんは、自分の作品は贈り物にされることが多く、贈り物はタイミングのものだから、イベント出展のときは売上よりも知ってもらうことを重視していると言っていた。

なにが良い、悪いじゃなくて、作家さんの目指すところによって活動は違ってくるということ。それを今更ながらわかった。

まだまだ作家さんについて知らないことばかりだ。


ARTS&CRAFT静岡にまた機会があれば出展したいと充さんは言って下さった。

「出展者をここまで紹介したり、とりあげてくれる市はなかなか無い。」

私にとって一番の、最高の、言葉だった。

ARTS&CRAFT静岡が静岡に根付いて、お客さんに半年に1度の楽しみになればいいと思っている。

継続するなかで、自分が作家さんを応援したくてスタッフになったという初期衝動を、絶対に忘れないでいこう。



米澤あす香






12月14日


今年も多くのつくり手と出会い、会話がいつしか対話となってゆきました。
アトリエ訪問というものをやってきて、私たちなりにつくり手の生身の部分を見てきました。
つくり手はひとりひとり別個の人間であり、そこには差異があります。
差異とは能力のことではない。
生き物として違いがあることを認めた上で、互いの考え方を交わし響きあったりする事。
豊かさとは何も皆が同じ考えを持ち、同じ暮らしをする事ではないと思う。文化も同様に。
互いの違いを認めあい、その上で世界のバランスが保たれたらな、と漠然と考える。

明後日は東京・雑司ヶ谷の手創り市の開催日。
今年最後の手創り市を気持ちよく終えると同時に来年の一歩としてゆきたいと思う。

名倉哲







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