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2015年春季「g r e e n」の日記:前編

「もう雪はこりごりだけど、

 パーティーのためなら雪も素晴らしいね」


かの有名な、きかんしゃトーマスの名言のひとつに

こんなセリフがあったはず。


さまざまな機関車が、さながら人間のようにからみあう群像劇で、

そこには教科書には書かれていない真実が、勇気の言葉が、

(時々、人をねたむような言葉も…)描かれています。




目の前の手帳を見返すと、そこには春季開催のことが書かれていた。

春季開催のテーマを「g r e e n」とすることから、前日準備と2日目の終了までを淡々と綴り、その時々の気分が注釈のように。

自分でも笑ってしまったのは「いいのか?」と自分を否定するかのような言葉が書かれていたことから、その数ページ後には「やらせてもらおう」とちょっとおかしな肯定的な言葉。これほどわかりやすく気持ちをあわらしていることはない。終わってみればあっという間のことだったけれど、今でもその時々のことを思い出す。


4月10日。
朝が明けた頃、いつもよりも早く静岡へ出発。

今回はとにかく荷物が多いこともあり、入れ替えの時間など、
頭のなかはどれだけスムーズにやるかでいっぱいだった。
こうなることはわかっていたけれど、積み込んだ荷物の量に失笑。

8時を過ぎた頃、静岡へ到着。
いつものスタバで一杯の珈琲とドーナツを。

10時過ぎに実家へ到着し、荷物を入れ替え、すぐさま会場へむかうことに。

会場へ到着し、いくらか時間が経つと小雨がやってきた。
前日準備も回を重ねて10回目ともなれば、手際もよくなるもので淡々と事は進む。
が、どうにもテンションがあがらない。
これまでであれば、早朝からずっと動き続け、ちょっと疲れてきたぞ…と感じる頃合いに、
山あいからやってくる夕陽に俄然テンションがあがり、嬉々として大量のベンチを運び
だすのだが、夕陽もなければ、大量のベンチも運び出せないでいる。
すべては雨のせい。
ふだん通り事は運ばず、消化不良のまま前日準備を終えることに。

夕飯は鷹匠のピザ屋にて。
不完全燃焼だったからか、なんだかメニューを選ぶのもどうでもよく思えていたが、
そんな訳にはいかない。
どうにかこうにか気分を変えるため、会話でごまかす作戦に切り替えてみたら、
これが意外に効果があり、気分はいくらか上向きに。

21時。
前日準備組のスタッフと解散。
実家へ戻ると雨が強くなってきて看板の積み込み作業ははかどらない。
書いては消えるチョークの跡にいらいらを通り越し、ムキになってきた。
日付も変わる頃、すべての荷物の積み込み作業を終えて、
かたわらの麦酒と共に仮眠をとろうと思っていたら、
U氏と母親の人生相談が始まっていた。
五月蝿…と思いつつも、なんだかその様子がおかしかった。
そんな景色も、わるくはない。


4月11日未明。
ぱんぱんに積み込んだ荷物が崩れないよう確認した後に、会場へ急いでむかう。
なぜ急ぐか?それは少し寝坊したから。

出発時に止んでいた雨は、会場へ到着したと同時に降ってきて、
時間がたつほどに雨あしは強くなるばかり。
誰もいない会場に看板を並べ続ける。

手帳にはその時のことがこう記してあった。

なんてこった
なんてこった
亀じゃなくて雨

6時。
搬入開始。
スタッフ各自はそれぞれの持ち場へ移ったものの、表情にはいくらかの不安が。
わかる。その気持ちが痛いほどよくわかる。
自分たちが雨で濡れるのは構わない。
けれど、搬入の頃から雨に濡れる作家さんのことを思うと、不安にもなる。
その頃、新人スタッフの松村さんの様子を見ると、しっかりと動き、
声は張っているものの、完全に雰囲気に飲み込まれているのがわかった。
初めての搬入で雨。ただでさえ緊張でいっぱいなのに可哀相なもんだ。
近寄って声をかけると「大丈夫です!!」と返ってきた。
大き過ぎる声のボリュームが頼もしかった。
「りょーかい。じゃ、がんばって。」と声をかけ、
ほかのエリアの様子を確認しに行くことに。


9時。
初日の開催がはじまった。
この時、依然として雨は降っていたものの、
思っていた以上にお客さんがいらっしゃって嬉しかった。

手帳にはその時のことがこう記してあった。

やまない雨はない
あともう少しの辛抱
お願いします

今回、初の試みだった「木々と水辺の食事会」の中止のお知らせをしたものの、
決まった事を決まった通りに進行する残酷さを改めて知った。
新たになにかチャレンジする時のリスク。
明日こそ…そう思い、ほかの現場を見てまわることに。

昼前。
ようやっと雨が止んでくれた。
止むと同時に、残る企画の準備をスタッフで分担し進めるよう連絡をとりあう。
開催中のローテーションをまわしつつなので時間は限られている。
けれど、今日中にスタートラインに立たない事には、明日さらに良くする事は叶わない。
今は無理をしよう。そんなことを言い合っていたのを思い出す。

手帳にはその時のことがこう記してあった。

ベンチ
ベンチ
ベンチ
とにかく
ベンチ
ならべたい

14時過ぎ。
雨も止んで2時間経過した頃、来場者がどっと押し寄せてきた。
その時、とある作家さんと立ち話をしていたけれど、
その様子を見て、互いの表情を確認し、
じゃまた後で!!と歓談はお開きに。
思うことは同じこと。
見ている景色も一緒のこと。
お互いにやるべきことをやろう。
スイッチが入った瞬間。

16時。
今回で卒業のスタッフと、誕生日を迎えたスタッフを祝う為、
いつものケーキ屋さんへむかうことに。
途中、つかれきった身体に旨いものを添加し、束の間の休息。

19時。
スタッフ全員揃っての夕飯は、いつものようにリラックスムード。
4年ぶりの雨天開催は肉体的にも精神的にも疲労感があったろうけれど、
意識はすでに明日にむかっていることを感じることが出来たように思う。

20時半。
「明日2日目は朝からにぎわうことになるから、今夜は早く寝るように」
と伝え、解散。

そのあと、スタッフ一生くんは夜間警備担当者へ差し入れに行ってくれた。

当たり前のことがあって、スタッフ全員がしっかりと休息がとれること。
その事を忘れないようにしたい。いつも思うこと。

今回は久しぶりに夜間警備に参加するということもあり、一旦身支度を整える為、
家に戻り、両親と他愛のない話をして会場へ戻ることに。
この日は母親の誕生日だった。


4月12日。日付も変わった頃。
深夜の会場では、時折降る雨がテントにあたりリズムを刻むように
あたりをこだましていた。
場内警備のため砂利道を歩いていると、砂利がこすれる音がひびく。
しんとする会場。誰もいない会場。
明日のことを想像するとにやけてしまう。
晴れますように。


夜間警備担当者を仮眠へ送り出し、受付小屋でぼんやりしていると、
ケータイがぴかぴかと光っていることに気づいた。
ガラパゴス携帯をかぱっと開き、確認するとメールが届いていた。

「今日は雨のなかおつかれさまでした。
 雨、あがってよかったですね。
 フードエリアのぬかるみが気になったので、
 明日、お邪魔でなければぬかるみ対策に
 むかおうと思うのですが…云々」

すでに卒業したスタッフから心配と応援の声。
彼女は初期の頃より、主にフードエリアをスタッフとして作ってきてくれていた
からこそ、ぬかるみが気になったんだろう。

その時、私は心の中でこう呟いた。

「はい、明日やっておきます。やらせていただきます。」

そして、手帳にはその時のことがこう記してあった。

はいやっておきます。
やれってことね。

心の中とほぼ一致。

誰がいったか、丑三つ時。
子どもの頃から不思議な呼び名だなと思っていたけれど、
皆さんはいかがですか?
実際、この時間に起きていると不思議な感覚を覚える。

目の前には幹線道路。
街の灯りが濡れた地面を照らしキラキラと。
道行く人はいないけれど、トラックなど大型車輛が行ったり来たり。
その様子を見て、トーマスのことを思い出した。

「ちょっとブルーな気分なんだ、ボディーは赤いけどね」

赤いボディーのジェームスが言っていた。


恐れていた睡魔もやってくることがなく、
雨もあがっていたこともあり、
街の灯りを頼りに受付小屋の塗装補修をしてから、
雨に濡れた場内の看板を書き直しにまわることに。

社務所近くの看板を書き直していると、
「おはようございます」
と声をかけられドキッとした。

振り返ると神社の方。
こちらも「おはようございます」と返す。

「今日は晴れるからたくさんお客さんがきますね。」

「はい。そう願ってます。」

「ごくろうさまです。」

と、こちらに声をかけ去って行った。

そろそろ夜が明ける頃。
早くやってこないか、2日目のスタート。

明けない夜はないさ
さあ次はぼくたちの番だよ
ジェームス

トーマスならきっとそう言うだろう。


*後編につづく*


名倉哲



・・・・・・
次回開催は2015年10月10・11日
申込期間は6月29日消印〜7月29日事務局必着まで
出展者発表は8月10日
・・・・・・




銀色のgreen (はしもと)


2015年春季 "g r e e n"が終わって一週間とすこし。

正直、終わった実感がありません…

こんなこと言うと怒られてしまうかもしれないけれど、

開催中の2日間の記憶があまりないのです…



4年ぶりに雨で始まる初日搬入は衝撃的だったし、

数々の小さなトラブルはあったし、

2日目朝に、泥沼化したフードエリアの整地をしてくれた男性スタッフ達にも頭が下がる。

一生くんの「森のCAFE」は想像以上の景色が広がっていたし、

川手さんの「ミドリノヒビキ」はため息がでてしまうくらいうっとりする空間だった。

スタッフになってから初めて、開催中にワークショップにも参加した。


初めてお話しする作家さんとのやりとりも、

馴染みの作家さんとの恋愛トークも、

見知らぬ男の子(推定5〜6歳)にもらった緑の葉っぱもちゃんと部屋に飾ってある。



それでも記憶が無い…というか、

正確に言えば、開催中そのものよりも、

あそこにたどり着くまでの半年が濃すぎて、

今もまだそこに留まっている感覚。



初めて会場全体に設けたテーマ"g r e e n"に対する反応は様々で、

一つの企画をカタチづくるためにやりとりされたメールの数々は、

さながら"千本ノック"のように激しくて、

一人ひとりがまとめたつくり手の声を届けたい為のQ&Aは、

やっぱり波瀾万丈だった。


でもだから。

ここまでの半年が、私達スタッフの本当の"g r e e n"な期間だったなと。


新緑から時を経て深まる緑

未熟から成熟への象徴としての

" g r e e n "


それは今もまだ続いている時間。

これからも繋いでいく時間。


今改めてそう思う。




開催2日目のはじまりに、

松本美弥子さんの器を買った。

銀彩の丸いプレート皿。

全面銀色の四角いプレートと迷ったけど、

普段の私の生活の中で絶対使う形を選んだ。

ちょっと奮発して買った、憧れの器。


数年前のBlogでは、器に対して「興味があまり向かないんです」と公言していた私には、

なかなかの変化が起きている。


使うほど、時が経つほどに色が変わっていくという銀色の器。


"器は育てるもの"

前夜もそんな言葉を聞いたような…


サンプルとして置かれた、何年も使われた銀彩だった器は、私には金色に見えた。

そして、これを育てたい!と思ったから、

在庫を引っ張り出してもらってまで、"今の私"を探し出した。


使うほど、時が経つほど変わっていく。

今はまだ銀色の私が、どんな色に変わるのか。

私の中の"green"の象徴としての銀彩の器。

それを育て、変えていくのは誰でもない私。


今年もまた、春から秋へと動き出す。




・・・・・・
次回開催は2015年10月10・11日
申込期間は6月29日消印〜7月29日事務局必着まで
出展者発表は8月10日
・・・・・・




雨とgreen (荒巻)


4月12日、夕方。

開催10回目となる“green”が、その日終わった。


はじまってしまえば開催二日間はあっという間である。

しかも今回は初日に雨が降った。

2回目の開催時に土砂降りの雨が降ったエピソードはよく他のスタッフから聞いていて、

その度に、雨が降らないといいね。と言い合っては、心の中で祈る。

開催間近にもなれば天気予報とにらめっこだ。

どうみても今回、雨はまぬがれそうにない。

開催日前から天気は曇りと雨マークばかりで、それは土曜日までさしかかっていた。



迎えた初日は朝から雨が降っていた。

用意していたレインコートに腕を通し、長靴を履いて会場にむかう。


雨の降る護国神社もまた一興…と感じる心の余裕はまるでなく、

搬入からばたばたとせわしない。

前日準備が十分にできなかったこともあり、

9時を過ぎてからもイレギュラーを余儀なくされた。

朝食のサンドイッチに心焦がれながら空腹に耐えた。


会場の見回りのときにチムグスイさんのワークショップ「緑のてしごと」を見に行ってみると、

雨がちらつく中、ワークショップをしている人がいる。ほっとした。

その後、再度空いている時間にブースに立ち寄って、ワークショップについて話を伺う。



「緑のてしごと」はいままでの会場でのワークショップとは違う形をとっていたので、

それを行ううえでたくさんの問題点がそこにはあった。

話を伺っていると、改めてそのことを実感した。

そんな中、次のワークショップに参加する女性が声をかけてきた。

とても楽しみだと言わんばかりの笑顔に救われながら、挨拶をひとつしてその場を離れた。


降っていた雨はお昼前にあがった。

作家さんと、思っていたより早くあがりましたね。と言い合って、フードエリアの

どろんこ状態の道を渋い顔をしながら歩く。

いつもはたくさんの人で賑わうここも、今日ばかりは人が目に見えて少なかった。

泥道を選んで歩いては、踏みつけるその感触に喜んでいるのはこどもだけだ。


初日は緊張ばかりで疲れたし、お腹も空いた。

スタッフいきつけのご飯処でカツ鍋定食をぺろりとたいらげることができたくらいである。

そして思い返せば雨のときの記憶ぐらいしかない。



二日目はフードエリアの道をなんとかするべく、落ち葉をかき集めては泥にかぶせていく。

よく考えたな〜なんて思いながら、落ち葉を集めていく。

季節は春なのにここには年中落ち葉がある。

かき集めている頭上から、また葉が落ちてくる。

ありがたいことである。


二日目は太陽がチラリと顔を出した。

テントばかりだった(仕方のないことだが)昨日とは変わって、

作家さん思い思いの展示になっている。

とくにステキだったのが「ミドリノヒビキ」である。

テントが外されたブースは3人の作家さんに一体感がうまれていた。

惚れ惚れするぐらいステキだ。



二日目は作家さんとお話する余裕もあった。

今回のテーマ“green”についてもお話を伺うことができた。

ある作家さんはこのテーマがあったから、申込をすることができたと言っていた。

またとある作家さんは、今回のようなテーマがあることで常に挑戦していけるとも言っていた。

そんな話をきいていると、よかったなあと心から思う。

全員が全員そうではないかもしれないけれど、それでもそういった言葉をいただけると

本当に安心するし、よかったんだと思える。


今回はじめて設けたテーマで新しい出会いがうまれた。

それは会場でのことかもしれないし、自分自身の中でのことなのかもしれない。



開催中は大変だった。

でもやりながらこの場を守らなくてはとも思った。

当たり前で見過ごしていた輪郭が雨の所為で見えてくるのはなんだか癪だけど。

そして雨はもう勘弁だ。

やめてほしい。切実に。


開催後の月曜、火曜は雨が降った。

土曜日のときより、強く、激しい、打ち付けるような雨が、止むことなく降り続けた。

あの奇跡的な晴れ間が奇跡的に開催日にあたったのだ。

たくさんの企画が動いていた。

それはスタッフも。作家さんも。

窓から外を眺めながら、本当によかった、と思った。



たくさんのひとに支えられながら

むかえることができた10回目です。

ほんとうにありがとうございました。

これからもどうぞよろしくおねがいいたします。 



・・・・・・
次回開催は2015年10月10・11日
申込期間は6月29日消印〜7月29日事務局必着まで
出展者発表は8月10日
・・・・・・




2015年春季「g r e e n」開催を終えて。


今も鮮やかに蘇る、その記憶を残して、



節目となる第10回目は

「g r e e n」をテーマのもとに開催。


g r e e n

グリーン


春の新緑、

緑に覆われた会場、


それらは全て、この時期あの会場に予め用意された約束。



スタッフ内では、


「緑が時の経過と共に色濃くなるよう

 自分たちもまた

 未熟から成熟してゆくことを目指したい。

 それが私たちにとってのグリーン。」


というようなことを話し合った。



スタッフ個人の企画から、

全員で進めるものまで、

様々な取り組みを行ってきた。


現場はおおよそいつも通り進行し、

場外から持ち込まれる大きな問題もなく無事終えることが出来た。

現状維持。


各自の企画は、初日の雨に悩まされながらも、

どうにかこうにか形にすることが出来た。

個々が自身の生きる時間に頸木を打ち込み、

足跡として残せたもの。

個々の変化と、いくらかの成長。


全員で進めてきたこと。

それは「つくり手の声」、シンプルなインタビュー。

時に立ち尽くし、滞りもしたけれど、

それも必要なステップであったように思う。

無事着地した、結果が全て。

出展者とのQ&A。

これは今後のAC静岡のスタンダードになってゆくことに決定。


私個人。

前日準備の重労働で無理矢理上がるテンションが雨のお陰で出鼻をくじかれた。

(テンションがあがるとは、見た目じゃなく、

 たぎるアドレナリンのようなもの)

見えない何かより、見える何かをやってゆこう。

現場にある隙間を埋めてゆくことにシフトチェンジ。



長いようで短く、

短いようで長かった2日間。


そこであらためて感じたこと。


工芸やクラフト、

作家やつくり手、

そんな呼び名は数あれど、

そんな表札のことなど問題ではなく、

現場で感じたアレやコレに耳を傾け、感じてゆくこと。


例えばそれは、

日常生活のなかで、美味しいものを食べ飲むと、

自分がいくらか良き人になった感じがすることがあるように、

真摯に作られたものを手にすると、

自分の人生がいくらか豊かに、且つ、穏やかになれた気がする。


それはきっと、

個々の手からつくられた、真摯なものに宿る魂のようなものに影響されて。


成熟への一歩を踏み出したARTS&CRAFT静岡手創り市が進むべき道は、

そのことに関わり続けること。

そしてその時々で、自分たちで舞台をつくってゆくこと。



新緑から時を経て深まる緑

未熟から成熟への象徴としての

" g r e e n "

* g r e e n 開催の経緯について*


ご参加ご来場、誠に有り難うございました。

次回開催は、

2015年10月10・11日。


皆さまとお会い出来ることを楽しみにしております。



(前日準備から本開催の三日間の日記はまた改めて…。)


ARTS&CRAFT静岡手創り市

名倉哲






2015春季A&C静岡開催:開催します!


現在(4/11 AM5:00)、護国神社は小雨が降っていますが、予定どおり開催します!
予報では、午前中で雨が止むとのことですので、是非ご来場ください。

今回で、十回を迎えるARTS&CRAFT 静岡手創り市。
様々な企画と、個性あふれる作家さん、そしてスタッフ一同でお待ちしています!
※企画に関しては、こちらを参照ください
是非是非、ご来場ください!






2015春季「g r e e n」開催まとめ


2015年春季「g r e e n」
ARTS&CRAFT静岡手創り市会場は
自然豊かな環境で穏やかに、静かに熱く。
成熟の入口に立ち、今。
4月11・12日開催!!

全国のつくり手、140組を越す出展者が参加しております。



 
 

*上記画像をクリックしていただくと詳細のページへ案内されます*

 

↓せっかく静岡きたのなら、くうねるあそぶをぜひどうぞ↓ 

 
        ↑clicks↑                 ↑clicks↑




「お願い」
ARTS&CRAFT静岡会場にはご来場者専用駐車場は御座いません。
また、参加者の方、またその作品を撮影の際にはひと声おかけしてご確認下さい。

http://shizuoka-info.jugem.jp/?eid=607



新緑から時を経て深まる緑

未熟から成熟への象徴としての

" g r e e n "




ARTS&CRAFT静岡手創り市






ミドリノヒビキ 繋がる想い。




初めはとても漠然としていました。

ミドリに包まれた会場で、ミドリをテーマに何ができるのだろう…と。


3人と、何かしたいと思ったのは、

この3人の作家さんのことをとても好きだから。

私の生活の中で、3人の作品はいつも傍らにあり、

そう、今だって前田さんのカップでコーヒーを飲みながらこれを書いています。


ARTS&CRAFT静岡手創り市には初期の頃から参加してくれた3人。

初めてきちんと話したのは、多分東京、雑司ヶ谷の会場で。

それぞれ別の形で話したけれど、

作品への想いから、生き方が伝わってくる、そんな時間でした。


3人と、ミドリ。


「お茶室」が浮かんだのは、3人の作品が、それぞれもちろん表情は違うけれど、

そこに向かうときに、背筋が伸びるところがあるからかもしれない。

日常であり、憧れである。

お茶は日常であるけれど、お茶室は特別。


春のミドリの護国神社の会場で、区切られた箱の中で、

3人の作品を、光と共に魅せられたら…と思い企画しました。


そして、企画を進めていく中で、そこに向かう4人の想いを、

リレー形式で文章にすることにしました。

言葉という形にすることで、想いがより具体的になり、より響き合える。

言葉をつくる時間、言葉を待つ時間。


それは、3人の作家さんの想いを、私の想いとヒビキ合わせてつくる、

ミドリ溢れる時間です。


 


やわらかな春の光を

まぶたに感じながら耳を澄ますと、

ミドリの息吹が聞こえます。


響き合う3人の手から生み出された 

その、新しい音色は、

ていねいに、おだやかに、

静寂の中に注がれていきます。



スタッフ 川手幸子 

 



切りとられた景色


切りとられた空間


内と外


光と土と緑で繋がり


根の深いところで響き合う


こころの景色



前田美絵

http://maedamie.com




手を引かれるまま迷いこんだこの森に、

新しい芽がたくさん風に揺れているのを見たはじまりの時。

覚束ない足元と、不安で一杯のこころは、


いつしかこの土の心地よさに惹かれていた。


自分も皆のマネをして、力一杯手をひろげてみるのだけど

頼りない根っこなもんでちょっとの風にもグワンと倒れそうになる。


五年がたち、雨に風に地震まであったけれど

心震えたときほど、きっと根はのびていたようで

少しだけ強く響かせることのできる

自分の土と想いを手に入れていた。



いつも聴こえてくるあの音色は

ミドリの衣をまとった素敵なあの子とキラリと格好いいアイツだ。


見た目も好みも違うけど

自分達だけにしかだせない音がある

さぁ行ってみよう、呼ばれる声がする方へ。


光溢れるあの小屋へ。



近藤康弘

http://400pottery.exblog.jp




目に見えない何か。


信じられないくらいに曖昧で、信じられずにはいられないもの。


時に言葉にならず、時に言葉に隠れてしまうものは、

薄曇りの神社の境内で、共有する時間の中にじんわりと滲んでいった。


脚の裏で触る、木の根。

湿り気を増した土。


ディスプレイの上で揺れていた朧気な文字は、熱と背景を手に入れて、

しっかりと質量を持ち始めた。


根が水を吸い上げる音。

枝先はいつも、それを待ち侘びていた。


意味の裏側で怯えているものを、無意味の力で引きずり出した。


森が勢い良く音を立てた。

風は春の静岡へと抜けていく。


共有する景色と時間の中で、目に見えない何かを手に入れた。


まるで緑の波みたいな。


ミドリノヒビキを。


yuta 須原健夫

http://www.yuta-craft.com


・・・


【 ミドリノヒビキ 】はエリア5にて開催致します。

ぜひともお越し下さい。


スタッフ 川手




新緑から時を経て深まる緑

未熟から成熟への象徴としての

" g r e e n "




ARTS&CRAFT静岡手創り市





【 ル ポ 】考える g r e e n 〜つくること〜 後編 (スタッフ高木)



 * 考える g r e e n 〜つくること〜 前編 *



初めてのことはいくつになっても緊張するものだ。


ここは埼玉県の某所。

僕たちは約束の場所でバスを降りた。

そして、ほんの少しの時間の後、辻さんがバス停まで車で迎えにきてくれた。

僕たちは車に乗り込み、辻さんの工房へと向かった。


しばらくぶりの辻さんはあいも変わらず、ハキハキしており、好奇心の塊のような方だ。

猫背で舌ったらずな僕とはまるっきり対照的。

そんな辻さんは、生活で使う器を中心とし、花器などを製作されている。



「いつもの器というのが理想です。”いつも使っているやつ、それ取って” みたいな。」


そう語る辻さんの作品は「シンプル」

たどり着いた「シンプル」

いつもの器というコンセプトにヤスリをかけ続け、最後に残ったもの。


形はくっきりとしていて、「削ぎ落とす」という言葉がピシャリとはまる。

色は、白、黒、グレーがメインで、料理をのせることで「色」を持つ器。

そんな姿が、僕はたまらなく好きである。



さて、車に乗って、5分ほどたっただろうか。

辻さんの工房にたどり着き、辻さんの旦那さんが出迎えてくれた。

いつも手創り市にきていただいていて、非常に社交的な方。

まったく僕が見習いたいくらいである。

僕たちは案内されるがまま荷物を置き、少し休憩したあと、工房内の見学へ向かった。



ここは、辻さんの作品の原点。

土練機があり、轆轤があり、作業机があり、水道があり、窯がある。

辻さんは、考え、悩み、ここで作品を生み出している。


器は料理をもるための道具であり、そこに料理があって初めて成立するもの、

と辻さんはいう。


時代とともに料理の内容、家族の形態は変わっていく。

その中でも、いつもの器を目指して。


― 隅々まで納得した作品を作る

― 提供する作品のばらつきを減らす


そのためにプロセスを考え、不必要なものを削ぎ落とし続ける。

作品に触る手数を考え、挽いた器の断面を切って中まで美しくできているかを突き詰め。

丹念に、自分の理想の器を追っていく。


コンセプトを創り、プロセスを構築し、理想とする作品の範囲におさめていく。

そのプロセスには様々な苦労があり、こだわりがある。

これは、どの世界でも通用するものづくりの過程。

僕たちの手に取る作品の裏側で見えないもの。

でも、そのように創ることに執着したからこそ、生まれた作品たち。


そして、その作品たちを手にとって観てほしいから、展示方法にも頭を悩ませる。

いつもの器を目指しているからこそ、やはりまずは手に持ってもらいたい。

だから、値段のシールは器の後ろに。

触った上で、観た上で、「これいくらだろう」と思ってもらえるように。



価格の設定も非常に悩ましい。

作品の価格は、人にとって一番わかりやすいものさしだ。

作家さんは、基本的に1つの作品を作るのに時間がかかる。

作品を売って食べていくためには、時間がかかる分価格を上げなければ飯が食えない。

そこで価格を下げたらただのボランティアになってしまう。


では、時間がかかることで、できることはなんだろうか。

時間がかかるということは、その分一つ一つに気配りができるということだ。

作品に付ける値段に責任を持ち、覚悟を持って日々作陶に取り組む、

1つ1つをじっくり観察しながら、作品を納得いく範囲で創りこむ。

だからこそ、作品に説得力がでてくる。


ほら、綺麗ごとを並べているように見えるだろう。

自分で見ても、客観的に見たらそう捉えてしまう。

でも、実際の辻さんとその作品たちを文字に起こしてみたらそうなのだから仕方がない。


じゃあいったい、なぜ綺麗ごとに見えるのか。

それは、今の時代がそうさせてしまっているのではないかと僕は思うのだ。



近年の、様々なSNSのサービスを例に挙げよう。

SNSには、写真を投稿したり、ちょっとした思ったことを投稿できる。

たとえば、写真をサクッと加工して、なんとなく良い雰囲気にもできたりする。

そして、気楽にそれにいいよねっていうのをもらって満足できる。


ただ、そこで少し立ち止まって考えてみてほしい。


‐‐ 簡単に加工した写真で、感動したことがあるだろうか。

‐‐ いいよね、は心が揺さぶられてでてきた反応だろうか。


時間というコストをかけず、大量生産された作品が氾濫する中で、

作品に執着し、人にグッと訴えるものが霞んでしまっているのではないか。


作り手は作品にかける想いがある。

誰かにしろといわれたわけではない、生まれ出る素直な欲求。

自らの理想へ挑戦し、考え、悩み、でも貫く。

そこに執着し続ける。


そして―――それは結果として”作品”になる。


だからこそ。

時間があるならば、是非とも作品をじっくりと触って、じっくりと観て、

その想いを感じてほしい。

そこに作家さんがいれば、作品を片手にじっくり話を聞いてみてほしい。



帰りの電車の中、心地よい暖房にまどろみながら今日一日を振り返る。

作り手と使い手が、握手して、時を紡いでいく。

そこには美しいと思うほどにまでに執着する作り手がいて、作品があったのだった。


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僕がスタッフになって感じたことは、モノへの執着の大切さである。

そのように作られた作品は、その人自身を投影する。

そこに惹かれるようにして、人がつながっていく。

僕と辻さんがそうであったように。

手創り市にはそういった出会いがある。


モノへの執着の大切さ。

僕は、これが、ARTS&CRAFT静岡手創り市の本質であると思っている。

だからこそ、選考を行うのだ。




" g r e e n "

僕らはまだまだ、成長の真っ最中。

もっともっと、執着し、磨き上げていく。

作家さんと、会場に来ていただける方々と共に


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※ご意見・ご感想は shizuoka@tezukuriichi.com 宛てまでお気軽にどうぞ。


スタッフ高木


・・・


*2015春季「g r e e n」出展者紹介*


*運営スタッフ募集*




新緑から時を経て深まる緑

未熟から成熟への象徴としての

" g r e e n "




ARTS&CRAFT静岡手創り市





つくることを見つめて…

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手創り市という場をはじめて、
半年後には10年目にはいる。

20代後半から30台後半に差し掛かり、
あっという間の月日がたったように感じるこの頃。

つくりたいものをつくり、
自分が納得する値段をつけて、
これどうですか?
と提示する作業。
その果ての場。

東京での出来事、
静岡での出来事、
時にまぜこぜに、
時に使いわけてきたつもりだけれど、
結局のところ、どうだかわからない。

ひとつだけ確かなのは、
ARTS&CRAFT静岡手創り市が始まり、
よりつくることに近づけたこと。

おそらくこれからも
自分が見たい場所
感じたい場所をつくることを求めてやってゆく。

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いわもとまきこさんの作品を見つめて
改めて感じた、それらのこと。

食事会の舞台に立ちつつ、
自らの作品も並べます。

開催まであと8日。

皆様と会場でお会い出来ることを楽しみにしております。

名倉哲



新緑から時を経て深まる緑

未熟から成熟への象徴としての

" g r e e n "




ARTS&CRAFT静岡手創り市






未来のあなたへ by OHNO CAMERA WORKS (2015年春季)


「未来のあなたへ ひと、もの、つなぐ」

 ご自分の大切にしているモノ、

 わたしと、あなたと、

 ご家族、ご友人と、

 大切な方との一枚の写真を一緒につくりませんか?


 OHNO CAMERA WORKSさんによる"未来のあなたへ"

 2015年春も開催致します!!


日時: 2015年4月11日・12日 9:00〜15:00(雨天中止)

料金: 2500円(写真+マット代含む・送料別)

撮影場所: A&C静岡会場・フードエリアNo.8付近

*受付は「未来のあなたへ」撮影場所で行われます*


      

↑マップ★印は受付と撮影の場所となります↑

*受付からお渡しまで*


①会場★印の場所にて受付と料金のお支払いをして頂きます。

↓         ↓         

②受付後、撮影にはいります。

↓         ↓         

③撮影を致します。撮影は3回シャッターを押します。

 お渡しするお写真はカラー写真となりますので予めご了承下さい。

↓         ↓         ↓

⑤撮影終了後、受け渡し方法の確認を再度行います。

 受け渡しは「店頭受け渡し」か「着払い郵送」のいずれかとなります。


*店頭受け渡しの場合*

OHNO CAMERA WORKS までお越し下さい。

静岡市葵区駿府町1-46 tel 054-252-2364 営業:9時〜19時30分 木曜定休


*郵送着払いの場合*

氏名・ご住所・電話番号の3点を

撮影終了後に受付にてご確認致します。




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