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くらしのこと市を終えて。(荒巻)


2015年のくらしのこと市が、無事終わりました。

はじめての2日間の開催。


ここに至る道のりには大変なこともあったけれど、

とても楽しい二日間となりました。



朝、まだ暗いうちに起き、身支度を進め、

昨年のくらことでお迎えしたCo. & Kokoroneさんの靴を履く。

靴紐を結びながら、もう1年経つんだな・・としみじみ。

またこうして、この日のことを振り返る出会いがある。

今年はどんな出会いがあるだろう。

ずっと楽しみだった。ドキドキとわくわくを感じながら、会場となるSATOへと向かった。



初日は怒涛の勢いで過ぎていった。

わたしは受付を担当していたが、受付の設営から作家さんとのやりとりなど

やらなければならないことがたくさん。

受付担当の松村ちゃん(いつもの呼び名じゃないからしっくりこない)は初めてのくらこと。

護国神社にはない会計ブース、そこでのやり取りや流れを教えていく。



10時。くらしのこと市が、はじまった。

昨年と比べて、とても静かで穏やかだった。それは怖いくらいに。


少しの不安を感じながらも、それじゃあ!と思い作家さんのもとへ足を運ぶ。

私の好きな作家さん、只木芳明さんは今回くらしのことカフェで使用するお箸をつくってくれていた。

上部の細工がひとつひとつ違い、どれにしようか迷う。

この黒い漆のやつはガシガシ使っても大丈夫です、と教えてもらいながら、迷う。

そして一番目を引いたお箸を、二膳。黒と白。

そして色が美しかった茶さじをお迎えした。



伝票をもって会計ブースに向かうと、そこにいるスタッフに聞かれてもいないのに自慢をする。

そうして「じゃあ交代するから、見ておいで〜」「行ってきます〜」と松村ちゃんを見送って会計ブースに腰かけた。


会計ブースからは会場の入口と「 r o o m s 」「くらしのBOOKS」の景色がよく見える。

でも、一番見えるのは作家さんとのやりとりを終え、伝票を持ってくる人たちだ。


会計ブースにいるのはスタッフで、来場者の方にとってみれば知ってる人ではない。

尊敬する大好きな作家さんたちに抱くような、何かしらの関係性はそこにはない。

やってくる人たちは冷静で、いたって普通である。


でも、

「あの作家さんの作品を買われたんですね!いいですよね〜!」

なんて、嬉しくて話しかけると、今までが嘘のように

「そうなの!ちょっと高くて迷ったんだけど、でもこれだ!って!手に持ってそう思ったの!」

と、嬉しそうに話してくれる姿は、私たちも本当に嬉しくて、互いに笑顔になってしまう。


「あの作家さんのお猪口を買われたんですね」と話しかけから、

「これからの季節に、ね」とニヤリと笑った年配の男性。ステキだった。


会計ブースに来るのは来場者さんだけではない。

作家さんも楽しそうにやってくる。

そしてスタッフも。

「なに買ったんですか〜」

「あそこにあったあれだよ」

なんて話をする。


初日は自分に余裕がなく、あまり会話ができなかったけれども、

二日目、会話を目標とする高木さんに倣って、積極的に話しかけたらとても幸せなひとときをたくさんいただいた。



初日の夜。

作家さんとの懇親会。

それぞれが思い思いの夜を過ごしている。

朝が早くても、みんな火を囲んで肉を焼き、お酒を酌み交わし、談笑している。

くらこと、そしてスタッフだからこそ見える景色。

昨年もそうだが、やっぱり好きだな〜と思う。


そして今年は「よるの教室」がある。

開催中は参加ができないスタッフや作家さんにむけた、いわもとまきこさんの教室。

小さな室内にたくさんの人が集まり、みんなあれこれ考えて注連縄をつくる。

みんなでわいわいと作業する時間、これはきっとないことだ。

この場を考えてくれたスタッフのはしもとさん、それを引き受けてくださったいわもとさん、本当にありがとうございました!!

(作家さんの注連縄はやっぱりどれもステキだったな〜)



二日間の開催はわからないことだらけで不安だったことと、

二日間だからこそ楽しかったことがある。


不安だった二日目も、一日目と同じように落ち着いていて、優しい時間が流れていた。


まだまだ考えなければならないこともあるだろう。

でも今はこの楽しさを噛み締めていたい。


(そして今回お迎えした作品をまた一年、思う存分使おうと思う。)


荒巻



【2016年ARTS&CRAFT静岡春季開催について】
開催日:4月9日(土)10日(日)
申込期間:2015年12月28日〜2016年2月3日必着まで
出展者発表:2月14日






【11月21・22日開催】くらしのこと市・まとめ


2015年11月21日・22日


【 く ら し の こ と 市 】

公式ホームページ

http://www.kurakoto.com


静岡市足久保にある木藝舎・SATOにて行われるARTS&CRAFT静岡主催のうつわを中心とした市。日々の食卓を彩るうつわのつくり手が集い、使い手と繋がることで、今よりもすこしだけ良い毎日が交差する。うつわのつくり手を中心に、暮らしを彩る道具、素材にこだわった食品を提供するお店も参加を致します。


***2日間で全25組のつくり手が参加を致します***


↓2日間の間にはさまざまな教室が↓


【その1】
注連縄かざりのリースづくり(11月21・22日両日開催)

【その2】

【その3】
ボタニカルサシェづくり(11月22日のみ)




*場内マップは下記をご参照下さい*
 画像をクリックして頂くと更におおきなマップをご覧頂けます。

……





ものを見る。


ものを見据える時に必要な光と影。
どちらかというと、陰がさす時に、そのものが持つ、色香のようなものがあらわれる。

作家さんの作品を購入する時にすることといえば、自宅に持ち帰った時にこの器をどこに置こうか?ということ。
使うことを前提とする器や道具だけれども、置かれた状態を想像することも大切だと思うから、そんなことを夢想する。



今年の「くらしのこと市」では、くらしのギャラリー r o o m s という場をつくり、今年のテーマは「Objects」。
そのものが持つ気配や、制作者たる作家の形へのこだわりに向き合ってもらいたい。そのことを、自分なりに想像してもらいたい、ということからそんなテーマにした。

作家との会話。作品についての問い。とても大切なことだと思います。
と同時に、ものと向き合うことで得られる時間とその隙間から盛れてくる感情。
そのことも大事にしてもらいたいし、受けた感情を目の前にいるであろう作家に伝えてもらいたいと思う。


さきほど、陰が大事、というようなことを書いたけれども、陰のあとに光がやってくると、そこから先は生活を想像するような感覚になる気がします。
ものと向き合ってばかりでは疲れてしまいますから。
開放され、気持ちよく使う。
それがふつうの暮らしじゃないかな?そんなことを思います。


11月21日22日は静岡市足久保の山中にて「くらしのこと市」を開催。
ぜひともご来場下さい。

名倉哲






森のCAFE-言葉と絵の実- からの気づき(スタッフ一生)

森のCAFE-言葉と絵の実- からの気づき 



2015年秋季ARTS&CRAFTが終了して一ヶ月が経った。


その間は、開催についての感想、反省やら思うことなどを振り返り、

その中でも、企画担当を進めてきた森のCAFEについての思ったことを。



今回は、「言葉と絵の実」で繋がりをテーマに、

会場で感じたことを、お客さんは様々な形をした紙に、

言葉と絵で思い思いに書き残してくれました。


落葉テーブルには、その実が驚くほど敷き詰まっていました。


その集まった一枚一枚の中で、

特に印象深いものを写真で紹介したいと思います。

(どれも紹介したいんですが。。)



作家さんの作品やフードについて良さを伝えたい思い。

これを見たら、思わず作家さんのもとに行きたくなりました。

こうした声がキッカケや繋がりを生むのかも?!


素直な気持ち。嬉しいです!


絵とシンプルな言葉に思わずニッコリとしてしまいました。



これらの言葉と絵によって、人と人が繋がり、

会場にも流れが生まれたのではないかと思いました。


その流れは、お客さんの中で生まれる思いを、

他のお客さんが読み取り、想像したり笑ったり。


親子で楽しそうに書いている様子、

落葉テーブルに並ぶ紙を見て触発され書こう!とする人などなど。


紙一枚からの繋がりと流れは、一人一人のお客さんが書く(描く)時間の蓄積の結果。


全てに目を通してみると、それぞれの物語や世界、ヒントも。

スタッフからは残してほしいとの声も多く聞かれた。


今回の森のCAFEでは、お客さんが参加をし、

書く(描く)という行為から生まれる繋がりは様々な可能性があると気付けた。


お客さん同士、

お客さんと作家さんを近づけること、

そこに着目し継続していくことを次にどう繋げていくか、

森のCAFEは、小さな変化の積み上げて少しづつ形づくっていきます。

この場で起こることをキッカケとして、繋がりが生まれる場を次回も。


最後に、

企画は一人で出来るものではなく、

スタッフや多くの人のサポートがあっての事だと、

今回の経験より再認識しました。


そして、この場に足を運んでくれ、参加してくれた多くのお客さんに感謝致します。

ありがとうございました。


次回も、森のCAFEを楽しみにお越し頂けたらと思います。

ここまで読んで下さって有難う御座いました。


スタッフ一生



森のCAFE担当の一生くんは今後も森のCAFEを自ら発信してゆく中で、彼自身が少しづつ変化し、ARTS&CRAFT静岡にとっての森のCAFEがどういったものであるのか?そんなことを示してゆくように思います。

そんな一生くんは、週末21日22日に開催されるくらしのこと市の「くらしのBOOKS」を担当します。会場で彼を見かけたらお声がけくださいね。 名倉









jewelrychocolate。撮影のこと。




10月28日。

キャトルエピス静岡店にて来年2月に開催される
「jewelry&chocolate」のメインビジュアル撮影を行いました。

現場に立ち会ってくれたスタッフさんは、
サノさん・ミナミさん・タカベさん。
今回で3回目となる撮影は、これまでよりもスムーズに、
そして和やかな空気のなかで行うことが出来た。

先日、撮影時のドキュメントのような写真が届き、
さらに数日前のことを思い出しました。


スタッフTくん。彼が言ってた言葉。

「ひとりで出来ない人間が、人を集めてなにが出来るんだろう?」
「ひとりでやれる人が集まった時こそ、いいものが出来るはず。」
「そういえば、名倉さんって、ひとりで企画することがありますよね。」

そんな話をしていて、言葉に詰まった。


ここ数年、再び独りで企画をたて動くことを意識的にやっている。
それは1年のうち、1度か2度のこと。

いわゆる「みんなで物事をつくってゆく」という苦手なことに、
「やらなければ…」と意識を持ち始めた5年前。
今でもそれが出来ているのかわからないけれど、
苦手なことをやり続ける楽しさもあり、
うまく出来ない自分に苦々しく感じることが多々ある。

反面、ある時「みんなでつくること」だけに不安を覚えてしまった。
正確には、自分に対する不満と不完全燃焼。

そのことを思った時、年に1度か2度は個人活動をやってゆこう。
そう決めた。

個々人がなにかをつくり、表現すること。
そのことを、しっかりと自分だけの責任でやりきる場に身を置いておかなければ、
目の前に数多いる作家のことが見えなくなるかもしれない。その想像力。

ひとりで行動しないことへの異議は、
結果、目のまえにいるであろう作家に何も言えなくなる。
なぜならそれは、「権利は平等、ものを云う資格はまた別の話」
という自分にむけたルールがあるから。

5年前に比べると幾らか「みんな」というものに対する意識は違うし、
ずいぶんとポジティブになったかもしれない。
けれど、人の根っこは5年かそこらではそこまで変わらない。

どこまでいっても、ちいさな個ありき。
それが考え方のベースであり、個々人の欲望を整理して、つくりだすもの。
そこに興味があり、つくったものが個々人の道になる。


個人企画で始めた「jewelry&chocolate」も3年が経つ。
そこで現れる個と向き合い得られるものは、
つくり続ける為のエネルギーと少し先の未来への肥やし。

個人という窓を開けた時に感じる確かなものは、
「人は独りで生きている訳ではない」という、至極当たり前のこと。
そんな当たり前を実感できることに感謝し、2月にむけて歩き続けよう。









「これまで、そしてこれから」


11月7日。

もうすぐ開催されるくらしのこと市の会場、足久保のSATOにて秋季開催の手創り市の反省会がおこなわれた。

その日はくらことカフェのリハーサルも兼ねていて、私もお手伝いでいつもより早めに会場へ。


チパコヤさんのエプロンと、清水美紅さんのスカーフで準備万端!

学生の調理実習以来の三角巾をしたら、カフェスタッフの横をちらちら。

カフェスタッフが野菜を切り終えると、任された器の準備とお芋のひげをとっていく。


机の上に並ぶ器を見ながら、

「やっぱりこの器いいね〜」

「これはだれの?」

とそれぞれの感想がこぼれる。

器に料理が盛られるその前のひととき。

わたしはここに何を盛り付けるだろう、どんな料理が作りたいだろう。

そんな妄想をしつつ、器の触感を確かめる。



そうこうしているとスタッフが集まりだし、10時から反省会がスタート。

始まる前から、なんとなく、みんなが口をそろえて言うであろう反省点は同じ。

それは開催中に誰もが感じ、そして名倉さんから2日目の朝に告げられていたから。


なので、じゃあどうしたらいいのか。

なにをしていかなければならないのか。

そこから話がスタート。


できたこと、できなかったこと。

全員が理解できる運営方法。設備準備。


開催時、現場では予想していないことが起きる。

それは大なり小なり。

その場に自分ひとりしかいなく、

迅速な判断が求められるとき立ち止まらないために、

ひとりひとりが理解できるかたちを作ろう、と

自分に挑戦を課すスタッフがいた。

高木さんである。


大変だ、というのが直感でわかる。

でもそこに挑むのが、とても高木さんらしい。

どんなかたちになるのだろう。

なんとも言えない高揚感を感じた。



続いては、私荒巻から来年の春開催の小屋企画について。

事前にスタッフ全体に向けて案内はしていたが、

いざみんなの前で説明するとなるとどきどき。


より伝わりやすいようにと、家から準備してきたものを机に並べ、懸命の説明。

なぜこの企画なのか。

誰に届いて欲しいのか。

当日どんなことをしたいのか。


話をしていると、他のスタッフから意見が飛ぶ。

なぜ。

こんな場合を考慮したほうがいい。

これこれこうだから、こうしたほうがいい。


他のスタッフも同じように悩んだり、考えてくれたり、

そして助け舟を出してくれたり。

ありがとうがいっぱいの時間だった。

(N氏に企画を乗っ取られる不安と場のアウェー感で、いっぱいいっぱいだったけれども)


企画を一緒に進めてくれるスタッフも、わたしの想像以上に手を挙げてくれた。

ほんとうにありがたい。

頑張ろう。

頑張らなければ。



これまでを踏みしめて

これからへ。


2016年の春の開催に向けて進みます。


荒巻








2015年秋季ARTS&CRAFT静岡日記・後編



2015年秋季ARTS&CRAFT静岡日記・後編




10月10日朝。

2日目の朝、止まぬ雨のなか出展者の方々の搬入が始まり、男性スタッフ達は会場の泥さらいと、一部出展者の壊れたテントの補修、水没する一部参道の対応で会場に散らばっていた。

目の前を通り過ぎる男性スタッフ陣を尻目に、私は小屋の展示準備をする女性陣に混じって作業をしていた。企画を立ち上げた人間として、終わりがやってくるまで、少しでも企画をよくしてゆく当たり前。汚れ仕事で駆け回る、同じく当たり前のことやる男性スタッフ。ふたつの当たり前に揺れていた。

とにもかくにも、準備は完了。
気持ちは晴れずとも、お天気だけは晴れてくれ。
そんなことを考えつつ朝の時間は過ぎていった。


今回の小屋企画は、取手のないカップだけをあつめた展示会「MY CUP IS …」
初日のみの開催だったけれど、展示スペースの隣りでは珈琲カブさんによる関連ワークショップが行われていた。事前のリハーサル時に交わしていた言葉を、丁寧に時間をかけて、そして平易な言葉でワークショップに参加するお客さんへ語りかけている様子を見て、改めて彼にワークショップを担ってもらえて良かったと思った。
今後、彼は珈琲とチョコレートのお店をつくるらしい。
穏やかで、実直な彼のものづくりにこれからも注目してゆきたい。


10時手前。
「お昼には止む」と言われている雨だったけれど、一向に止む気配はない。
けれど、沢山の来場者があって、そのことが出展者の方々のみならず、泥さらいをするスタッフにとっての支えであったように思った。

「たくさんのお客さんで嬉しいですね。
 雨でダメかなと思っていましたけれど、びっくりしました。」

ほくほく笑顔で話しかけてくる出展者の方。

「ご苦労様です。
 雨、大変ですね…。
 初出展でこれですから…。
 心が折れそうです…。」

無理した笑顔で話かけ、正直におっしゃる方。

「今回で3回目の出展なんです。
 今は、やってくるお客さんと話をしつつ、
 雨が止んだ時に展示を一気に変えたい。
 そんなことをお隣の方とも話してました。」

前向きに明るい決意を見せる表情はかっこよかった。

なぜかこの日の午前中は妙に話しかけられた。
感じ方はいろいろだけれど、話しかけられたことによって改めて思ったことがある。

「止んだ時に見てろよ。」

始まってしまえば出来ることは少ない。けれど、少しでも「良くなるかも…」という兆しがあれば変えることに躊躇はしない。変えてなにかが劇的に変わる訳でもないかもしれないが、手を下さなかった時の後悔だけはしたくない。半年に一度しかないこの時間。その一瞬。その積み重ね以外に成長や前進はないのだから。


今回、新たな試みとして主に焼き物をつくる出展者の方にむけて提案をしてみたことがありました。結果的に、提案しきれた…とは言えないまでにも、今年はスタートラインに立てたことで次を見据えたい。そんな提案の企画であった。


「MY CUP IS ...」とも連動していた企画は、エリア1に出展していたRustさんの植物を使って、その場で作家さんの器に寄せ植えが出来るというもの。
次回はもっともっとよりよいものにし、もっともっと出展して頂く方々に関わってもらいたい。そんなことを思い、2日間が終了しました。


お昼過ぎ。雨が止んだ。
様々なことが同時に、一気呵成に動き出した。

「MY CUP IS …」ではテントを外して、展示の形態を大幅に変更。
器にそそぐ太陽の灯り。それまでテントの暗がりの下で展示されていたので、まずは光をあてたかった。それは感覚的なもの。
テントを外し、展示を入れ替えたその瞬間から多くの方に作品を手にとっていただき、その光景に、その場にいたスタッフと共にぐっときた。

場内の、濡れてはいけない看板を改めて並べていると、とある出展者の方が声をかけてくれた。
「最後までがんばりましょうね。」
たったそれだけの言葉。けれど、それ以上にその時の心情を表す言葉はないように思えた。

一生くんから「森のCAFEを手伝ってください〜」というオーダーがトランシーバーから流れた。誰がやるんだろう?誰にお願いしてるんだろう?というハテナが浮かんだその時、高山が「手が空いてる人は出島で来てください〜」という応答?が。さらにそれに応えるように「みんなはいらねえでしょ」と冷静な声。敢えて正解は言わないけれど、現場の様々なエネルギーが一気に溢れバランスを崩しそうになっている瞬間を感じた。実際、それは問題なんだろうけれど、それはそれで悪くはないと思った。



すこし落ち着いた頃、ようやく「森のCAFE」にお邪魔することが出来た。
その時間は僅かだったけれど、たくさんの言葉の実が展示の台に飾れられていた。
目に見える結果は本当に心地がいい。やってよかったと思えるだろう。
と同時に、次に何をするのか?そのことを思った。
担当する一生くんを中心に任せてゆきたい。


そろそろ締めを。

今回の2日間の開催は、先のふたりのスタッフブログ記事にもあったように、内々のことで、スタッフの誰もが問題意識を持てた2日間だったように思う。

中堅どころがいなくなり、ぽっかりとあいた穴を知ってしまった私たち。
けれど、そのことを誰のせいにする訳にはいかなく、改めて皆の意識と行動をもって空いた穴を埋めてゆこうと話し合った。

全員がやるべきこと。
男性スタッフだからこそやるべきこと。
女性スタッフだからこそ気づけること。

その上で、2日間の流れを見直し、A&C静岡らしさをつくってゆこう。

ARTS&CRAFT静岡手創り市は、これまで以上に現場の動きを精査し、また、それと同様にスタッフが発信してゆく小屋企画をはじめとする様々な事柄にチャレンジしてゆきます。

次回の開催は、2015年4月9日・10日。
ぜひともご来場下さい。

ここまでお付き合い下さって有り難う御座いました。

名倉哲




ちょっと長めの追伸を。

今回初参加のへとへとだったスタッフはこんなことを言っていました。

「今回、私は初めての参加なんですけど、これまでいた皆さんにとっては反省の多い開催だったかも知れません。けれど、事故も、怪我もひとつなく、無事終わることが出来たこと。当たり前のことかもしれませんが、それは大切なことだと思います。」

そんな風に考えたことはなかった私はその言葉が不思議と感じると共に、彼女のふつう過ぎる気づきに共感を覚えました。

無事閉幕できたら、とりあえず笑って帰ることができる。
大切なことですね。

(おしまい)





本日反省会。。

写真と本文は関係御座いません。

今日は先頃開催された秋季ARTS&CRAFT静岡の反省会を木藝舎Satoにて行います。
半年に一度の開催のあとにやってくる半年に一度の反省会。
これまで在籍してきたスタッフ、新たに加わった4人のスタッフ、皆がなにを話すのかとても楽しみである。

それから反省会を兼ねて、くらしのことカフェの最終チェックもスタッフ全員で行います。
厳しいコメントがあるのかないのか?絶賛の嵐なのか、はたまた別の嵐か?
それは神のみぞ…じゃなくて、担当スタッフの腕次第。(頑張って)

長い一日は、あっという間に過ぎてゆくでしょう。

今日が来春にむけてのスタート。

それではまた。

追伸
元A&C静岡スタッフの米澤さんが企画した二人展「星とニット」がキャトリエピス富士店さんで開催中。私はお邪魔出来ませんが、静岡スタッフがけっこう出入りしているとの噂を聞きました。お近くにお立ち寄りの際には是非!!



名倉哲



 




2015年秋季ARTS&CRAFT静岡日記・前編

さて、明後日、11月7日は秋の開催時の反省会。今回の2日間で感じたことをおさらいし、次にむけて歩きはじめる一日。春の小屋企画もここから生まれます。
今回、秋季開催の日記をようやっとお届け。長文となりますが、ご覧ください。名倉



秋季開催を終えて一ヶ月が経とうとしています。

すでに春にむけて一部スタッフは動き始めていて、さらに言えば、今回の開催の結論はおおよそ出ている。その結論はあくまで内々的なことであるけれど、内と外は密接につながるからこそ、それをしっかりと全員で考え、まとめてゆきたい。個々の意見の相違があって当然だけれど、ひとつの方向性を示さなければ。

週末に行われる静岡スタッフとの反省会を前に開催の日記をあらためて。


10月9日 前日準備。


真っ暗丑三つ時に東京を出発し、いつもよりもかなり早く静岡着。東京から持ち込んだ荷物と静岡に保管している荷物を積み替え護国神社へ。今回の前日準備は普段よりも半数の人間で行う為、段取りよく進めてゆく事をより意識していたからか、作業はスムーズに進む。途中やって来たとあるスタッフと合流し、さらに作業のスピードはあがってゆく。すべては本番にむけて。けれど、この作業の足跡は本番に見える訳ではない。見えない作業にこそ、会場をつくる上での本質が隠されているように思う。


10月10日 初日の開催。


初日朝。搬入前の静けさが好きだ。

私はスタッフ皆よりも数時間前に会場に到着し、場内外の看板など諸々の設置を始め、小屋の展示構成をつくる。
陽の出る頃にスタッフがちらほらとやってくる。
遠くに見える車の灯りが近づいてくると、笑みがこぼれてしまう不思議。
笑顔でがやがやとやってくるスタッフ。
下を向きうつむき加減でやってくるスタッフ。
まだまだ眠そうなスタッフ。
表情はそれぞれだけど、近づく足音、ざっざっざっ。
砂利のこすれる音に力強さと、さあやるぞ、という意識を感じる。

集まったスタッフと2日間の話をし、今回で卒業するスタッフへ初参加のスタッフを紹介。
終わりがあれば始まりも。時間というものは何も言わず待たず進んでゆく。
当たり前なことだけれど、人の出入りがある時に強く感じる。
立ち止まっているわけにはいかない。


6時とちょっと。初日の搬入が始まった。

今回はじめて現場に臨む4人のスタッフ。
新たにポジションの入れ替え、大事な役割を引き継ぐことになったスタッフ。
半年に1度だけの、たった2時間のチャンス。
初日の搬入は喧噪でいっぱい。
ざわつく心のなか。実際にざわつく現場。
時間を追いかけ、時間に追いかけられ。
この2時間が楽しくてたまらない。


搬入を終えて。


今回の小屋企画は、取っ手のないカップだけを集めた展示会「MY CUP IS …」。新たに加わったスタッフ4名に、作品の受け取りから納品チェックをお願いし、企画の入口たる参加作家さんと接するという機会を作ってもらった。いきなりの大事な仕事。はじめての喧噪後(搬入)も休ませる事なく、すぐさま次の現場へ投入。今思えば、随分と強引なことをしたと思うが、早いことにこしたことはない。と、我勝手に合点。


初日も9時を過ぎた頃、場内には沢山の来場者。
今回はこれまで以上にうねるような光景で驚いた。

見知った顔が数人見えたので、立ち止まってすこし話を。

「半年待ちましたよ。
 お目当ての作家さんのところにはすでに行ってきました。
 今後、お取引する作家さんとも話をしましたし、
 あとは仕事そっちのけで、自分のために楽しみますね〜」

初日の朝は、半分仕事・半分遊び?の方々がいらっしゃる。
それはここ数年顕著で、私たちと同世代の作家さんにとっても大事な時間である。所謂商談とはいかなくとも、プレゼンテーションとして大切な機会。だからこそ初日の搬入はどこまでもよりスムーズに、且つ、作家さんにとってもストレスなく進行させたい。


スタッフのローテーションが始まった頃、いつもよりも全体の進行が遅れているような感覚を覚えた。あくまでそれは内々のことで、作家さんや来場者の方々に迷惑をかけるようなものではないけれど、いつも自然と出来ていたことにズレが生じているような感覚。ひずみ。その感覚はすでに数人のスタッフは感じていて、言葉にはしないけれど、いくらかの不安を感じていた。
初日を終えた時、その数名のスタッフははっきりと口にした。

「今日はうまくいかなかった。」
「なぜ?」
「悔しい…」
「明日取り戻しましょう」

きっとぎりぎりのところで苛立ちを抑えていたのだと思う。
こうしたことは、言うだけであれば単なる愚痴。愚痴をはくのは終わってからでいいし、現場ではまったく意味をなさない。皆無。不安を口にし、けれど、絶対に明日取り返してやろう、という意志を示していた。それが救いであり、静岡の伸びしろだと感じた。


初日の夕飯は出展者の方々を送り出してからスタッフ全員で鍋を囲む。そこには夜間警備を担当する方もしっかりと同席。静岡のスタッフは西に東に広範囲で在籍するので、2日目の終了後は、皆で食事をすることがなかなか出来ないので、初日の夕飯が全員が揃う大事な時間である。
夕飯の係は、毎度私名倉が。野菜などを切るのは女性陣たち。その時男性陣たちはよもや話をしている(はず)。
初日が終了する少し前、スタッフのAさんを連れて買い出しに。今回で卒業するスタッフがいたのでお祝いのケーキをついでに買いに行く。買い出しの道中に、連れ立ったAは来年の春小屋企画の話をぽつぽつとし始める。そう、半年ごとの小屋企画は次にむけてすでに動き始めていて、そうでないと間にあわない。ここで話すことは大まかな内容で漠然としたものだけど、とにかくあれもこれも意見を出し合う事が大切だと思っている。なぜなら答え合わせの場所ではないから。買い出し後は、食事の場に戻り、さくさくと鍋作り。初日の緊張感に開放されたか妙にテンションが高い人間がいたり、逆に低かったりする人間もいたり、それはまちまち。
20名近いスタッフで鍋を囲み、あっちこっちで様々な会話が交わされる。たまたま私のいた席のまわりは比較的スタッフ歴が長い人間だったり、ローテーションを管理する人間がいたりで、ついつい話は真面目な方向に。ここでもやはり、悔しい…とひと言。私はだまってうなづく。
解散前に、今回でひとまずのお別れとなるスタッフ上門さんからの挨拶。彼女は昨年のハルコヤを担当し、現場でひと際気遣いのできる人だった。ちょっとしたことをさりげなく伝えてくれ、その内容も明白。出来る人だなあ〜ありがたいね〜といつも思っていた。お別れの挨拶をする彼女の話を聞きながら、そこに何かがあるような気がした。気づける人、手を動かせる人、見渡せる人。それってなんだろう?そんなことを思いながら、一旦帰宅。


夜間警備のため、現場へ戻ることに。
深夜の護国神社はそれなりの雨。けっこう寒い。ストーブを持ってきて良かったな…と思いつつ、夜間警備担当の方と一日の話をする。彼はただただ私の話を聞いてくれ、なにを言う訳でもない。考えていたこと、感じたこと、それを言葉として吐き出す事が私にとって大事であり、彼もまたそれを了解してくれるように思う。それは鏡のようなもの。
彼に話をしながら少しづつ気づいたことがあった。ここ1年ほどでスタッフを卒業していった皆は、所謂中堅どころで、2日間の流れを現場感覚でしっかりと肌で理解している人たちだった。そして皆が皆、主張する訳ではなくとも、周囲が見過ごしているかもしれないことに気づけて、自分で手を下せる人。または気づいたことを周囲に声かけが出来る人たちだった。いなくなった事実を変えることは出来ないし、戻ることも出来ない。であれば、欠けてることを皆で認識してから2日目をスタートしよう。そう思った。


夜は明けたが雨は止まず。止まない雨はないと言うが、すぐさまヤメ。アメ。
なかなか厳しい天候からのスタート。
2日目の搬入はいくらか時間の余裕もあるので、昨晩考えたことを受付小屋の中でスタッフ達と話をする。特にここ1年で卒業していったスタッフがどういう存在だったのか?そのことを重点的に伝えた。話に納得はしてくれていたようだけども、雨がふっていたからか浮かない顔をしている。きっとそれは長くスタッフを務める人間ほどに、現場に対して気づける人間ほどに、表情はどんよりとしていた。話すことを話した私は、あとは割り切ってやってゆこうと思った。
気持ちの切り替えくらいはてめえでやれ。言い方は雑だけど、私たちは招かれている立場ではなく、招く立場。おいてくことはできないからひきづってゆこう。立ち止まっていられない。


「おはよーございますー」

背の高いカメラマンの男性が、いつものように集合写真をスタンバイ。
この時間もいつからか恒例となった。少しづつ変わる顔ぶれ。変わらない姿。
写真が時間の経過となって、形として残してゆく。
そしてその表情は今しかないもの。
かの男性が教えてくれた。




2日目の朝は、雨のなかスタート。


(後編につづく)


名倉哲





撮り終えて。






ようやっと撮り終えました。


ずいぶんと時間がかかってしまったのでほっとしています。
ようやく参加作家さんへ案内出来るな。

くらしのこと市カフェで案内する器たちの写真。
カフェにやってきたお客さんに料理と器を楽しんでもらう。
料理が届くまでに、すこしだけ器のことを想像してもらう。 

食べることと、うつわと向き合う提供出来る場を作りたいと思っています。

名倉哲

・・・・・・
くらしの教室

【その1】
注連縄かざりのリースづくり(11月21・22日両日開催)


【その2】


【その3】
ボタニカルサシェづくり(11月22日のみ)

・・・・・・








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